長野と群馬にまたがる浅間山では、今年に入ってからずっと火山ガスの放出量が多い状態が続いている。
気象庁は21日に行った現地調査について、「先月18日以来、約1カ月ぶりに放出量の平均が3000トンに達した」と明らかにした。
浅間山では2回の小規模噴火があった2015年以降、二酸化硫黄を含む火山ガス放出量が1日平均3000トンを超すことはなかったが、今年は1月18日に3600トンに達し、それ以後も多い状態が続いている。
山頂直下のごく浅いところを震源とする火山性地震も多く、夜間には山頂の火口付近から立ち上る噴煙に、溶岩や高温のガスが反射して赤く見える火映現象が観測されている。
気象庁によると、山頂の南南西に設置した傾斜計では、昨年12月ごろから緩やかな地殻変動が観測されていて、この動きは2015年の噴火時の動きとよく似ているという。
今月初めに陸上自衛隊の協力を得て上空から行った観測では、昨年5月の観測時と比べて、火口中央部の高温領域が広がっているようすが観測されているが、新たな噴出物は見られず、地下のマグマや水蒸気の動きを示す火山性微動も観測されていない。
【日時】2017年02月22日(水) 13:49
【提供】ハザードラボ