2025年7月10日、タイ南部プーケット県カロンビーチで、猛毒を持つ海洋生物「ブルードラゴン(Blue Dragon)」が発見されたと、緊急医療に関する情報を発信しているFacebookページ「ฉุกเฉินการแพทย์」が報告しました。日本語ではアオミノウミウシと呼ばれています。
このブルードラゴンは、学名 Glaucus atlanticus(グラウクス・アトランティクス)と呼ばれる貝類に分類されるウミウシの一種で、英語では「ブルーオーシャンスラッグ(Blue Ocean Slug)」としも知られています。
小さく美しいが、油断は禁物
ブルードラゴンは体長わずか2.5〜4センチほどと非常に小型ですが、鮮やかな青い体色と6枚の“羽”のようなひれを持ち、海の小さなドラゴンのような姿が特徴です。
もともとはオーストラリアや南アフリカ、ヨーロッパ沿岸などの温暖な海域に生息しており、今回のようにプーケットなど熱帯域の海岸にも漂着することがあります。
毒を蓄積する生き物、人に危害も
ブルードラゴンは自身で毒を生成するのではなく、カツオノエボシ(Portuguese Man o’ War)などの毒クラゲを捕食することで、その毒を体内に蓄える特性があります。そのため、見た目とは裏腹に極めて危険な毒性を持ち、人の神経や皮膚細胞、心臓機能に悪影響を及ぼすこともあるとされます。
実際に毒に触れた場合は以下のような症状が報告されています:
焼けるような痛みや激しい炎症
吐き気、嘔吐
激しい頭痛
アレルギー体質の人はショック症状や死亡例の可能性も
見つけても、触らない・近づかない
「ฉุกเฉินการแพทย์」では、ブルードラゴンを見かけた際は絶対に触れず、速やかに関係機関へ通報するよう強く呼びかけています。
また、万が一毒に触れてしまった場合は、患部を食酢で洗い流すことが応急処置として有効であるとも案内されています。