激しい噴火を繰り返す南太平洋のバヌアツ・アオーバ島で10日、再び大規模爆発が発生した。
噴火に伴って真っ黒な噴煙が雲を突き抜ける高さに達し、航空機のすぐ脇を立ち上るようすがとらえられた。
住民の島外脱出を求める声が日増しに高まっている。
アオーバ島の火口湖に位置するマナロ・ヴォイ火山では先月下旬から噴火活動が激化しており、今月5日に起きた爆発では噴煙が上空6000メートルに到達。
風に乗って3000キロ以上東へ離れたタヒチ上空や、オーストラリアの東海岸まで運ばれるようすが衛星の観測データで確認された。
この日の爆発では、過去3年間に地球上で起きたどの火山噴火よりも多く二酸化硫黄を放出した可能性が高いと指摘されている。
相次ぐ噴火の影響で、酸性雨が降った耕作地は汚染され、火山灰や土石流で多くの住宅が失われた。
島民は近隣の島や支援団体から提供された飲料水や食料でしのいでおり、島外避難を求める声は日増しに高まっているものの、政府には輸送手段や避難施設の確保のめどが立たない状況だ。
10日に起きたマグマ噴火では、巨大な噴煙が柱のように雲を突き抜けて上昇。
気象衛星の観測データを見ると、茶色い噴煙が700キロ東まで運ばれていったのがよくわかる。
約650人の住民が避難している島南部の避難所では、テントや車に厚く火山灰が降り積もり、降灰で洗濯ができないため、被災者の衣服もススで汚れていて、衛生環境が悪化しているのがわかる。
【日時】2018年04月12日(木) 10:45
【提供】ハザードラボ