>>219
1970(昭和45)年8月に、ストロング小林のヨーロッパ遠征の穴を埋めるべくラッシャー木村が
約1年間にわたるアメリカ遠征から帰国しました。その際に持ち帰ったのがこの技です。
この技は、まず立ったまま相手の右足に自分の右足を内掛けのようにフックさせます。
そしてそのまま前方に自ら転がるように一回転します。
自分の右のふくらはぎを相手の膝の裏に差し込んだまま寝技の体勢になり、
そして自分の左足を自分の右足の甲に引っ掛け、さらに両手で相手の右足を引っ張るという、
たいへん複雑な手順を経て仕掛ける全くもって面倒な技です。
ラッシャー木村は、この技をアメリカ・ジョージア州遠征時に、ジムで後輩のヤス・フジイ選手と
コブラツイストの練習中に突然この技を思いつき、改めてマスターすべく練習に入ったのだそうです。
そしてこの年の6月30日(現地時間)ジョージア州メイコン市のスポーツアリーナにおいて行われた
バディ・コルト戦で初披露し、見事にこの技で勝利を掴んでおります。
しかし、帰国して初参加したダイナマイト・シリーズでは何度か使われていたようですが、
見た目が地味で複雑すぎたためか、その後はぷっつりと使われなくなってしまいました。
そのために幻の必殺技として取り上げられるようになったのだと思います。