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攻撃性が強く、ショック症状を起こすおそれがある有毒な「ヒアリ」が兵庫県尼崎市で発見され、環境省が注意を呼びかけている。
中国・広東省から出航した貨物船の積荷に付着していたアリの巣は消毒され、死滅した。
特定外来生物であるヒアリが日本国内で確認されたのは今回が初めて。
環境省によると、ヒアリが見つかったのは先月26日。
広東省広州市の南沙港から出航し、神戸港に到着した貨物船のコンテナから積荷を取り出す際に通関業者によって発見され、近畿地方環境事務所が専門機関に確認を依頼。
すでに薬剤で燻蒸消毒され、コンテナが一時保管された神戸市や尼崎市にも殺虫剤や捕獲用具が設置され、これまでに侵入した形跡はないことから、周辺で繁殖している可能性は低いと推測される。
南米原産のヒアリは、体長2.5〜6ミリ程度で、体の色は赤茶色をしている。
国内に生存するほかのアリを駆逐するおそれがあることに加えて、昆虫以外にも爬虫類や野鳥などの小型哺乳類を集団で襲って捕食するほど攻撃的。
刺されるとアルカロイド系の強毒によって痛みやかゆみ、じんましん、発熱や激しい動悸などが起こり、場合によってはアナフィラキシーショックで昏睡状態に陥ることもあって、米国内では多数の死者を出している。
貨物に紛れて侵入し、世界では北米や中国、フィリピン、台湾などでも外来生物として定着しており、いったん定着すれば根絶することは難しく、早期発見、早期駆除が重要だとして、環境省は輸入業者や運動業者、通関業者、港湾関係者に対して、侵入のおそれがないか確認を徹底するよう指導することにしている。
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