九州南部に位置する霧島連山に囲まれたえびの高原硫黄山周辺ではきのう(19日)から、火山性地震が急増しており、けさは8時までに12回発生しており、気象庁が動向を注視している。
新燃岳の北西に位置するえびの高原硫黄山では、19日からごく微小な地震を含む火山性地震が増加しており、きのうは17回、けさは12回観測された。
火山性地震は17日から活発化しており、過去4日間の合計回数は53回にのぼる。
地下の水蒸気やマグマの動きを示す火山性微動は観測されておらず、地盤の傾斜を測定する傾斜計のデータには、今のところ特段の変化はない。
ただ、GPS衛星による観測では、昨年7月ごろから地殻変動が続いており、硫黄山の周辺では活発な噴気活動や地表の熱の高まりが確認されていることから、気象庁は地下でマグマの蓄積が続いていると見て、噴気孔から高温の土砂や噴気、熱水などが突発的に噴出するおそれがあるとして注意を呼びかけている。
一方、昨年10月に噴火した新燃岳では、現在も噴火警戒レベル3の入山規制が続いているが、今月17日には一時的に火山性地震が14回と多くなった。
また新燃岳の南東に位置する御鉢でも今月16日に南西側が震源だと推測される火山性地震が7回観測されており、気象庁は「火山性地震の活発化がみられることから、小規模な噴火が発生するおそれがある」として、警戒レベル2の火口周辺規制を発令している。
■国内の火山の現状については、ハザードラボ「火山マップ」を随時ご確認ください。
【日時】2018年02月20日(火) 10:11
【提供】ハザードラボ