わずか11光年離れた宇宙に、地球によく似た惑星が見つかった。
ヨーロッパ南部天文台(ESO)の研究チームによると、この天体は、赤色矮星「ロス128」の周りを9.9日かけて回っており、太陽系に向かって接近中のため、7万9000年後には地球に最も近い惑星になる見通しだ。
宇宙で最もありふれた天体の赤色矮星のうち、太陽系に最も近いのは、4.25光年離れた位置にあるプロキシマ・ケンタウリだ。
ESOは2016年8月、プロキシマ・ケンタウリを公転する惑星プロキシマ・ケンタウリbを発見。
この惑星は、生命誕生が可能な「ハビタブル・ゾーン(生命居住可能領域)」を約11日で公転しており、表面上に水が存在する可能性が示唆されているが、一方で紫外線やX線が強く、生命の存在は難しいと考えられている。
仏グルノーブル・アルプ大学地球科学研究所のグザビエ・ボンフィル氏が率いる惑星探査チーム「HARPS」は、チリのラ・シヤ天文台にある直径3.6メートルの望遠鏡を使った観測で、おとめ座の方向に11光年離れた赤色矮星ロス128を周回する恒星「ロス128b」を発見した。
ロス128bは赤色矮星の周りを1周9.9日で回り、その距離は地球と太陽間(1億4960万km)の20分の1より近いにもかかわらず、降り注ぐ紫外線やX線の強さは、地球の1.38倍程度の穏やかな環境だと考えられている。
温度は零下60℃〜20℃程度と推定されており、表面に水があるかは不明だが、生命の存在を示す痕跡があるかもしれないという。
赤色矮星ロス128は、現在太陽系に向かって進んでおり、地球に最接近するのは7万9000年後。
それでも現在建設中の巨大望遠鏡ELTが完成して、2024年に観測を始めれば、大気中の酸素や気候などを詳しく調べ、生命の存在の可能性が明らかになるだろうとしている。
【日時】2017年11月16日(木) 14:20
【提供】ハザードラボ