>>155 からの続き
A子さんは、この事件で複数の挫傷に加え、右膝関節の軟骨を損傷し、加療に約3週間を要すると診断されている。
深刻な人身事故を起こしておきながら、救急も警察も呼ばない警察官――。だが、兵庫県警の“不誠実さ”はここからさらに増してゆく。
「この日の朝7時に、Xがいつも通りに出勤しようとしたので、さすがに私も怒ったんです。
すると彼は不貞腐れた様子で、上司に電話をしました。その15分後、上司のY氏がXの家にやってきました」
Y氏の名刺には、同じ伊丹警察署地域第一課の警部補と書かれていた。
Y氏は事件のあらましを聞き、A子さんの怪我の様子を目にしても、“警察官”としてまともな対応をしないばかりか、隠蔽を図った。
「最初から高圧的で『それで2人は別れるの?』などと、事件をたんなる痴話喧嘩にしたいようでした。
さらに『荷物を持って自分の家に帰りなさい』『警察呼ぶのは勝手だけど、あなたの思いどおりになるとは限らないよ』などと、
脅すような発言でその場を収めようとしてきました。
Xも上司に同調し、『(警察を)呼ぶなら呼べば』と嘯いたので、その場で110番したんです」
駆けつけたのは尼崎東警察署の署員たちだった。現場検証がはじまり、A子さんは警察署で被害届を提出することに。
やっとまともな“警察官”が現われた――。そう思った矢先だった。
「調書をつくる際、署員に『Xと連絡をいっさいとらない』という誓約書を書かされたんです。
さらに『Xの連絡先や写真を全部消せ』『Xの家に行ったら、あなたがストーカーとして訴えられる側になる』と言われました。
彼とのラインのやり取りや、スマホの写真フォルダの中も細かくチェックされ、削除を強いられました。
事件のことでショックを受け、疲れ果てていた私は、言われるがままに消去してしまいました。
でも、なぜ被害者の私が突然ストーカー扱いされたのでしょうか」
現在、A子さんは弁護士に相談し、慰謝料と治療費を求める損害賠償請求の訴訟準備を進めている。