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真心ブラザーズが2023年3月21日（祝・火）東京・中野サンプラザホールにて、ワンマンライヴ〈サンキュー・サンプラ・愛・サンサン〉を開催した。

真心にとっては毎年恒例となっているこのライヴだが、中野サンプラザは今年7月2日で閉館されるため、この日は閉館前最後のライヴとなる。

開演前の影アナには、なんと真心の2人、YO-KINGと桜井秀俊が登場。YO-KINGは、「今日はこのまま影でライヴやります(笑)」と冗談を飛ばしつつ、「真心ブラザーズとしては1996年からお世話になってきた中野サンプラザホール。今日がなんと20回目です。閉館前最後となる公演、心を込めて演奏させていただきます！」と宣言。桜井が「声出しOKになったということで、みなさんに一緒に歌ってほしい曲をたくさん用意しています。思う存分楽しんでください！」と続けて、いよいよライヴ本番へ。

壮大なSEに呼びこまれてステージに上がったのは、真心の2人、上野一郎（Ba）、須貝直人（Dr）、奥野真哉（Key）、うつみようこ（Cho）、MOUNTAIN HORNS（西岡ヒデロー（Tp） 上石統（Tp）、首藤晃志（Sax）、宇田川寅蔵（Sax））の10人編成によるMB’Sだ。10人のシルエットがビシッと勢ぞろいするとステージに拍手喝采が送られて、ライヴは「EVERYBODY SINGIN’ LOVE SONG」でスタートした。初っ端からのパーティソングに、会場は総立ちとなり、早くもサビで大合唱だ。YO-KINGが間奏でブルースハープを吹くと、桜井が「on Vocal & harmonica、YO-KING！！」と紹介してから、間奏明けには自らヴォーカルを取り、ギターソロでは今度はYO-KINGが「桜井秀俊！」と紹介する。後半でブレイクしてシンガロングを求めるシーンで早くも客席に胸アツな光景が広がった。華やかなライティングの中で始まった「BABY BABY BABY」では、しなやかに動き回りながら歌うYO-KINGと、時折飛び跳ねながら心地良いカッティングを聴かせる桜井。真心ブラザーズ、本日も絶好調。2番では、うつみようこがパワフルな歌声を聴かせる。ホーンがド迫力で鳴り響くファンクチューン「愛」ではサーチライトが飛び交い、ドラム、ベースのソロも興奮を煽った。

MCでは、「こんばんは、真心ブラザーズです！いやあ、最高だわ。中野サンプラザなんと20回目。今の中野サンプラザでは最後のライヴです。デビューして1989年以来、ライヴを何度もやってきましたが……今日は僕、本気出します」とやる気スイッチオン宣言するYO-KINGに対して、「90年代に本気出しといてよ～」と桜井が嘆いて、客席は爆笑＆大喝采となった。「今日はMB’Sのみんなも本気出してくれると思うので、最初から飛ばしていきます！」（YO-KING）。

ニューアルバム『TODAY』からは、口笛も楽しく一緒に口ずさみたくなるメロディの「白い紙飛行機」を披露。続いてYO-KINGがアコースティックギターのストロークで歌い出したのは、アルバム『俺たちは真心だ！』収録の、桜井曰く“超レア曲”な「或る男の詩」。さらに序盤ながら桜井が早くもギターを置きハンドマイクを手にして、メインボーカルを務める「Gotta Poison」へ。ベースがうねるディスコビートに乗せて〈病気んなった 病気んなった〉と歌うこれまたレアな曲。声出しOKとなった会場で〈移された～〉と、じつに真心らしいコール＆レスポンスが行われた。真心とベース、ドラムの4人による「マイ・リズム」、桜井がヴォーカルを取る「Body as Machine」では、強烈なリズムで圧倒された。特に、「Body as Machine」はオリジナルとは異なるジャングルビートの躍動感が際立つアレンジとなっていた。

暗がりの中、YO-KINGがハーモニカを吹きギターを鳴らした瞬間に歓声が上がったのは「素晴らしきこの世界」。バンドが加わり、サックスが咆哮する後半の激しい展開に、オーディエンスは立ち尽くして聴き入っていた。続く「スピード」と併せて、真心の変革期ともいえる時代の曲が並んでいたのが印象的だった。

2人だけで演奏されたデビュー曲「うみ」、2001年の“別れの歌3部作”でリリースされた「橋の上で」「この愛は始まってもいない」と、メロウな曲が続く。そこへ、静寂を破るディストーションの効いたギターが鳴って、『TODAY』のオープニングを飾る「一触即発」が始まった。YO-KING、桜井それぞれがハードなギターの音を鳴らす。〈世界が明日もまだ 続くとは限らないぜ〉と不安な時代の空気を歌うこの曲から、逞しく生きることを宣言する「明日はどっちだ！」の流れでメッセージを送るところはさすがだ。曲の最後にはYO-KINGの「Oh, yeah！！」の声に応えて客席から一斉に拳がステージに向けられる熱いシーンも。

「なんか実感ないけど、中野サンプラザ最後なんですね。まあ寂しいけど、楽しかったからいいや。みなさんのおかげで20回もサンプラで出来ました！サンキュー・サンプラ・愛・サンサン！！じゃあ、サンプラに愛を込めて。そしてみなさんに愛を込めて！」とのYO-KINGの曲振りから、飛び出したのは「どか〜ん」。手拍子と振り付けで大盛り上がりとなった。YO-KINGは、「ダンス振り付け、小川文明！」と、かつて真心のサポートを務めたすかんちのキーボーディスト・小川文明（2014年に逝去）の名を呼んで、「プレイもすごかったけど、振付も残してくれた。サンキュー、小川さん！サンキュー、サンプラ！」と天に向かって感謝を示した。また、桜井は会場入りする車中のラジオで高校野球を聴いていたところ、長崎日大が応援曲で「どか～ん」をブラスバンド部が演奏して他の生徒たちが歌っていたという。「球児たちも大声で歌えてるんだ！？と思って、会場に来る前に泣いてしまいました」と明かしてほっこりさせた。

そんなほっこりムードがそのまま引き継がれたような、緩やかなグルーヴの「Keep on smiling」でメンバーを紹介した。そして、桜井の低音リフが鳴ると、ドッと客席が沸いて、「新しい夜明け」へ。90年代からのライヴアンセムだが、〈やっと聞こえてきた 自由の声が〉と歌われる歌詞は、やっと声出しできるようになったライヴに相応しい。マイクを客席に何度も向けて、合唱を促すYO-KING。この日を象徴している1曲だった。歌い終わり両手で客席に「もっと、もっと」と煽ると、凄まじい大歓声が起こった。そのまま「ENDLESS SUMMER NUDE」へと続けば、盛り上がらないわけがない。右手を振りながらクライマックスへ向けて一体となる。「すごいライヴになるだろうと思ったけど、それ以上に良いライヴになりました！最高でした！サンキュー、サンプラザ！」YO-KINGがそう叫んで、最後に歌われた曲は、「空にまいあがれ」。YO-KINGは〈そこは気持ちのいいところ けして夢なんかではありません〉と歌いながら床を指したり天井を指したりしながら、中野サンプラザへの感謝と敬意を表していた。

アンコールの1曲目は、「拝啓、ジョン・レノン」。桜井の強烈無比なギターリフ、うつみようこの迫力のコーラスで始まり、熱狂的なステージングとなった。そんな熱気に包まれた空間から演奏された、中野サンプラザの真心ブラザーズ最後の1曲は、「RELAX〜OPEN〜ENJOY」だった。「ありがとう、中野サンプラザ！忘れないぜー！」（YO-KING）「最高でした！」（桜井）と言い残して、ライヴを締めくくった2人。真心ブラザーズの歴史を詰め込んだベスト選曲のパフォーマンスは、中野サンプラザへの愛と感謝、惜別の想いが込められたものだった。また、お客さんとの合唱、コール＆レスポンスの盛り上がりは格別で、まさにこれからの真心ブラザーズの活動へ向けた「新しい夜明け」そのものに感じられた。

取材・文：岡本貴之
写真：石川雄斗

ライヴ情報

ツアー情報

2023年4月16日（日）
神奈川・横浜にぎわい座芸能ホール
開場･開演 16:30 / 17:00

2023年4月22日（土）
北海道・東川町せんとぴゅあ
開場･開演 16:30 / 17:00

2023年4月23日（日）
北海道・札幌EZOHUB
開場･開演 16:30 / 17:00

2023年4月29日（土）
岡山・能楽堂ホールtenjin9
開場･開演 17:00 / 17:30

2023年4月30日（日）
香川・丸亀市猪熊弦一郎現代美術館2階ミュージアムホール
開場･開演 14:00 / 14:30

2023年5月5日（祝・金）
兵庫・神戸月世界
開場･開演 16:30 / 17:00

2023年5月7日（日）
和歌山・CLUB GATE
開場･開演 16:00 / 16:30

2023年6月3日（土）
岩手・岩手銀行赤レンガ館
開場･開演 13:30 / 14:00

2023年6月4日（日）
宮城・白石市古典芸能伝承の館碧水園 能楽堂
開場･開演 15:30 / 16:00

2023年6月10日（土）
熊本・早川倉庫
開場･開演 16:30 / 17:00

2023年6月11日（日）
福岡・森本能舞台
開場･開演 16:00 / 16:30

2023年6月24日（土）
愛知・名古屋 東別院対面所
開場･開演 16:30 / 17:00

2023年6月25日（日）
大阪・味園ユニバース
開場･開演 16:30 / 17:00

2023年7月17日（祝・月）
東京・大手町三井ホール
開場･開演 16:30 / 17:00

フォトギャラリー

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V.A. / 再建設的

真心ブラザーズ / 天空パレード

真心ブラザーズ / PACK TO THE FUTURE

真心ブラザーズ / Do Sing

【日時】2023年03月29日 12:00
【提供】OTOTOY

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