「刑務所出ても何もできないから死刑でいいと思った」極刑望んだ被告が遺族に語った“異常性” 《カラオケパブ刺殺事件》男が控訴したのに「話をすることはないので裁判にはでません」
大阪・天満のカラオケパブで当時25歳の経営者の女性が殺害された事件。
被害女性の遺族は悲しみに暮れる中、真意を確かめるために被告に面会を重ねていました。
おととし6月、大阪・天満にあるカラオケパブを経営する稲田真優子さん(当時25)が、首や胸などを刃物で何度も刺されて殺害されました。
逮捕されたのは当時店の常連客だった宮本浩志被告(57)でした。
去年9月、1審の大阪地裁の初公判で、宮本被告の弁護人は無罪を主張。
しかし、宮本被告は「死刑をお願いします」と、自ら極刑を求める異例の主張をしていました。
判決で大阪地裁は「懲役20年」を言い渡しましたが、判決を不服として宮本被告側は控訴しました。
大阪拘置所に向かう被害者の兄「心えぐられることばかり」
今年5月17日、黒のスーツ姿で複雑な思いを胸に歩くのは亡くなった稲田さんの兄・雄介さん(31)です。
向かった先は大阪拘置所。
1審の裁判では肝心の事件のことや死刑を求めた理由などについて法廷で一切話すことがなかった宮本被告。
宮本被告側が控訴した後、稲田さんの兄・雄介さんは面会で宮本被告に会いに行きました。
最愛の妹の命を奪った宮本被告になぜ会いに行くのか。その思いを尋ねました。
(稲田さんの兄・雄介さん)
「私はどんな判決でも満足はしないが、向こうからしたら暇ごいの一環なのか分からないが、判決で20年という有期刑のレールにのったわけだが、男の心は何も変わっていない。出所した時に真優子じゃない誰かが被害者になる可能性がある。他の家族がそういう被害にあって悲しい気持ちになってほしくない。今のままなら絶対にそうなる。このまま逃がしたくないし、逃げさしたくない。会って話をすると、心がえぐられ、、面会に行くことは決していいものではないが、少しでも(再犯の)可能性が減らせれるなら。このままやっぱり逃げてほしくないし、話をしてもらいたいので来ました」
>>707 へ続く
【小川泰平の事件考察室】 #84 #569