雲がゆき
又雲がすぎ
鯉のぼり
南無の空
光に見えし
チューリッフ゜
秋夕焼け
赤黒き
1000グラムの吾子
千年の
樹海の風と
枯葉の香
秋天
はがれ落ちる
人にベンチに
750CCの
タンクに
しがみつく
寒夜
空蝉の
転がるベンチ
海の駅
マンモスの
滅んだ理由
ソーダ水
長刀鉾
雲裂き進み
ギシギシと
許されて
寺の笹切る
星祭り
銀盤の
弧の凍りゆく
明けの星
節分の
センサーライトが
照らす闇
卒業の
駐輪シール
並ぶ朝
野良犬の
吠える沼尻
花筏
はこね号
これより
初夏に
入ります
紫陽花の
泡立つ車窓
午後の雨
カフェひとり
ニーチェの頁
めくる秋
赤トンボ
飛び交う紅白
身をかわし
メゾフォルテ
銀座の梅雨の
ものがたり
助手席の
窓を流るる
イブの街
落日に
人生の飽き
重ねみる
走り終え
サンダル探す
運動会
雛市や
きのふの雨が
嘘のごと
雛店を
出るや
睫毛に
陽の眩し
妹と雛市を見に行く日かな
雨の日の雛市どこか安らけし
雛市のはづれ神社に行きあたる
をちこちに緋の匂ひたつ雛の市水ヨーヨー透かす夜店の灯りかな鎌で切る鶏の首盆支度
分校の一樹入学児は一名数字の対比"は"を入れて子どもを強調
初桜子どもの笑い声で咲く
子らの声とひかりを吸うて初桜
えんぴつに桜の歯形入学す緊張してたことを表した虚の季語と実の季語
走ろうよふたりだけの入学式
走ろうよ走れよ入学児二人
頬赤き子ら花冷の校門へ
桜冷え子の眼と頬に萌ゆるあか
花冷えや巣立ちゆく子の頬あかし花冷えや巣立ちゆく子の眼マナコ美しハシ
初桜交互に跳ねよ赤と黒
初桜跳ねる鞄の赤と黒やろうとしたことは才能有りなんだなぁ♪