安倍首相の“側近”との指摘もある“大物記者”が大ピンチだ。
フェイスブックにつづった内容に対し、現職の国会議員から名誉毀損の疑いで刑事告訴されたのである。
刑事告訴されたのは産経新聞・政治部編集委員の阿比留瑠比氏。
阿比留記者は自身のフェイスブックで「ある議員」から聞いた話を掲載。
〈『国会の指さしクイズ王』が官僚時代に、意にそまぬ部署への異動を指示された際、1週間無断欠席し、さらに登庁するようになってもしばらく大幅遅刻の重役出勤だった〉と書いた。
実名こそ出していないが、元官僚の「クイズ王」が「自分」を指し示していると“反応”したのが民主党の小西洋之・参院議員。
自民党の憲法改正草案について国会で安倍首相を舌鋒鋭く攻め立てた直後だった。
小西議員はすぐにツイッターで「事実無根」と猛抗議。
さらに阿比留記者と「ある議員」を相手取り、刑事告訴に踏み切った。
小西議員が改めてこう言う。
「私が国会で安倍総理の暴挙を追及するたびに、産経新聞は総理を懸命に擁護し、私を不当におとしめる記事を書いている。NHK中継の国民の目の前で『平和主義の切り捨て』という解釈改憲の本丸を突き崩され、ついにそれでは足りなくなったのか。全くの事実無根であり、『ある議員』も堂々と名乗り出ていただきたい」
本紙の直撃に対し、阿比留記者は「裁判のことなので一切コメントできない」と答えた。
産経新聞は、前ソウル支局長の加藤達也記者が、〈セウォル号沈没当日に朴槿恵大統領が男と密会〉と報じて、名誉毀損で在宅起訴を受け、約8カ月間の出国禁止措置を受けたばかり。
たまたまだろうが、会社を代表する支局長や編集委員といった“大物記者”が立て続けに名誉毀損で刑事告訴される事態は異例だ。
【日時】2015年05月01日(金)
【提供】日刊現代