[2019年12月20日7時0分]
大通公園を視察する国際オリンピック委員会、世界陸上競技連盟、東京2020組織委員会の視察団(左下)(2019年12月14日)
2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は19日、五輪マラソン(女子8月8日、男子9日)のコースを「変則3周」とすることで世界陸連の承認を得たと発表した。札幌市中心の大通公園を発着とし、北海道マラソンのコースをベースに1周目を約20キロ、2、3周目は約10キロコースを走る。もう1つの課題点だった同時期開催のイベント問題について「さっぽろ大通公園ビアガーデン」の面積は縮小せず、五輪マラソン、競歩と共存開催する方向で調整していることが分かった。
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世界陸連との協議が難航した五輪マラソンのコースが折衷案で決着した。組織委は、大会後にハーフマラソンなどレガシーとして利用したい地元札幌の意向をくみ約20キロを2周案を推していた。一方、世界陸連は給水所や医療拠点を効率的に整備できることなどを理由に、約7キロを6週案を主張していた。
北海道マラソンのコース図ではスタート地点を0メートルとすると最高地点では約25メートル高い。組織委大会運営局の森泰夫次長は「非常にフラットなコース。選手が安全、安心に競技ができる」と語った。コースの概要は最終的には4月、雪溶けしてから正確な計測をし、固めていく。スタート、ゴールでは大通公園を2周回する。北大の構内を3回通ることになるが、樹木が多く、自然による日陰で暑さ対策に利用する。
また、大通公園周辺で同時期に毎年行われている「さっぽろ夏まつり」との共存開催を目指すことも判明した。国際オリンピック委員会(IOC)との開催都市契約で、IOCの事前承認なしに本大会と大会前後1週間に他のイベントを開催してはならないと定められている。