>>667
人が嫌がる仕事なのに給料が低い理由。
看護師や介護士、清掃員、保育士、教師など他者のために働く職業は社会的価値が高いといえます。しかし、これらの職業の報酬は実際には労働の対価としては低いことも多いです。
なぜなら、社会的価値と報酬の関係は複雑で、これまでも経済学者たちが研究してきたテーマとなっています。経済学者たちは、職業が経済全体に対してどれだけの価値を追加しているか(付加価値)を評価しています。
例えば、医療研究者は1ドルの給料に対して社会に9ドル分の価値を追加しているとされています。一方で、金融部門の労働者は1ドルの報酬につき社会から1ドル以上の価値を差し引いているとされています。金融部門の労働者が働いて報酬を稼ぐほど社会に損失を与えているんですね。
仕事の選択肢がある人は給料を比較して高い方へと移っていきますが、選択肢がない人は給料が安い仕事にしか就けないため、給料が安い仕事に選択肢がない人が集まってしまいます。介護士にも医者にもなれる人は医者になるって話です。清掃員しかなれない人は弁護士になれないって話でもあります。資格や能力が高い人が競争に勝って給与の高い仕事を占有します。それ以外の多くの人々がひしめく仕事は安い給料で買い叩かれてしまいます。
社会的価値の高い仕事、付加価値の高い仕事に対しては適切な報酬を提供することが社会に求められていますが、なかなか難しいですね。