活発な火山活動が続く霧島連山の新燃岳について、気象庁は31日、警戒を必要とする範囲を火口から約2キロに縮小するとともに、えびの高原硫黄山の火口周辺警報を解除し、噴火警戒レベルを1に引き下げた。
宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島連山の新燃岳では、今月17日未明を最後に噴火が発生していない。
二酸化硫黄を含む火山ガスの放出量は、15日に1日あたり1万1000トンと急増したが、23日以降は200トン以下に減少。
火山性微動は、21日までは変動があったが、その後は観測されておらず、山体の傾きにも大きな変化は見られない。
しかし、マグマなどの動きを示すと考えられている低周波地震は現在も引き続き発生しており、今後も噴火の可能性はあるという。
このため気象庁は31日午後2時に、警戒が必要な範囲を火口から約2キロに縮小すると発表した。
さらに、新燃岳の北西5キロほどに位置するえびの高原硫黄山では、先月5日以降、振幅の大きな火山性地震が一時的に増加し、同8日には噴気の上昇が確認されたが、今月26日の現地調査の際には、火口内や周辺の地表の高温域が縮小し、火山ガスの放出も減少。
気象庁は硫黄山深部から供給される火山ガスや水蒸気は少なくなったものとみて、噴火警戒レベルを「1」に引き下げる方針を決めた。
【日時】2017年10月31日(火) 15:44
【提供】ハザードラボ