2月7日、衝撃的な一報がヤクザ業界を走り抜けた。それは、「大阪にある神戸山口組の傘下組織に、任侠山口組の関係者らが殴り込みをかけた」との内容だった。その為、業界は勿論、情報をキャッチしたマスコミも混乱状態に陥った。殴り込みの現場へと急いで駆け付けた全国紙関西支局社会部記者は語る。「周知の通り、昨年9月に任侠側の織田代表が襲撃された事件では、代表のボディーガード役だった組員が射殺されています。我々は直ぐに任侠側からの報復が始まると踏んでいましたが、これまで不気味な沈黙が続いていました。そんな中で、遂に任侠側が報復に動いたと判断して、ミナミの繁華街から近い現場にマスコミ各社が集結したんです」。現場は、神戸側の中核組織『4代目山健組』直系である『2代目兼一会』の本部事務所前だった。同日未明、100m程離れた任侠側直系組織の事務所から、組員らが兼一会本部に押し掛け、出てきた兼一会組員らとの間で乱闘となったという。この争いを目にした通行人による通報で地元警察が駆け付け、怪我人も出たことで、傷害事件として処理された。だが、警察サイドへの取材等から浮かび上がってきたのは、意外な事実だった。「この乱闘が起きる前に、神戸側直系の太田興業の幹部が、兼一会事務所の隣に建つ植野雄仁会長の自宅に、酒に酔った状態でアポ無し訪問していたようです。真夜中の酔客とあって、対応した組員は『親分は体調が悪く、伏せているので、お引き取り願いたい』と丁重に断わりました。ところが、それでも幹部が植野会長との面会を求めた為、互いに熱くなって手が出てしまった模様です。また、この幹部とは個人的に仲が良く、当日も一緒に飲んでいた任侠側の土倉太郎相談役は、騒動を止めようとして事件に巻き込まれています」(大手テレビ局社会部記者)。