>>139-140
古い書き込みですが(何かの資料からの抜粋?違ったらすいません。文章が上手ですね)補足的に書かせて下さい。
ここに書かれた日米の飛行兵における階級ギャップですが、これについては海軍も改善したかったのです。
その旨は当時の一般向けに市販されていた『海軍読本』に書かれています。要約すると…
「本来なら搭乗員はすべて士官とするべきだ。しかしそれは行政上不可能なため、せめて士官に準じた教育を施して下士官でありながら〝士官代用〟として勤務してもらうために少年航空兵制度(昭和5年から 海軍なら予科練)を設けた」
ここでいう〝行政上不可能〟の意味が掴みかねます。おそらく海軍内部の教育や人事の話かと思われますが。
いずれにせよこの制度によって適正のある若者を航空兵として早期に教育を受けさせ、効率的な航空兵の育成に成果があったわけですが、後々この〝士官並みの仕事を下士官にやっていただく〟ことが海軍全体に微妙な空気を持たせたと言えます。
つまり本来なら彼らに対して冷徹に指示・命令を出すべき士官達が、これら航空兵達に対して遠慮や気遣いを持って接する空気です。
特に艦攻搭乗員について言えば、なぜ南雲が兵装転換に右往左往しなければならなかったのかにも繋がる話です。
例えば日本の偵察機や攻撃機は悪天候を理由に勝手に引き返してくることがよくあったそうです。もし米海軍ならそれは命令違反であり絶対に許されません。
しかし〝下士官に働いていただいている〟日本海軍ではそれを処罰出来なかったのです。
こういう甘さは当時の海軍に限ったことではないように思えます。現在の我が国の組織でも往々に見かけるものかもしれませんね。