千葉が2連覇 女子・組手団体 全日本選手権
毎日新聞2017年12月9日 20時35分(最終更新 12月9日 21時18分)
【第45回全日本空手道選手権大会】女子団体組手決勝で宮原美穂(福岡)=左=を攻める植草歩(千葉)=東京都足立区の東京武道館で2017年12月9日、後藤由耶撮影
空手の全日本選手権が9日、東京武道館で開幕し、男女の組手団体が行われた。男子は昨年の世界選手権個人組手84キロ級覇者の荒賀龍太郎(荒賀道場)を擁する京都が決勝で山梨を3−1で降して10連覇。女子決勝は同68キロ超級優勝の植草歩(高栄警備保障)がいる千葉が福岡を2−1で破り、2連覇を達成した。最終日の10日は日本武道館で男女の個人組手と形が行われる。
【写真特集・空手全日本選手権】女子団体組手決勝の戦い
■先鋒・植草、冷静な対応
世界選手権メダリスト同士の接戦を制した千葉が初めて連覇を達成した。福岡との決勝で勝負を決めたのは、68キロ超級金の植草の冷静な作戦変更だった。
50キロ級銀の宮原美穂(帝京大)と対決した先鋒(せんぽう)戦。ポイントを先制されても植草は冷静だった。序盤は得意のカウンターで攻めたがポイントと認められない。開始20秒過ぎ、ビデオ判定の間に「審判が攻撃する方(のポイント)を取る雰囲気を感じた」。自ら攻める作戦に切り替え、ワンツー攻撃で同点に追いつくと、残り30秒に上段突きでポイントを奪って逆転勝ちした。
3人で戦う女子団体は先鋒の役割が大きい。この日は絶対的エースの植草が先勝して流れを作ることで勝ち進んだ。25歳の最年長は精神的支柱としての役割も果たした。同点で迎えた決勝の大将戦でも、熱くなりがちな多田野彩香(高栄警備保障)に「何(の技)でポイントを取るか考えて」とアドバイスして、勝利に導いた。
10日には3連覇が懸かる個人戦に臨む。昨年は連覇の重圧で思い切り良く戦えなかったが「今年は感動させる空手をしたい」。日本の空手界をリードする世界王者は表情を引き締めた。【松本晃】
毎日新聞2017年12月9日 20時35分(最終更新 12月9日 21時18分)
【第45回全日本空手道選手権大会】女子団体組手決勝で宮原美穂(福岡)=左=を攻める植草歩(千葉)=東京都足立区の東京武道館で2017年12月9日、後藤由耶撮影
空手の全日本選手権が9日、東京武道館で開幕し、男女の組手団体が行われた。男子は昨年の世界選手権個人組手84キロ級覇者の荒賀龍太郎(荒賀道場)を擁する京都が決勝で山梨を3−1で降して10連覇。女子決勝は同68キロ超級優勝の植草歩(高栄警備保障)がいる千葉が福岡を2−1で破り、2連覇を達成した。最終日の10日は日本武道館で男女の個人組手と形が行われる。
【写真特集・空手全日本選手権】女子団体組手決勝の戦い
■先鋒・植草、冷静な対応
世界選手権メダリスト同士の接戦を制した千葉が初めて連覇を達成した。福岡との決勝で勝負を決めたのは、68キロ超級金の植草の冷静な作戦変更だった。
50キロ級銀の宮原美穂(帝京大)と対決した先鋒(せんぽう)戦。ポイントを先制されても植草は冷静だった。序盤は得意のカウンターで攻めたがポイントと認められない。開始20秒過ぎ、ビデオ判定の間に「審判が攻撃する方(のポイント)を取る雰囲気を感じた」。自ら攻める作戦に切り替え、ワンツー攻撃で同点に追いつくと、残り30秒に上段突きでポイントを奪って逆転勝ちした。
3人で戦う女子団体は先鋒の役割が大きい。この日は絶対的エースの植草が先勝して流れを作ることで勝ち進んだ。25歳の最年長は精神的支柱としての役割も果たした。同点で迎えた決勝の大将戦でも、熱くなりがちな多田野彩香(高栄警備保障)に「何(の技)でポイントを取るか考えて」とアドバイスして、勝利に導いた。
10日には3連覇が懸かる個人戦に臨む。昨年は連覇の重圧で思い切り良く戦えなかったが「今年は感動させる空手をしたい」。日本の空手界をリードする世界王者は表情を引き締めた。【松本晃】