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９割は輸入に頼る小麦、価格１７・３％引き上げ…ウクライナ情勢でさらに上昇か
2022/03/09 18:22
ウクライナ情勢
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　農林水産省は９日、政府が買い付けて製粉業者などに売り渡す輸入小麦の価格を４月から１７・３％引き上げると発表した。価格は比較可能な２００７年以降では、０８年１０月に次ぐ２番目の高水準となる。主産地の天候不順に、ウクライナ情勢の緊迫化による国際価格の上昇が影響している。

農林水産省
　輸入小麦の価格は半年ごとに改定しており、１トンあたり平均７万２５３０円となる。農水省の試算では、今回の改定で食パンは１斤あたり２・６円（１・５％）、家庭用薄力粉は１キロ・グラムあたり１２・１円（４・４％）程度、それぞれ値上がりする。小売価格への反映は、今夏以降になる。

　売り渡し価格の大幅引き上げは、昨夏、米国とカナダが干ばつに見舞われて不作になったことが大きい。ただ、深刻化するウクライナ情勢や、ロシアに対する経済制裁の影響は一部しか織り込んでおらず、次回改定する１０月以降はさらに上昇する可能性がある。

　日本で消費される小麦の約９割は輸入に頼っている。政府は安定的に供給するために、ほぼ全量を買い入れ、製粉会社などに売り渡している。売り渡し価格は、直近半年間の国際価格を参考に見直している。昨年１０月も１９％引き上げたばかり。