スズキが労働基準監督署から労働時間の是正勧告を受け、従業員に未払いの賃金約1000万円を支払っていたことがわかった。
是正勧告を受けたのは静岡県牧之原市にあるスズキ相良工場。同工場では始業前に任意で約5分間の体操と、始業後に1〜2分の朝礼を実施していた。しかし、一部の部署で体操が任意だと伝わっていなかったほか、朝礼が始業前に始められていた部署もあった。
NHKニュースによると、従業員の情報を受けて島田労働基準監督署が立ち入り調査を実施。6月にスズキに対し、体操や朝礼の時間を労働時間として把握するよう是正勧告をした。
これに基づき、スズキは2016年6月〜2017年2月までの間の未払い分の賃金として、約500人に合計約1000万円を支払ったという。
厚生労働省は労働時間について、「使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる」としている。
「黙示の指示」とは、文字などで具体的に示されていなくても、指示のなされた時のあらゆる状況から、指示ありと認められるものだ。労働政策研究・研修機構によると、2001年に大阪高裁で判決が出たいわゆる「京都銀行事件」では、始業時刻前にほぼすべての男性行員が出勤し、準備作業や朝礼などが行われていることが常態となっており、作業に要する時間が使用者の黙示の指示による労働時間と認められ、時間外割増賃金の支払いが命じられた。
厚生労働省はガイドラインで、雇用主などににタイムカードなど客観的な方法で、労働時間を把握するよう指導している。
ガイドラインは「使用者の指揮命令下に置かれていると評価される時間については労働時間として取り扱うこと」などと書かれており、「参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間」も、労働時間として扱わなければならないとしている。
[西片清栄知]
残業代の未払いに対する罰則とは|労基違反による懲役・罰金事例
従業員に時間外労働や深夜労働、休日労働などをさせたのに、「割増賃金」や残業代が未払いになっていた場合は使用者(会社)に罰則が課せられます。
こうした残業代がきちんと支払われていない場合、労働基準法違反となって、企業側は行政機関から是正の指導を受けたり、悪質な場合は刑事事件として立件される可能性があります。
今回は、残業代未払いに対してどういった罰則があるのか解説します。
残業代を未払いにした会社が受ける罰則
残業代の未払いが違法となるのは、企業が従業員に対して「時間外労働の割増賃金」を払わなかった場合です。
罰則の内容は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
残業代を払わなかったとき、雇用者に適用される罰則は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑です(労働基準法37条、119条)。
このとき、誰が罰則を適用されるのかも問題となります。一般的には「代表者」「経営者」が処罰を受けます(場合によっては直接指揮命令をしていた責任者が刑事処分を受ける可能性もあります。)。
[西片清栄知]
スパナの有名会社じゃないですかー?皆さん使ってる。
[匿名さん]