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メキシコのバハ・カリフォルニア半島沖で、地球外生物にしか見えない謎の生き物が見つかった。
生まれたての赤ん坊のように全身がピンク色をしていて、ポコンと膨らんだお腹。
しかし、手足があるべき部分に付いているのは、魚のようなヒレだった!このモンスターは、昨年4月、バハ・カリフォルニア半島南端のカボ・サン・ルカス沖で魚釣りをしていた地元漁師ジェイム・レンドンさんが偶然釣り上げたもの。
地元のスポーツ・フィッシングクラブが奇妙な生物の写真をFacebookに投稿したところ、たちまち多くの反響が寄せられた。
なかには「東日本大震災の原発事故が生態系に悪影響を及ぼしたのではないか?」と懸念する声も多く、レンドンさんはメキシコの海洋生物の研究者に問い合わせた。
そのやりとりがサメの専門家に元に届き、太平洋東部の深海に生息するトラザメの一種「スウェル・シャーク」ではないかと結論づけた。
トラザメは、その名のとおり体の表面に動物のトラみたいな斑点があるのが特徴だが、このサメは、色素が少ない「白変種(リューシスティック)」の可能性が高いという。
色素がなく、体の色が白い動物といえば、アルビノを思い出すが、両者は全くの別物。
アルビノは先天的にメラニン色素が欠乏する遺伝子疾患である反面、白変種は遺伝情報に異常はなく、このサメも瞳の色は正常な暗い青色をしていると言う。
白変種はサメだけではなく、南アフリカのホワイトライオンや、インドのホワイトタイガーなどの哺乳類も多く、ホッキョクグマやホッキョクギツネ、白鳥などは、氷河期を生き抜いてきた生物にとって保護色として身につけたものだと考えられている。
ニュージーランドのサメの専門家、ブリット・フィヌッチさんによると、スウェル・シャークは深さ450メートルほどの海底に生息していて、日中はサンゴの隙間や洞窟で眠っており、夜になると活動する性質があるという。
人間には無害なおとなしいサメで、身に危険が及んだときには、大量の水を飲んで体を大きく見せることで、敵の攻撃を避けることから、このパンパンに膨れ上がったお腹は恐怖におののいている証拠だという。
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