
アジア各地で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しています。タイ、香港、シンガポール、中国で感染者数や重症例が増加しており、各国の保健当局が警戒を強めています。タイメディア The Nation Thailandが2025年5月19日に伝えました。
タイでは、4月のソンクラーン(タイ正月)に伴う人の移動や集まりをきっかけに感染が広がり、今年に入ってから2度目の大きな流行が確認されました。疾病管理局は、高齢者や基礎疾患のある人を中心にリスクが高まっているとして、追加接種(ブースター)の早期実施を呼びかけています。
中国では、病院での陽性率が直近5週間で2倍以上に増加。香港では、呼吸器サンプルの陽性率が1年以上ぶりの水準となり、下水調査でもウイルス濃度の上昇が確認されています。
シンガポールでも感染者数と入院者数が前週比で約3割増加し、政府は約1年ぶりに感染状況を詳細に公表。いずれの国でも、新たな強毒性の変異株は確認されておらず、主な要因は免疫の低下とみられています。
保健当局は、過度な安心が再拡大を招くおそれがあるとして、引き続きの感染対策と追加接種の重要性を強調しています。