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🐮 岩手雑談総合


No.8615172
合計:
#310
>>309
 話をもどすと、日本内地または植民地において応募の女性またはその親権者等との間で契約を成立させた募集業者は、契約書と借用書に加えて「前線陸軍慰安所営業者ニ対スル注意事項」が定める各種書類を作成し、その上で女性を連れて上海に戻らなければならない(あるいは上海まで女性を送らなければならない)。しかし、日中戦争がはじまるや、日本国内から中国への渡航は厳しく制限され、原則として日本内地または植民地の警察署が発給する身分証明書がなければ、乗船・出国ができなくなっていた。
  しかも、1937年8月31日の外務次官通達「不良分子ノ渡支取締方ニ関スル件」(史料1)は各地の警察に対して、「混乱ニ紛レテ一儲セントスル」不良分子の中国渡航を「厳ニ取締ル」ため、「素性、経歴、平素ノ言動不良ニシテ渡支後不正行為ヲ為スノ虞アル者」には身分証明書の発行を禁止するよう指示し、さらに「業務上又ハ家庭上其ノ他正当ナル目的ノ為至急渡支ヲ必要トスル者ノ外ハ、此際可成自発的ニ渡支ヲ差控ヘシムル」よう指導せよと、命じていたのである。
  まともに申請すれば、「醜業」と蔑視されている売春業者や娼婦に対して身分証明書の発給が許されるはずはない。だからこそ、その隘路を回避するために、上海の領事館警察から長崎水上警察署に対して、陸軍慰安所の設置はたしかに軍と総領事館の決定に基づくものであり、決して民間業者の恣意的な事業ではないことを通知し、業者と従業女性の中国渡航にしかるべき便宜をはかってほしいとの要請がなされたのである。この依頼状の性格は、前記外務次官通達の定める渡航制限に緩和措置を求めたものと位置づけられる。


[ 匿名さん ]
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