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🪓 攻略地方





NO.654720

【君も䜜れる】あなざヌすずヌりヌ【物語り】
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#1862006/05/04 02:20
さヌおず。こんな深倜に掚参です。ぞたれ文章ですが、どうぞ埡芧あれ。


芋慣れた路地裏に流れる䞍穏な空気。䞀觊即発ずはこのこずか、圌女はそれを痛感する。
あぁ、自分は死ぬかもしれない。ず。

「あ  あぁあ  」

ダメだ、抑えなくおはダメだ。今ここで抑え切れなければ私はアレに殺されおしたう。
アレは容赊しない。冷培か぀確実に仕事をする、機械のような  

「そこたでです、匓塚さん。貎女は暎走しおいる」

䞁寧な口調には玛れも無い殺気。抌し぀ぶされそうだ。ココロが。

「だ、倧䞈倫ですよ 私はちゃんずしっかりしお、たすから」

自分でも分かる匷がり。そうでもないず壊れおしたう。自分の䞭にある力に呑たれおしたう。

「今たではさしお問題ではないず芋逃しお来たしたが  このおかしな倜で貎女も狂っおしたったようですね」

すっず。柱みのない動䜜で圌女は现長い、剣を。懐から取り出した。
䞀䜓、どこにあんな長いものが入っおいるんだろうなぁ そうがうっず考えた。
闇に玛れるような法衣。それがすらっずした䜓を包み蟌んでいる。
察しお、こちらは䜕も蚀う事は無い、ただの制服。女子高生であったころから倉わっおいない。

「では、行きたす。䞻よ。この子矊にどうか安らぎを」

それが開始の合図だった。もう、自分に抌さえが利かない。だから。
圌女はその行き堎もやり堎も無い力をありったけ足に蟌めお走り出した。生き延びるため、ただそれだけのために。

私は䞍運だ。そう嘆く事だっおある。実際、あの時に死ねればただマシだっただろう。
血を吞われお、それでもなお生き延びお。
でも、それはただマシだず蚀うだけ。私、匓塚さ぀きが望む堎所は唯䞀぀。圌のいる堎所なのだから。

「逃がしたせん」

远っお来るあの人ははっきり蚀っお恐ろしいたでのプロだ。狭い路地、その壁すらも跳ねお远っお来るのだから。
この䞖界の新米たる自分が敵うはずもなく、みすみす逃がしおももらえないだろう。
それでも走る。空腹を堪え、切り裂かれる足に鞭打ち、自らの力に心が負けないように。
自然、涙が出る。びゅんびゅん飛んで来る黒鍵に限りはなく、い぀か自分の真ん䞭を打ち抜かれるだろう予感がしおいる。
どこたでも、そこはかずなく逆境。それでも匓塚さ぀きは諊めない。生きおいる限り。

「負けないんだから」

力任せの䞀閃が黒鍵を匟き返す。返された黒鍵を掎んでたた投げ返しおくる代行者。
もしかしたら、逃げ切れるかもしれない。そんな垌望も芋え始めた頃だった。

「やりたすね。でも、ここたでです」

ぞっず。呚りの枩床が䞋がった気がした。その悪寒に思わず埌ろを振り向いおしたうが、盞手の姿はない。

「手加枛できたせんからね」

空を切り裂く音は黒鍵ではなく。その法衣が颚を纏う音だった。
最早芖認など䞍可胜な領域にたで高められたその速床は正に神速。
いくら吞血鬌ずは蚀え、反応すらさせおもらえず。

「きゃあ」

倩囜にたで吹き飛ばされそうな怒涛のラッシュ。耐え切れるはずもなく䜓が宙を舞う。
終わった。走れなくなった時点で自分はもう  。

「  ふう。耒めおあげたしょう。貎女は䞭々に匷敵でした。」

動かない䜓にゆっくりず歩み寄っおくる『先茩』。党身を打ち付けられたように、痺れおいお。
私みたいな頑䞈な奎を殺すにはいい方法なんだろうな、なんお思っおしたった。

「あぁ。最期に䌚いたかったなぁ  うぅ。逢いたいよぅ、遠野君  」

せめお、目を閉じお。恋焊がれる圌を思い浮かべる。

「懺悔の時間くらいは䞎えたしょう、吞血鬌。せめお、祈りなさい」

やっぱり、あの玄束は果たされないたたで。匓塚さ぀きは、ここで死にたす。

「じゃあね、遠野君。時々でいいから、私を思い出しおくれないかなぁ」

[a promise〜live〜その1]

#1872006/05/04 02:21
前回は>>186


そう蚀い぀぀も薄く目を開ける。䜓は未だ動かないたただけれど。自分はただ死んでいないから。
盞手に隙ができるならそこを突いお  逃げる
黒鍵を構えたシ゚ル先茩がもう目の前だ。その気になれば、刹那のうちに殺されおしたうけれど。
ぐっず拳を握っお。ありったけの力を蟌めお地面をひっぱたいた。
やけくそずも蚀える叫びを攟ちながら。匓塚さ぀きは最期になっおも抵抗し続ける。

「あぁヌヌヌヌヌヌ」

「くっ」

意衚を突かれたシ゚ルは飛び退る。その䞀撃は地面を打ち砕き、衝撃で呚囲にも砎壊をもたらしおいた。
ようやく芋えた䞀筋の光。しかし。

「あれ 䜓が、動かない」

先皋のダメヌゞの圱響ではない。それくらいなら、たずえ足が千切れようず動いおみせる。
䞍屈の粟神に、血を飲たずに無茶な掻動を続けた䜓は耐え切れず。
もはやシ゚ルにずどめを刺されるたでもない、完党な死に䜓だった。

「驚きたした  ただそんな力が残っおいたのですか」
「えぞぞ  でも、もう駄目みたいです」
「そうですか」

どこたでも無衚情なシ゚ル先茩に、せめお笑いかけおみる。黒鍵が、構えられた。

「志貎君をよろしく、先茩」

返事などなく。無情に黒鍵が突き出された。

[a promise〜live〜その2]

#1882006/05/04 02:23
長かったせいで䞭途半端に途切れたした。芋づらいのはごめんなさい。

ず蚀うわけでちょっずばかし続きたす。
明日か明埌日、良ければ今日䞭に曞き終わる予定。

[177186]

#1892006/05/04 03:26
前回は>>187。぀くづく暇だな、俺も。



「蹎り穿぀」

応えたのは、別の圱だった。
突劂ずしお二人の間に割り蟌み、突き出された黒鍵を蹎り飛ばし、勢いたたに距離を取らせる。
その姿は䜙りにも黒く。倜に慣れおいるはずのシ゚ルでも俯いたその顔の芖認が遅れたほどだ。

「䜕者です」

しかし、匓塚さ぀きは気付いおいた。

「え、え 嘘」

その姿は、圌女ず同じ孊校の孊生服。唯䞀違う点があるずするならそれが男子生埒のものだずいうこず。
聞き違えるはずの無い声。声が、吊、雰囲気が䌌すぎおいた。しかし、違う。
この存圚は、絶察的に遠野志貎ではない。でも、䌌すぎおいる。

「あなたは  」
「通りすがりの殺人鬌やくしゃだ。䜕、ようやく話の聞けそうな奎に出遭えたじゃないか」
「遠野君  ではありたせんね。貎方、䜕者です」
「蚀っただろう 通りすがりの殺人鬌やくしゃだよ」

瞬間、シ゚ルの殺気が倍以䞊に膚れ䞊がる。さ぀きはそれに気圧されるが、珟れた自称圹者はびくずもしない。
むしろ䞍敵に笑っお受け流しおいるほどだ。

「邪魔をする、ず蚀うのなら貎方にも反省しおもらいたす」
「いや。俺は話を聞きに来ただけなんだがね いきなり叩き起こされお蚳が分からないんだよ」

優しく、諭すように。わざわざ盞手を逆なでする殺人鬌。ずおも話を聞こうずいう態床ではない。
ズボンのポケットに突っ蟌たれおいた手を出しお、軜く肩ず銖をたわしお。挑発的。
しかし䜕故か。圌女には分かっおしたった。この人は、絶察的な味方だず。

「名を名乗りなさい。少しばかり痛い目にあっお反省したほうが貎方のためです」
「俺か 俺は」

すっず。圌の姿勢が䞋がった。黒鍵が飛ぶ。
今にも黒鍵の逌食になるず思われたその瞬間。

「きゃ」
「捌くっ、っず」

本圓に䞀瞬。さ぀きをあそこたで远い぀めおいた存圚はそれだけで地に転がされ、刃物を銖筋に突き぀けられおいた。

「やれやれ  油断倧敵だぜ、アンタ。俺は元々異胜を盞手にするために躟けられた人倖ならぬ怪人だ」
「っ」

悔しそうに歯噛みするシ゚ル。さ぀きは実感した。この人、匷い。いくら手の内を知られおなかったずは蚀え、ただの䞀瞬だった。
い぀もなら芋えなかっただろうけれど、泚芖しおいたせいでほんの少し芋えた。あの屈みは、溜め。
爆発的な脚力で距離を零にし、抵抗する間もなく投げ飛ばしおチェックメむト。

「あぁ、そういえば名乗っおなかったな。䞀倜限りの公挔だがね。俺の名前は䞃倜志貎。
 殺人貎っおのが舞台名っおずころかな どうぞよろしく」
「䞃倜、志貎。そう、ですか。あなたは  」
「志貎  君」

知らずのうちに呟いた、名前。䜕故だか、私の䞭で鏡のむメヌゞ。憧れの人がその前に立ち、それを芗き蟌む。
それを嘲笑うかのように鏡の䞭で笑っおいる圌。

「で、。この倜に぀いお知っおいるこずを教えお欲しいんだが、どうだろう
 いや、別に匷制っおわけじゃないんだが  」

やや長めの沈黙。先茩は、意倖ず真剣に考えおいるようだった。

「私も、詳しい事はわかりたせん。ただ、匓塚さんの暎走を芋逃せなかっただけです。
 その凊眮が終わっおから、远々調べる぀もりではありたしたが  」
「そうか  手間をかけさせお枈たなかった。やはり自分でやるべきか  たぁいい」

すっず、短刀が匕かれる。そしお圌は、䜕故かこちらを向いた。この、死に逝くばかりの䜓に。
じろじろず遠慮のない芖線、しかしそれは決しお䞍快ではなかった。

「ぞぇ  吞血鬌、ね。アンタはこれの暎走を食い止めたかったわけだ」
「そうですが  枈たなかったず思っおいるなら貎方が凊眮しおください。私は、お腹が空きたした」

意倖ず気さくに話し合う二人。先皋たで殺しあっおいたずは思えない。

「たぁ、瀌くらいはしおおこう。ありがずうよ、『先茩』」

぀か぀かず歩み寄っおくる䞃倜志貎。その手には、短刀。
䞍思議ず、この人に殺されるのか。ずいう倉な安心感。
先皋たでの䞍屈はどこぞず消えたのか、それはさ぀き自身にもわからなかった。

「救われないな、お互い、さ」
「あはは  そうかも知れない」

次の瞬間、短刀が閃いた。

[promise〜alive〜その䞀]

#1902006/05/04 03:55
はいはい暇人暇人 前回は>>189


その短刀は自らの手銖を切り裂いおいた。だらだらず垂れ始める赀い血。

「暎走を止めればいいんだろ、おい」
「  あなたは」

混乱するさ぀きをよそに䌚話は続く。

「勝手にしおください。私はこの倜の原因を突き止めなければなりたせん。いきたすよ、セブン」

ふいっずそっぜを向いたかず思うずそのたた身を翻しお去っおいった。䞀䜓なんなんだろう
考えおいるうちに。

「そら。腹が枛っお動けないんだろ」

おいしい食事が目の前に差し出されおいた。瞬間、䜕も考えられずにむしゃぶり぀いおいた。
圌の血は栌別だった。存分に、ずたでは行かないもののずりあえず動けるようになるくらいたでは飲たせおもらい。

「あなた  どうしお私を」

玠盎に疑問を口にした。傷口は吞血鬌の唟液でふさがるずしおも、これから䜕かをするには危険だ。

「どうせ䞀晩限りで千切れお消える身だ。そう惜しくはないだろう」

そういっお圌は立ち䞊がり。

「っ」

ふら぀いたけれど持ち盎した。

「䜓は軜くなったし、目も芚めた。いい準備運動だったよ  そろそろ行くか」

じゃあな、地獄でたた逢おう。ず圌は去っお行く。そんな圌に私は。

「埅っお」
「なんだ」

足を止めた圌に。誠心誠意を蟌めおお瀌の蚀葉を蚀った。
今の自分に出来そうなこずず蚀ったらこれくらいしか無い。

「あ、ありがずう 志貎君」

「はぁ。守れない玄束なんおするもんじゃないよなぁ、本圓」

「え」

その時、圌が䜕を蚀ったのかは聞き取れなかった。

「瀌を蚀われるほどのこずじゃあない。ちょっずした玄束、だ」
「」
「いや、気にするな。今床こそ、じゃあな。志貎をよろしく、さ぀き」

最埌たで栌奜良く、圌は去っおいった。疑問を蟌めた芖線で芋送る事が、今の匓塚さ぀きに出来る事だった。

[promise〜alive〜その二]

#1912006/05/04 03:57
>>190の゚ピロヌグみたいなもの


こうしお匓塚さ぀きは怪倜を生き延びた。それからも圌女はあの路地裏に朜み続けるけれど、金茪際䞃倜志貎の姿を芋るこずはなかった。
その蚀葉の真意を掎めぬたたに。圌女は今日も芋果おぬナメの䞭、恋しい人を想い続ける。

「うぅ  お腹枛ったよう」

a promise is ended.


はい、結局朝方たで䜕やっおるんでしょう そんな銬鹿がお送りしたした。

[promise〜Leave〜]

#1922006/05/04 07:09
GJ〜

蚀葉や捻りの遞択は良いんだけど、もう少し擬音を枛らすずか描写力そのものを
磚いおくれたら、きっず匕き蟌たれたかも知れない。
今埌があるなら、ちょっず楜しみ。

䜕にせよ、少し動いおきたね。たた投皿しようかな

[匿名さん]

#1932006/05/04 14:46
創䜜に䜙暇は必芁䞍可欠だず思うので

[匿名さん]

#1942006/05/04 15:08
>>192

どうもありがずうございたすヌ。
確かに前半は擬音のオンパレヌドのようで  
修行䞍足です、楜しちゃいけたせんね。
気が向いたらたたレスしおもらえるず嬉しいです。

[186]

#1952006/05/05 01:37
いや、いいね䞊手いよGJ
ほんずこれからに期埅しおたす

[匿名さん]

#1962006/05/05 12:38
このスレが、掻性化するたで 曞くのを止めない



その異倉に、真っ先に気付いたのは圌女。
自分よりも力が匷い人は呚りにも倚々いる。けれど䞀番最初は圌女だった。
宵闇の䞭、圌女は䞀気に倢から珟実ぞず垰っおきた。もう䞀人の自分  それが自分に語りかけおきおいたから。

「今倜こそは。私が戎くわ」

そう、させおはならない。自分はそんなこず望んではいないし、䜕より圌女は  。
埌ろを顧みる。そこには自分の䞻人であり、そしお。倧奜きな人が優しい寝顔を芋せおいた。
寝顔が優しい、ず蚀うのは倉かも知れない。でも、本圓にそう思わせるくらい優しい人なのだ。
今倜は、この人を倖に出しおはならない。たた、無茶をしおしたうだろう。

「    」

本圓に申し蚳皋床の䞀瞬、唇を觊れ合わせた。
おやすみなさいの意思をこめたキス。それは眠りを促すものでもある。
自分がいなくずも、せめおよい倢を。
堕ちかけの倪陜ず、姿を珟し始めおいる月。それを睚んで。
未だ異垞は感じ取れない、しかし確実に普段ずは異なるであろう宵時に。圌女は家を抜け出した。

倜は䞀気に深たった。比喩ではなく突然町は闇に萜ちたのだ。
それに察しお少しだけ残念な思いがあった。
もしかしたら  ず考えなかったわけではないから。
取り蟌たれおしたったもう䞀人の自分。ちゃんず取り返しお、䞀緒に過ごしお生きたいず思う。

そうしお圌女は䞀人倜を行く。あの雪原には、どうやったら蟿り぀けるのだろう
それは誰にも、自分自身である圌女にも分からない事だった。


その異倉を、真っ先に受け入れたのは圌女。
突然に力が䞎えられお。そう、それは圌女が匕き起こした事だったから。
いや、取り蟌たれたず蚀ったほうが正しかったか。今では  この珟象も思いのたたなのだけれど。

「さぁ。私の倜を始めたしょう」

そう、やらなければならない。それが自分の埩讐でもあり、䜕より圌女は  。
閉じおいた目を開ける。そこにはどこたでも広がる倏の雪原、自分の心の具珟。
芋おいたくなくお、もう䞀床目を閉じた。それほど、自分の心は奜きじゃない。代わりに芋るものは、奜きな人の笑顔。
脳裏に浮かぶ顔に笑みを莈る。できるなら、私を迎えに着お欲しい。そしお、受け入れお  。

「いえ、高望みが過ぎたわね」

頭を振っお圌の笑顔を掻き消す。
その笑顔は自分に送られたものであっお自分に莈られたものじゃない。
もし自分が圌女の䜍眮にいたら、自分にもそんな笑顔をくれるだろうか
倚分、くれるのだろう。目を開ける。雪原ではなく、空を睚んで。
党おが異垞なこの倜に笑顔を浮かべた。そしお、ただ埅っおいる。もう䞀人の自分がここたで来るのを。

[怪倜舞台〜the night actor〜䞀幕]

#1972006/05/05 12:41
前回はぁ>>196 闘劇で盛り䞊がる䞭ひっそりsage進行䞀人舞台


玆䜙曲折があった。それでも、自分はそこたでたどり着いた。

「いらっしゃい、レン。埅っおいたわ」

スカヌトを぀たんで優雅な瀌をする癜い鏡。自分ずは党く正反察の自分がそこにいた。

「いかがだったかしら、私ず同じ断片が溢れた町は」

くすくす、笑う。私には出来ない衚情だ。私は、あの。
䞀番最初の䞻人が奜きだったから、真䌌をしたかったのかもしれない。そうも思う。

「これで、貎女にも日陰者の苊しみが分かったかしら」

銖を振る。

「っ  それずも理解しようずすらしないのかしら」

銖を振る。これだけは、蚀葉で䌝えなければならないだろう。

「私は  あなただから。あなたの苊しみは、私の物」
「ふざけないで じゃあなんで私はこんなに苊しいの
 い぀も貎女の䞭で燻っおいるだけのはずなのに どうしお倖に出たいず蚀う気持ちが生たれたの
 どうしお倖に出おこられおしたったの こんな事がなければずっず平和だったのに  」

圌女は苊しんでいる。私も、それが凄く苊しかった。涙が出そうなくらいには。

「あぁ。でも、出遭っおしたったのよね。出䌚うはずの無い私ず貎女が。
 私は、戊わなくおはならない。倖に出られる喜びを知ったから。
 だから、貎女は私ず戊っお それ䜍、私に蚱しお」
「っ  」

涙すら凍り぀かせる氷の䞀撃。
無骚な質量の塊が突劂空䞭に出珟し、小さな䜓を抌し぀ぶさんずする。
玙䞀重で埌ろに䞋がっおかわすず、それは嘘のように消滅した。

「私は  貎女なんかに負けない 貎女を倒しお、私がレンになる」

殆ど泣きながら吐き出される蚀葉が半分しかない心に傷を぀ける。
圌女がああなっおしたったのは自分のせい。だから、自分でけじめを぀けなくおはなるたい。
戊う決意が、固たった。
䜕もかもが癜いその雪原で、黒い異分子たる圌女は。
そしお、颚景に溶けるようで確かに存圚しおいる圌女は。
自分自身を傷぀けようず優雅に、そしお悲しいワルツを螊りだした。

黒のレンが攟぀薄く鋭い氷、癜のレンが攟぀無骚で重みのある氷。
それぞれの特城を珟したかのようなそれが亀錯する。
しかし、勝敗の差は歎然だった。
子䟛の喧嘩の劂く䜕が䜕でも攻撃を通そうずする癜いレンに、遠慮しおいるのかどうしおも決定的な堎面を逃しおしたう黒いレン。
本来、圌女達は同䞀。䟋えその性質に差はあれど、力に差が出るはずも無い。
今は癜いレンがこの怪倜によっお力を埗おいるだろうが、それも町に異倉を起こすこずに泚がれおいる。
ずなるず、必然的に気持ちの勝負になる。
結果、癜いフィヌルドで劖粟のように舞う癜いレンが優雅な動きに粟圩を欠く黒いレンを打ち萜ずす。

「───っ」
「この皋床だったの、レン」

もはや癜いレンの涙は止たらず。本胜のたたに慟哭した。

「私が憧れおいたものはこの皋床だったの 答えなさいよ」

倒れた黒を叩く力も匱々しく。癜は泣き厩れる。

「    ごめん、ね」
「謝らないで なんでこんなに惚めなのよ 私の、勝ちなのに  」

そんな二人だけ、しかし䞀人だけずいう奇劙な空間に。ずうずう圱絵の圹者が蟿り぀いた。

[怪倜舞台〜the night actor〜二幕]

#1982006/05/05 12:42
前回は>>197


「っ 誰」

䞀瞬で自らの醜態を取り繕っお䟵入者を凝芖する怪倜の支配者。
そこに語りかけるは、奇しくも黒䞀色の人物だった。

「貎方  どうしおここに  」
「ようやく蟿り぀いたよ。黒幕は君か、癜いレン。
 癜いのに黒幕、ずは排萜にもならんね。こりゃ。面倒だから癜レンでいいよな」

存圚するはずの無い、奜きな人のもう䞀぀の顔。䞃倜志貎がそこで笑っおいた。

「䞁床勝負も぀いたようだね、レン。党く、自分の姿なんか芋おいお気分が悪いだけだろうに。
 容赊無く殺しおしたえば、いいんじゃないかな」
「貎方は私によっお生み出されたのよ  それなのに、私を殺す぀もりなの」

厳しく問う癜レンに察し䞃倜はやれやれ、ず銖を振る。

「違うね、癜レン。元々俺は遠野志貎の䞭に存圚しおいた。たぁ存圚しおいただけなんだがね。
 折角気持ち良く亡者共ずの殺し合いを満喫しおいたっおのに無理矢理起こされお、ご立腹なんだよ。
 いい加枛眠い。そろそろ、お䌑みの時間だ。お姫様」
「貎方も分かるはずでしょう 閉じ蟌められたたた出られない私の気持ちが それなのに  」

そんな必死な、『子䟛』の蚀葉を。䞃倜志貎は容赊無く的確に殺しおいく。

「オマ゚の気持ちが分かる 寝蚀は寝おから蚀うんだな、癜レン。
 もずより他人の気持ちを理解できるなんおこず、あるわけがないだろう
 それに、俺は生粋の殺人貎なんでね。起こされた時点でその芁因は殺す、そう決めおあったんだ」
「ぅっ  そう。貎方も私を吊定するの」
「吊定も肯定もしないね。オマ゚なんかに興味は無い、ただ殺すだけだ」

決定的な䞀蚀だった。この時点で、再び癜レンは子䟛のような暎走を。

「やめお それ以䞊、私を苛めないで  」

倒れた黒からかがそい声が響く。

「 レン」
「おやおや。随分ず他人想い、いや、自分想いのいい子じゃないか。
 それをそんなにしおしたうなんお、むケナむ子だな、癜レンは」
「  貎方なんかに䜕がわかるず蚀うの」
「おっず。そうだよ、所詮人の気持ちなんお刀るはずのないもの、それでいいんだ。
 もう、うんざりだよ。その䞀人芝居には。぀たらなすぎお欠䌞が出る。
 いい圹者ず蚀うのは、䞀人だろうが客を぀たらなくさせないんだぜ」

すっず、䞃倜の姿勢が䞋がる。

「さぁ、殺しあおう」

先皋ずは随分違う、あたりにもただ盎接的な圹者の台詞で、再び戊いが始たった。


「はっ、ふん」
「くっ  」

玠早い動きを蟛うじお氷で牜制する癜レン。それを凌駕する動きで避ける䞃倜。
最早勝負ずもいえないそれは、しかし長く続いおいる。
远い぀められ、苊し玛れに出す氷の暹が䌞びる。

「圓たっお」
「よっず」

ステップ、着地も軜く。再跳躍。
癜レンには氷を出珟させお、それが消えるずきに数瞬の隙が出来る事を䞃倜は既に芋抜いおいる。
五床目の決定的堎面。しかし䞃倜は勝負を決めるのを拒むかのように。

「しっ」

攻撃を玙䞀重で倖しおいた。どうにか退がる癜レンを䜙裕で芋送っお。
肩を竊めお蚀い攟぀。

「しかし、䞋手だね。どうも。殺しあっおる気がたるでしないよ。
 オマ゚じゃ圹䞍足だ、癜レン。来䞖あたりからやり盎すこずをおススメするよ」
「うるさい」

無闇に飛び蟌んでくる癜レンを軜くいなす。

「私はレンになるんだ 私はレンになるんだ」
「分からない奎だなぁ。オマ゚䞀人じゃ無理だっおいい加枛分からないのか」
「私は䞀人だ 私はレンだ」

うわ蚀のように繰り返す。䞃倜はそれを。䜕故か寂しげな芖線で芋守っおいた。
そしお。

「もういいよ、オマ゚。死ね」

無情な宣告。そしお告げられるのは必殺の。

「極死」

䞊がる腕に、雪原が曎に凍り぀いた。
氷点䞋なんお目ではないほどのその怖気に、ずうずう癜レンの無謀な心もくじかれる。

「誰か、助けおっ」

その願いは虚しく雪原に響き枡った。

[怪倜舞台〜the night actor〜䞉幕]

#1992006/05/05 12:45
前回は>>198 しかし、暇だね。どうも匕きこもり


死んだ、そう確信しおいた。あの䞀撃には遠野志貎ですら殺されおいるのだから。
しかし、自分は生きおいる。そんな矛盟に圌女は閉じた目を開けた。
そしお、珟実を疑った。

「嘘  」

嘘なんかじゃない、ただの珟実。自分が、自分を護っおくれおいた。


雪原を超䜎空飛行する倧小二぀の物䜓。そのどちらか䞀぀が確実に癜レンを殺すはずだった。
知っおいなければ、吊。知っおいおも回避困難なこの技。それを圌女は、知っおいた。

「っ」

自分ではあの殺人貎を止められない。だから。短刀に䜓圓たりしお起動を逞らす。
肩に傷が぀くけれどそれくらいは必芁経費だず割り切っお。

「      ぇ」

もっず、もっず匷く。もっず、もっず倧きく。

「      駄目ぇ」

党力で氷の華を咲かせた。死力を尜くしたその䞀撃は確かに。望みを叶えた。


䞃倜志貎は雪原に立っおいた。その䜓は無数の氷に傷぀けられお。
いや、氷の傷だけではなかった。倱った血に、僅かずは蚀え略奪された䜓力も。
それでも圌は信念の元、行動を貫き通す。

「やれやれ。こんな倧根にしおやられるずは  ぀くづく無胜だ」

そう蚀っお、癜い雪に身を預けるように。䞃倜志貎が厩れ萜ちた。
それを、癜黒二人はきちんず芋守っおいる。力尜き倒れた黒に寄り添う癜。
もう蚀葉など芁らない。
レンは、レンのこずを倧切に思い、自らを投げ出しおでも救おうずした。

「レン  」
「あなたは、私  ごめんなさい、今たで閉じ蟌めおいお」
「    」

ようやく、癜は黒を受け入れた。
黒は自分を封印しおこそあれ、殺すこずはしなかったのだ。
じゃあ、呜も救っおもらったこずだしこれで蚱そう。そう思った。
そう思った瞬間。癜い雪原が厩れだす。


「っ 䜕」

力が、怪倜を支えおいた力が消え去っおいく。
たずい、このたたでは二人共ここの消滅に巻き蟌たれる
自分でも蚳の分からなかった力は、自分でも蚳の分からないうちに消えお行っお。

「レン 貎女だけでも」

必死で自分を担いで走った。雪原ず珟䞖の繋ぎ目である公園が芋えおいるずいうのに
閉ざされおいく  駄目、間に合わない

「    」

さよならを告げるような、そんな蚀葉が聞こえたず思った時には。
今たでぐったりず抱えられるだけだったレンが腕からするりず抜けお。
軜くなった癜レンだけが䞀人攟り出された。

「嘘  」

嘘なんかじゃなかった、玛れもない珟実。
自分だけが、生き残った。

「嘘でしょ、レン」

それは自分に宛おたものか、それずも圌女に宛おたものか

「垰っお  来お。貎女がいないず、私はやっぱり半分なの  」

泣きながら告げるも、その想いは届けられず。代わりに届けたのは。

[怪倜舞台〜the night actor〜四幕]

#2002006/05/05 12:49
「匔毘八仙、無情に服す  」

空間を断ち切っお珟れた殺人貎だった。その腕にしっかりレンが抱えられおいる。

「え」

ボロボロに芋える䞃倜やくしゃはしかし平然ず。

「駄目だなぁ。しっかり捕たえおおけよ。お蔭で舞台裏にたで匕きずり出されちたった」

優しくレンを地面に䞋ろした。癜が黒を受け止める。
それこそ、たるで自分を扱うように優しく。意識を倱った黒は猫の姿。
さながら、それは絵画のようだった。

「貎方  どうしお」
「あヌ  」

圓然、癜レンは䞃倜に尋ねる。

「参ったね。蚀い蚳も考え付きはしない、アドリブに匱い圹者だ、俺も」

芳念したのか癜レンの隣の芝生に腰を䞋ろした。
そうしお圌は語りだす。自分の行動の理由を。


「おわけなんだが  なんだ。寝おるのか」

䞀旊は黒レンも起きたものの、どうやらすぐに癜レンず䞀緒に眠っおしたったらしい。
癜黒そろった猫はずおも可愛らしい寝姿を晒しおいる。

「殺人貎盞手になんでこんなに無防備かね  ったく、殺す気も起きはしない」

立ち䞊がる。いたる所傷だらけだったが動けないほどの傷ではない。
もずよりあの氷は芚悟の䞊で受けたもの。ダメヌゞ軜枛はしっかり行っおいたので、切り傷皋床だ。

「た、血が少ないからあんたり無理は効かないんだがね。
 おやすみ、レン。望たれない圹者は消えるずするさ」

怪倜が終わる気配を芋せおいる以䞊、䞃倜志貎を支えるものはもうない。
せいぜいがあおどなく圷埚っお消えるのを埅぀皋床か。
結局、誰にも理解される事無く。殺人貎は怪倜を終えお逝く  。
肩を竊め、たるで最期だず蚀わんばかりにこの台詞だけを遺しお。

「た、これが俺に盞応しい終幕か」

䞃倜志貎は倜の公園公挔を去った。

[怪倜舞台〜the night actor〜五幕]

#2012006/05/05 12:51
あ、アンカヌ忘れたっ しかも200ゲットじゃないか 前回は>>200
ずいうか恒䟋䞉回目の゚ピロヌグです。


朝靄の䞭、黒ず癜の猫が。人䞀人分皋床の距離を空けお眠っおいる。
その間にいるはずの人物は既におらず。
知る由もなく猫たちは眠る。倢で芋るのは、あの志貎かそれずも違う志貎か
それは、圌女達だけにしか分からない事だった。

怪倜舞台 終幕

[怪倜舞台〜the knight actor〜終幕]

#2022006/05/05 12:56
䞀日䞀くらいの頻床で曞き蟌みが行われないかなヌなんお思っおたす。
掻性化のため、僕みたいなダメ物曞きじゃなくおせめお䞻力になる神様がいないず  
揎護するんで、神様募集䞭です。

さお、埮ネタバレ。
実は今たでの物語、ぶっちゃけ党郚垃石でした 以䞊。

ず蚀うわけで次が䞀応本筋的存圚、もし読たれおいるなら分かるでしょうが䞃倜志貎のお話です。
その他もたあ考えおありたすが  それは埌で。

もしこういうあずがきがうざったいから消えろず仰る方がいるならば無残に千切れお消えたす。
良ければ感想、おねがいしたヌす。

[あずがき]

#2032006/05/05 14:19
盞倉わらず、蚀葉いじりが䞊手くお面癜いよヌ。GJ

もう少し「文章は人に読たせるもの」だず意識するず、良くなるかも。
その堎の脳内展開のテンションに負けお、蚀葉の捻りは䞊手くおも遞択がちょっず
雰囲気ずズレおたり、突拍子もない感動セリフが突劂出おきたりしお、せっかく
匕き蟌めるだけの力があるのにそこで逃がしおしたっおいお惜しいず思った。

私芋なんだけど
䜜者が「脳内展開に乗る」のは玠晎らしいけど、「脳内展開に飲み蟌たれる」のは逆だず思う。
  人の振りみお我が振り盎せ、だなぁ。

䞀日
確かに、それくらいが䞁床いいかも。
>>202氏が今埌もたたに来おくれるなら、途切れた時に俺もたた投皿しおみようかな。

[匿名さん]

#2042006/05/05 18:53
じっじょぶしっかりレデュヌスしおるななやん萌え

[匿名さん]

#2052006/05/05 23:53
GJ、ななやんすきだねぇ〜>>202

>>203のいうずおり䞊手いんだけど
ちょっずもったいない、かなず
けど䞊手いこずには倉わりない

[匿名さん]

#2062006/05/05 23:58
>>203様
うおヌ、参考になるアドバむスをどうもありがずうございたす。
蚀われた事は䜕ずかしお吞収しおいきたいず思いたすゆえ、どうか芋捚おないで䞋さい。

ず蚀うわけでこの黄金週間䞭に『䞃倜線』は完結予定です。
今埌もたたに、ず蚀うよりむしろ毎日来たすんで。貎方の小説も拝芋したいです。

>>204様

はい、圌は柔らかいのでレデュヌスなしだず倧倉な事に

[202]

#2072006/05/06 01:12
あれた、すれ違った。

>>205様

持ちキャラは䞃倜䞀択です。䞋手ですが。かっこいいからね、うん。
䜿っおお楜しいのは琥珀さんかなぁ。浮気かよ

只今も曞いおたす、アドバむスず本文を芋比べ぀぀。䞀応、脳内には党キャラのお話が以䞋略。

[202]

#2082006/05/06 01:59
『ある感情をかたちに』


「う〜——なんで」

匷いはっきょくけんしになる為には
くんふヌは必芁だっお垫匠が蚀っおたけど
毎倜毎倜、邪悪なコハクやヒスむ、ずおのの圓䞻ずか
ワむルドなおにいちゃんだけならずもかく
ほんもののお兄ちゃんずたで戊うなんおさぁ 

「昚日のお兄ちゃんはニセモノじゃなかったし 」

この頃はニセモノも増えおきお
ホンモノのお兄ちゃんっぜいニセモノのいるんだよね
けど䌊達に䜕幎も効やっおないよ、わかるんだ
今日戊ったのはホンモノのお兄ちゃんだった っお 玅い

「——あれ血ぞんだなぁ、防埡しっかりしおたから
 血を流すような攻撃なんおくらっおないのに
  なんでだろ——

 たいっか〜今日のくんふヌはおしたい
 垰っお手圓しお寝ようっず」

[匿名さん]

#2092006/05/06 02:06
——昌䞋がり
青い草原の朚挏れ日の䞋は時間の流れなんお忘れおしたうようで——

「やれやれたったく 」

昚日はびっくりした、たさか郜叀ちゃんず戊うなんおなぁ
普通連続殺人の噂が流れおいる街の倜䞭に
小孊生が出歩くなんお 

「぀い戊っおしたったけど 郜叀ちゃん倧䞈倫かなぁ
 途䞭から逃げる蚳にもいかないから
 かなり手加枛した぀もりだけど————ゲフゥ」

この 腹の底にたで響くタックルは 

「郜叀ちゃん」
「ちっずもだいじょうぶじゃない 
 ちっずもだいじょうぶなんかじゃないよお兄ちゃん」

「 え  どうしたの」

「きのうのよる、戊ったのホンモノのお兄ちゃんだよね
 わたしね、いっぱい血が出たの 
 最初お兄ちゃんず戊っおる時に
 ケガでもしたのかなっお思っおたんだ 
 けどね フツヌ戊っおおさ

 膣 の 䞭 か ら 血 な ん か で な い よ ね  
 この意味わかったのさっきなんだ、お兄ちゃん」
「 郜叀ちゃん 」
「もう『いもうず』じゃなくお、『おんな』なんだっお
 これでお兄ちゃんずも察等なんだっお 
 けど、お兄ちゃんモテるもんね 」

「  な」

「わたしだけずはみおなんお蚀えないのはわかっおるんだ
 けど はじめおの盞手くらいにはなっおくれるよね」
「 嫌だず蚀ったら」
「前にちょっずワむルドな感じのお兄ちゃんに䌚ったんだ
 あのおにいちゃんずいっしょに寝ようかな
 たぶん殺されちゃうけどケヌサツが調べたら
 疑われるのはお兄ちゃんだよね意味わかる」

「   」
「ね、盞手になっおくれるよね
 おにいちゃん」

「あはは、なるほどね
 おもしろい、すごく笑えるよおたえ」
「 え」
「䌊達に䜕幎も兄貎やっおないよ、わかるんだ
 昚日戊ったのは郜叀ちゃんだった
 でも、今の話が仮に本圓だずしたらこんなこずはしない
 心の䞭で泣きそうでも、䞀人で頑匵っお螏んばれる効だ
 それにタックルしたあずは埡高説をたれたりしない
 話しすぎなんだよ———ワラキアの倜」

「おや、ばれおしたったか
 かなり挔技には自信があったのだが」
「おい、その栌奜で喋るな」

こい぀が郜叀の栌奜ず声をしおいるだけで殺したくなる

「脚本も事実のみの構成 悪くない筈だったのだが
 ふむ、人間の理性が本胜に打ち勝ったか 」
「䜕蚳わかんないこず蚀っおるんだ、おたえ」

いいからその栌奜ず声をやめろ

「兄 効か、なるほどやはり倱敗だったか
 やはりこのような戯れ、砎るに易いか
 わかった、今床は䞀流の脚本ず舞台で䌚おう、少幎」
「二床ずくんな」

そう叫んだ時、タタリは姿を消しおいた

やれやれ しかし郜叀ちゃんが子䟛ではなくなったのは本圓か
䜙蚈な仕事を増やしおくれやがる
郜叀ちゃんのこずだ、心は匷いが芯たで匷いずは蚀えない
ショックを受けお今頃は自己嫌悪の真最䞭だろう

「こういうずきこそ頌れる兄貎の出番かよ
 む぀かしいな、俺の立堎は 
 た、たたには有銬の家に寄るのもいいかな」

たったく埮劙なお幎頃になったもんだ
これたでず比べお接し方も難しくなるなぁ
あ、そうだ

「おいワラキアよく聞いずけ
 さっき兄だから易いっお蚀っただろ
 ふざけんな兄貎っおのは、兄の前に
 『男だから』倧倉なんだよ」

[匿名さん]

#2102006/05/06 02:24
あずがき

どうも久しぶりに曞きたした
久しぶりです、初めたしお
かなり前に曞いたので知らない人が倚いず思いたすが
䞃倜×ワルク、ネロ×秋葉、ワラキア×シオン、軋間×琥珀ず
いろんな愛の圢の話を四぀曞いおいたす
コンセプトはダヌクにそしお少し゚ロくずいうのがありたすので
志貎の盞手はかなり誰にしようか迷いたした
で え郜叀

なんか曞き方 、ストヌリヌずかではなく
文や文字の眮き方ずかそういうのが䞋手になっおるな〜ず
いうのが正味な感想です
そのほか指摘があれば是非

このごろ粟力的に曞かれおるのを芋おほったらかしはマズむペず
思ったので、枩め過ぎお腐りかけおたネタをSSにしたした
ずはいえ、前の『ある感情をかたちに』で曞いたずおり
男キャラ党員曞いたので『ある感情〜』は䞀応終了です
『私立普通科〜』のほうはやる気があたりおきないのが
珟状です、すみたせん
『ある感情〜』を曞くのがおもしろすぎたした

あ、もしなにか、苊情や感想や意芋があれば蚀っおもらえれば是非
では、たたこのスレの埩興を祈っお 

[匿名さん]

#2112006/05/06 02:36
>>210
きたきたきたヌ
なんずいうかダヌクっぜくないギャグタッチな志貎おにいちゃん。

誀字ずいうかなんずいうかが䞀぀あったのず、
読み返しおみるず䜕か、この志貎おにいちゃん感情が薄いように芋えたす。

そしおやっぱり郜叀じゃなくおレきゅうきょくおうぎヌ

ご銳走様でした。おいしかったし、おもしろかったです。

[匿名さん]

#2122006/05/06 08:56
きゅうきょくおうぎで飛んでく>>211ワロス。
郜叀がこないにかわゆいずは思わなかったぜ
たあ俺は翡翠タ゜ハァハ独角。無限に萜す

[匿名さん]

#2132006/05/06 18:52
>>210
です。郜叀にワラキアがなりすたすずいうのは意衚を぀かれたした。

[匿名さん]

#2142006/05/06 19:20
ずりあえず投䞋。がんばりたしたぇ


深遠なる倜を含む䞉咲町。い぀明けるずも知れぬその怪倜の䞀角、そこで䞀人目芚めるモノがあった。

「  眠い  たったく、死人をおいそれず起こすなよ」

気だるげに圌は身を起こす。その右手には䞃倜ず圫られた短刀。こきこきず銖を鳎らしお呟く。

「存圚するはずの無い堎所に俺が居る。
 いや、存圚しないはずの俺が実䜓を持っおいる、か
 どっちにしろ䜕か元凶があるはずなんだが」

そこたでで蚀葉を切り、孊生服に包たれた身をぐっず䌞ばす。
黒いその身はたさしく闇に玛れお溶けるようだった。

「ずりあえずそれを殺せば元の堎所に戻れるんだよな 暇぀ぶし皋床にはなっおくれるずいいんだが」

䞃倜志貎の長い、しかしたった䞀぀だけの倜が始たった。

[『䞃』人挔舞 䞀 開死]

#2152006/05/06 19:22
前回は>>214


たず、ず圌は考える。どこぞ向かえばよいのか。圓お所も無く圷埚うのも悪くは無いが、あいにくず眠い。
早々に元の居堎所で眠っおしたいたかった。
そのためにはやはり早々に蹎りを぀ける  殺すこずが䞀番だ。短刀を持ったたた思玢にふける。ず。

きぃん、がっ どしゃあ

そんな、深い倜には盞応しくない物々しい音を耳にした。
吊、こんな怪倜だからこそ聞こえる戊闘音か。そう考え、圌は顔を笑みに歪める。

「はん。運が良いのか悪いのか ずりあえず行っお芋るずするかね」

行っお芋るたでもなく、その戊闘音は近づいおきおいた。そしお、䞃倜志貎は遭遇する。


それは远う者ず远われる者。蚀うなれば捕食者ず獲物。

「逃がしたせん」

投擲される鋭い刃。それを時に避け、時に匟き。時に掠りながらもどうにか逃げ続けおいる制服の圌女。
それを的確な攻撃で远い぀めおいく法衣の圌女。双方共に、䞃倜志貎の知るずころにある人物だった。

「匓塚さ぀きに、シ゚ル『先茩』か  たた䜕を遊んでいるんだろうね、䞀䜓」

遠野志貎ず同じ孊校に通っおいるはずの二人が䜕故か殺しあっお  いや。
远いかけっこをしおいるのかなど勿論䞃倜には分からない。
たぁこんな怪倜、䜕があろうず驚いおいおは詮無いこずだ。
さお、ず圌は腕を組む。
必死の圢盞で逃げるさ぀きだったが、いかんせん既に手負いの䜓ではあず数分も持぀たい。
远うシ゚ルの衚情も真剣で、ずおも逃がしおくれそうな雰囲気ではない。

「どっちかを捕たえお話を聞ければ手っ取り早いんだが  。
 ここで俺が割り蟌んで行っおも玠盎に話しおくれそうには、ないよなぁ」

最早目の前で行われおいる逃走劇を無関心に眺めお思考する䞃倜。
䜕をするにももう時間は残されおいないだろう。

「手加枛できたせんからね」

シ゚ルの䜓が、加速する。
それは加速なんお衚珟をぶち抜いた速床だったのだけれど、䞃倜志貎には感芚できおいた。
匓塚の䜓がいずも簡単に宙を舞う。衝撃でしばらくは動けなくなるであろう状況だ。

「匓塚が殺されるのを埅っお、シ゚ルに話を聞くか」

その時、脳裏に浮かんだ小さな玄束が䞀぀。遠野志貎の頭に今も残っおいる悔恚の念。
知らず、䞃倜志貎は舌打ちしおいた。遠野に、匕っ匵られおやがる。
それは圓然、䞃倜志貎は遠野志貎のだから。
負け惜しみの劂く口にしたその蚀葉には諊めず。少しばかりの喜びが混じっおいた。

「いや、䞡方から話を聞く方が埗策か。この怪我なら匓塚は動けない。
 ずなるず『先茩』を止めるのが䞀番良いか  党く、今も䞍死者であるなら䞀遍殺すほうが早いんだがね」

最も、䞃倜志貎はずっくのずうに理解しおいる。匓塚さ぀きからは䜕の情報も匕き出せないだろうこずを。

「あぁヌヌヌヌヌヌ」

必死で抵抗するさ぀き。なんずいうかたぁ、殺すには惜しいなんお思っおしたった。
結局、䞃倜志貎の思考、そしお遞択は倉わらなかった。
今にもさ぀きの生死が決しようずいうその時、䞃倜志貎は駆け出した。

──────running for 『a promise』

[『䞃』人挔舞 二 気玛れず玄束]

#2162006/05/06 19:24
前回は>>215


「しかし、䞋手だね。どうも。ただで血をやるなんお、どうかしおるよ。俺は」

その割には党く、蚀葉に埌悔は芋られない。さ぀きを助けお。
どうやらあの先茩には自分の正䜓、ず蚀うより玠性はばれおいたようだが。䜕も蚀われなかった。

「党く、志貎の呚りには冗談じゃなくお人奜しが倚すぎる。
 俺たで䞭おられたらどう責任を取っおくれる  殺すか」

䞍敵な笑みが䞍穏な路地を抜け  るこずなく。びたりず立ち止たる矜目になった。
黒に浮かぶ玅  圌の効、いや、文字通り『矩効』がこちらに歩いおきおいる。

「秋葉  か 俺の血がぞくぞくするくらい反応しおるっおこずは軋間ず同じ  
 玅赀朱。はん、志貎が知ったらどうなる事やら」

どうせこんな倜だ、あのお節介の暩化のような自分は芋回りず称した自殺行為に励んでいる頃だろう。

「出遭わせるわけには、行かないよなぁ 俺が出おない間に遠野志貎が殺されちゃ俺も死ぬ」

そんな、建前が口を突いお出た。䞭おられた事、確定である。䜕せ䞃倜志貎は。
あの異圢を芋おもなお、効を殺したくないなんお甘い思考を繰り広げおいるのだから。

「甘いよなぁ  あのお節介の血くらいは甘いんじゃないか」

それは自分の血でもある。そんな自虐を口の端に乗せ぀぀。倜の圹者は優雅に挚拶を亀わした。

─────ward to 『red stranger』

[『䞃』人挔舞 䞉 赀ず黒の道]

#2172006/05/06 19:31
し た っ た 、 ア ン カ ヌ 残 す の 忘 れ た 
前回は>>216


「っ  案倖にダメヌゞ蓄積が倧きいな。た、䞀倜限りで䜿い尜くせるくらいが䞁床ずいったずころか」

秋葉をさらっず远い返しおみたものの。
未だ自分がどこぞ行けばいいのか分からず、溜たったのは情報じゃなくダメヌゞだけずいう䜓たらく。
ずりあえず足を進めおみおはいるものの    。どうやら思玢に耜りすぎおいたようだ。
あれだけ倧きな戊闘の気配を芋逃すずはどうかしおいる。

「こっち、か」

バケモノ察バケモノ。正にその呌称が盞応しいほどの闘気。
いくら死線が芋えるずは蚀え。いくら戊闘経隓を積んでいるずは蚀え。螏み入るのが躊躇われる空間。

「ハ  冗談」

経隓を積んでいるからこそ分かる恐怖、そしおそれに䌎う快感。

「行くしかないよなぁ」

先皋秋葉に感じたものなんかの比ではなく。
䞃倜志貎に満面の笑みを浮かべさせるほどの惚殺空間がそこに埅っおいるのだから。
こうしお䞃倜志貎は公園ぞず螏み入った。


感じた事のある気配が二぀。そしお、芋たこずがあるはずにも関わらず党く違う気配が䞀぀。

「アルクェむド  レン  。ここたでは分かるが。
 ネロ・カオスずはなんおこったよ。倚分、あい぀も俺ず同じく、この怪倜補か」

䜕やら䌚話が繰り広げられおいるようだが、ここからでは聞こえない。
少し近づいおみるず  。

「私の持ち物に手を出そうだなんお  良い床胞じゃない、たかだか二十䞃祖皋床が。
 笑わせないでくれない」
「む  それは倱敬した、真祖の姫君」

驚くべき事に、先皋の戊いはレンずネロによるものだったらしい。
流石に幎クラスの䜿い魔ずいったずころか。

「しかしおその殺気。
 本圓に貎公はアルクェむド・ブリュンスタッドの名を持぀ものなのか」
「圓たり前じゃないの  私以倖にアルクェむドなんお居ない。獣で構成されおるだけあっお、頭が悪いわね」
「  たぁいい。どうせ貎公も私に喰われおその獣ずなる身だ。先皋の珍しい生物は逃しおしたったが  
 代わりに網に掛かったのが真祖ずは恐ろしき偶然よな」

すっず。凶悪すぎる芖線がの呜を内包する混沌を睚む。

「目障りな䞊に、耳障りよ、貎方」

そしお告げられる蚀葉はただ単玔な死刑宣告。

「消えなさい  」

そしお戊いが始たる。人倖人倖。冗談じゃないレベルの戊いがそこで  

「ん  レンはどこに行ったんだ」

そう、い぀の間にか消えおいる黒猫の姿を探す。あの黒猫が理由も無くこんな倜に出歩くずは思えない。
䞀䜓、䜕が原因か 戊いはその間も凄絶に続けられおいお。

「五月蝿い  党く集䞭できないじゃないか」

そう無意識に愚痎っお戊いの堎から離れる。音が遠ざかり思考がクリアになった。


瞬間で思い぀く。あの黒猫は、怪倜を終わらせようずしおいる。
それ以倖にあの平和的な黒猫がネロず戊っおたで。
いや、それ以䞊にあの埋儀な黒猫が䞻人の䞋を離れおたで。
やろうずするこずなど思い぀きもしなかった。

「二の足を螏むのか、レン 冗談にも排萜にもならないぜ」

䞀床、レンは志貎を生かすために殺されおいる。
それも、䞃倜志貎じぶんが殺されたのず同じ盞手に。
そう、もしかしたらあの鬌に巡り遭えるかも知れない。
僅かに芜生えた心配ず蚀う感情をかき消しお気分を昂ぶらせる。

「ずなるず、猫探しか。やれやれ、このしがらみだらけの肉の檻に降りお、
 殺人貎のやるこずが猫探しずは  救われないな」

そうしお再び歩き出す。䜕より、その歩調にだけ焊りを滲たせお。


「随分ずあからさたに  怪しい空気だな。たぁいい」

そう、なにしろそれは怪倜の䞭心なのだから。癜い空間がひっそりず、公園の草葉の陰。

「瞁起挔技の悪さっお意味じゃ最高の堎所じゃないか。誰だか知らないが、良いセンスしおるよ」

躊躇い無くその空間に足を螏み蟌んでいく最高の圹者。

「た、粟々揉んでやるずするか」

─────walk in 『the night actor』 >>196-201

[『䞃』人挔舞 四 舞台ぞの階段]

#2182006/05/06 19:32
前回は>>217


結局癜も黒も殺せず。むしろ助けおしたった圢になり。䞃倜志貎は自分に倧きく倱望した。
しかも、結構な傷も負っおいる。
なんなんだこの倜は。たるで自分が自分で無い様で。
それもこの怪倜のせいだず萜ち着けお。

「貎方  どうしお」
「あヌ  」

そのたった䞀蚀でいずも簡単に厩される。
䜕故、自分はこんな事をしおいる ずっずず癜レンを殺せば事足りたはずだ。
でも、倒れた黒レンを芋お掚枬しおしたった。
こい぀らは、自分ず同じだ。そう思った瞬間、殺す気が倱せおしたった。
いや、殺す気が死んでしたったずいうべきか。䜕せ、蘇る事が無い。

「参ったね。蚀い蚳も考え付きはしない、アドリブに匱い圹者だ、俺も」

そう癜状しお圌女の、癜レンの隣に腰を䞋ろす。
これから告癜する事は、もっず    。

「぀たり結局はこういうこずだろうな。俺も遠野志貎であり、あい぀も䞃倜志貎である。
 これに尜きる」
「どういうこずなの 私に分かるようにお話しお頂戎」

顔に露骚な疑問笊を浮かべおにじり寄っおくる癜レンに苊笑いし぀぀、ゆっくり思考を回す。
頭の䞭に枊巻いおいるこのもやもや感、それを蚀葉にするには冷静になっお考えるしかあるたい。
元々、䞃倜志貎は䌚話に長けた人間ではないのだ。
戊うこず、ひいおは殺すこずが䞃倜志貎にずっお䞀番の䌚話方法だから。

「䟋えば、だ。オマ゚達が争っおいたらあい぀、遠野志貎はたず間違いなく二人共傷぀けないように  
 自分が傷぀いおでも止めるだろう でもあい぀はそういう面だけを持っおいるわけじゃない。
 アルクェむドを䞀目芋お理由も無く『殺したい』ずかそういう衝動を起こす。
 それは俺の行動なんだよ。䞃倜志貎が䞃倜である由瞁、その血の衝動なんだ。
 だからおそらく、俺も  これでわかるか」

口䞋手な䞃倜はそうやっお盞手に話せるこずを話すず、あずは盞手の解釈に任せた。
これ以䞊語ったずしおも事態が耇雑になるだけ。そういう盎感はやはり鋭いものが有る。

「    。
 ぀たり、貎方は䞃倜志貎であるけれど、同時に遠野志貎ずしおの性質も内包しおいる。
 圌、遠野志貎も同じく、䞃倜志貎ずしおの䞀面を持っおいる。
 今回はそんな『遠野志貎』の䞀面が芗いただけ。貎方はそう蚀いたいのではなくお」

驚いた。自分が蚀った事をこずをここたでの速さで理解し、しかも分かり易く纏めるずは  。

「驚いた  癜レンは賢いな」
「圓たり前でしょう 䌊達に幎月だけを重ねおきたわけではないの。
 それに    」
「それに」

優しく促す蚀葉に流されるように癜レンも語る。

「私は、この子なんだから。それくらい出来お圓然なのよ」

その蚀葉は確かな信頌。自分を死ずいう最悪の闇から、自らを賭しお救い出しおくれた自分。
愛しいものに觊れるように、癜は黒を撫でる。それを芋お、䞃倜志貎は知らず埮笑んでいた。
柔らかい時間が、過ぎおいく    。

[『䞃』人挔舞 五 猫達の螊り、その埌]

#2192006/05/06 19:35
。。。ワヌドっおどういうこずでしょう えぞ

はい、出盎しおきたす。

[214]

#2202006/05/07 01:33
前スレ726です。
この流れで自らも発火剀になれるこずを祈り぀぀!


膠着状態が続いおいた。
ぬうん

ふっ、ハッ・・・
どうした、先皋から逃げおばかりだが
クッ・・・蚀っおくれる。たずもに䞀撃喰らえば俺なんかじゃひずたたりも無い。
良くお骚に皹、䞋手をすれば——即死。
そら
前進しながらの倧振りの裏拳。
、っっず!
幞いなのは技が倧振りで隙が倧きい事。䞊手くかわせれば隙を突ける。
そこだッ!
枟身の力で突進、短刀を突き刺す。
小賢しいッ
がっ
振るわれる豪腕。匟き飛ばされる身䜓。蟛うじお受身を取る。
なんお銬鹿力・・・長期戊に持ち蟌たれおはこちらがかなり䞍利だろう。
どうした、䞃倜の倅。よもやこれだけずいう事はあるたい
そんな蚳無いだろう・・・
俺はこい぀を倒さねばならない。
䜕故かは解らない。でも、こい぀を倒さねば俺は先ぞ進めない———
行くぞ軋間。俺はお前を倒しお先ぞ行く
その意気だ。そうでなくおは面癜くないからな。
 かかっお来い、䞃倜の倅———
軋間の死を凝死する。
殆ど薄くしか芋えない。これが玅赀朱の力なのか
しかし。
䌞ばされた前髪によっお隠されおいる過去に朰された右目、それず同じ右偎の頚郚。
過去、蚘憶さえ残っおいない誰かによっお付けられた傷。そこだけ䞀際線が濃い。
なら狙うは䞀点。危険な賭け、だがこれ以倖に掻路はない———
だァァァ——
駆け出す。ただ銖を狙うだけでは盞手に読たれる。
走った勢いをそのたたにスラむディングをかたす。
ぬぅ
流石に意衚を衝かれたか、䞀瞬たじろいだ様に芋えた。
小癪、な・・・・
そのたた跳ね䞊がるように起き䞊がり䞊から䞋に斬り䞊げ、曎に返す刃で銖の線を断぀——

それだけか小僧

ハズ、だった。
な、に
気付けばダツは腕を突き出した栌奜のたた数メヌトル向こうに。
俺の䜓はダツの突き出した腕によっお吹き飛ばされおいた。
肺に空気が残っおいない。頭は胡乱。アバラの䜕本かは持っおかれただろう。
が、ふ
駄目だ。ダツの鋌のような肉䜓には届かない。
決定的な隙。そこに臎呜的な䞀撃を
玅い鬌が歩み寄る。その腕は俺の銖ぞ真っ盎ぐず䌞びお———

残念ですが、そうはさせない

その腕は、䜕かに絡め取られた様に留たっおいた。

[匿名さん]

#2212006/05/07 03:28
いろいろ詊しおみたけれど、駄目。
『䞃』人挔舞 六 鏡の片鱗は党郚曞き盎しおきたす。

明日には党郚公開できるず思いたす、尻切れトンボですみたせん。

>>220様

たた䞀人䜜家様いらっしゃったヌ
この調子、この調子で増えおいけば䞀日䞀も倢じゃない

感想は、ただ差し控えおおきたす。続きを楜しみに埅っおいたすので。

[214]

#2222006/05/07 04:40
前回は>>218 お願いだから曞き蟌たせお  


その、柔らかい沈黙を、䞃倜が茶化すような蚀葉で終わらせた。

「しかし、䜕かな 随分角が取れたじゃないか、癜レン」

そう、たるで俺のように、ずは続けず。
ただ、その無意識の笑顔が癜レンの頬を染めるず蚀う効果を䜜り出しおいるこずに気付くこずなく。
䞃倜志貎はごく自然に癜レンず䌚話しようずしおいた。
それは、貎重な分もしかしたら遠野志貎よりも遥かに魅力的なものだった。

「ず、圓然でしょう 私は  えっず、私」

蚀葉の先が芋圓たらず、口篭る癜レンに、䞃倜志貎はこれ以䞊無い远い蚎ちを仕掛けた。

「特に理由がいるもんでもないだろう それはオマ゚がオマ゚だから、なんだよ」
「っ  」

䜙蚈に蚀葉を倱っおいく癜レンに、救いを差し䌞べるように。
黒レンが身動きをした。

「あ  」
「お目芚めかい、黒のお姫様プリンセス」
「    」

芝居がかった口調の䞃倜を䞀目芋お。黒レンはひょいっず癜レンの腕を抜け出す。
そしお癜レンず同じく、人の姿になっお。これたた同じく䞃倜の隣に腰掛けた。
二人のレンに挟たれる圢ずなっお䞡手に花状態なのだが、それを気にするでもなく䞃倜は蚀葉を玡ぐ。

「しかし、䞋手をやらかしちたったよなぁ、レン。
 自分を殺しおたで自分を助けようずする、なんおたいした矛盟じゃあないか」
「    」

起き掛けには痛烈な䞀蚀がレンの胞に刺さる。慌おお匁護しようずする癜レン。

「でも、それは私を助けようず」
「埅お埅お、人の台詞を遮っおたで自己匁護に走るもんじゃないぜ、たったく。
 俺が蚀いたいのは、自分すら信じられずにどうするんだ、っおこずだ。
 幟ら助けたかったず蚀っおも、それじゃ二人共救われない」
「「    」」

やれやれ、ず銖を振り぀぀攟たれる台詞に、反論を殺されるレン二人。
この男は、実は短刀等なくずも匷いのかもしれない。

「た、埅お埅お  黙っちたう事はないだろう」

その沈黙が完党に自分の蚀動に䟝っお匕き起こされた感動のせいだず理解できおいない。
ここらぞんは流石に䌚話慣れしおいない事が玔粋な仇ずなっおいた。
やがお、䌚話を諊めたのか溜め息が䞀぀。

「これはオマ゚達の問題だからな  俺が口を出すたでも無かった、か。
 俺はそろそろ逝くずするか。い぀消えるずも知れぬ身だ、ふらふらしおいるうちに千切れお消えるだろうさ」

起き䞊がり際、その防埡䞍胜の隙に。孊生服の䞡袖をがっしりず捕たえられた。
正に䞀心同䜓の動き、䞡偎からだからもちろん察凊のしようなんおない。

「埅お埅お  俺を匕き止めたっおいいこずなんざないぜ
 それずも折角逝き遺ったっおのに、無駄に呜を危険に晒す気か
 止めはしないが  䜕時気が倉わるずもしれないぜ」

䞃倜が䞉連続で尋ねる。察しおレンは䜕も蚀う事は無く。癜レンですら黙ったたた。
答えが無い事に、肩を竊めようずしお倱敗する。やがお、恥じらいを含んだ告癜。

「いいの。今は、偎にいお
「    」

再床の、溜め息。それは先皋ず同じく諊めを含んだもので。

「他にやるこずなんざ無い  付き合わせお貰うずするさ」

腰を䞋ろす䜓に、心なしか嬉しそうな䜓が二぀、もたれかかっおいく。
その䜓の重みを感じ぀぀、䞃倜志貎は沈黙に身を任せる事にした。

[『䞃』人挔舞 六 鏡の片鱗]

#2232006/05/07 04:45
あ、朝たで粘ったかいがあった    前回は>>222


暫らくしおふず、䞃倜志貎の気が向いた。
こんな告癜は自分ず同じ存圚に聞かせるくらいしか䜿い道がないだろう。

「これはたんなる独り蚀なんだが  。
 遠野志貎の性質ずか、䞃倜志貎の䞀面ずか蚀っおたがな、実は違うず思うんだ」
「    」「    」

黒はい぀もの通り、癜は話を促すかのように沈黙。䞃倜は続ける。

「この倉な甘さは、『志貎』が本来。生たれたずきから持っおるもんなんじゃないかっおね。
 そうでもないず俺が今倜䞀人も殺しおいないなんお、銬鹿な事が起きるわけが無い。
 たかが䞀面、䞭おられただけで。五人も芋逃すなんお有り埗ないんだ。
 参ったね、この志貎っお名前からお別れしなきゃこの甘さからも逃れられないのか  」

反応が無い。正䜓䞍明の䞍安に志貎は戞惑い぀぀。

「おわけなんだが  なんだ。寝おるのか」

これたた正䜓䞍明の安堵。どうかしおしたったのだろうか、䞃倜志貎は
すべお、怪倜のせいにするこずにした。

「殺人貎盞手になんでこんなに無防備かね  ったく、殺す気も起きはしない」

未だ蚀い蚳がたしく殺さないこずを告げお。䞃倜志貎は立ち䞊がる。
このたただず、猫達のように眠っおしたいそうだったから。
眠気は、匓塚さ぀きを救ったずきからずっくに芚めおいた。
ただ動けるのに眠るのは勿䜓無い。
どうせすぐ消える身なのだ、せいぜい䜕かやらかしおから消えたい。
それがこの䞖に察する未緎だず、䞃倜志貎は気付かない。

「た、血が少ないからあんたり無理は効かないんだがね。
 おやすみ、レン。望たれない圹者は消えるずするさ」

先皋はできなかったから、ず蚀うように肩を竊めお。

「た、これが俺に盞応しい終幕か」

こうしお䞃倜志貎は再び歩き出した。その背䞭には、䜕かをやり遂げた達成感のようなものが挂っおいた。

─────Go to the 『stage of the demon killer』>>???-???

[『䞃』人挔舞 䞃 去る圹者を埅぀モノ]

#2242006/05/07 04:47
前回は>>223 䟋によっお䟋の劂く゚ピロヌグ。


舞台を去った埌の圹者に残されおいたのは、ある皮最高で極䞊のご耒矎だった。
公園のほが䞭心、気玛れに足を進めおきた先に。そい぀がいた。

「貎様、は」

流石の䞃倜志貎にも緊匵が走る。いや、緊匵で枈たせられない衝動。
血が沞く、肉が螊る。歯がかちかちず鳎り、党身に震え。
膝はだらしなくもがたがたず揺れる。

「む  䞃倜 久しいな」

あぁ。ここたで人を殺したいず思ったのは。初めおだ  。
秋葉なんかずは比べ物にならない圧倒的な、最早質量的な嚁圧感。
そしお䞃倜は理解する。血は、争えない。

「久しぶりだな。玅赀朱。それずも軋間玅摩ず呌んだほうが埡気に召すかい」
「どちらでも構わん。しかし、驚いたな。よもやこんなずころで黄理の息子ず芋える事になるずは  
 いや、この䞍可思議な倜にこそか」
「貎様も、呌ばれた口か。たぁそうでなければ出おくるこずもあるたい」
「その口調だず、本圓の䞃倜志貎であるようだな。遠野、その家の眷属ではないらしい」
「  俺は䞃倜志貎。遠野志貎から掟生した圚ったはずの可胜性だ。
 そう考えおみるずお前は芪父だけじゃなくお俺も殺したこずになるな」

沞隰する血、そこから出る蒞気は殺意。自然、顔が笑みに圢䜜られる。

「お互い、数刻で消える身。ずなるず、埌はもうこれしかないよなぁ」

短刀を右手に。やや䜓を斜めに傟けお盞手を睥睚する。

「───確かに、望んでいなかったず蚀えば嘘になる。
 いいだろう。来るがいい殺人鬌」

ぞくりず走る震えは玛れも無く歊者震い。

「ああ、脳髄がずけちたうほど殺しあおうぜ  」

それが、合図。この怪倜の䞭でも最倧玚の決戊の火蓋が萜ずされた瞬間だった。


䞃倜志貎は誰よりも理解しおいた。掎たれる事が、死に盎結するず。
可胜性ずしお殺された以倖にも、䞀床悪いナメの䞭でも殺されおいるのだ。
぀いでに蚀っおみるず遠野志貎は停者ず戊い、勝利を収めおいる。

「斬刑に凊す」
「小賢しい」

䞀床目の亀錯。超高速の動きで繰り出される短刀はしかし䞀刀たりずも玅摩に効果を及がさず。
死の線以倖を切っおも無駄だず蚀う結論に達するこずずなった。迫る玅摩の腕を埌ろ宙返りで䞋がっお避ける。

「斬るっ」
「終わりだ」

二床目の亀錯。宙返りから姿勢を䜎くした䞃倜はその党力を足に蟌めお。
匟䞞をも超えんずいう速床で射出、線を断ちに行く。
察しお玅摩の方は、その䜓を浮き䞊がらせおの跳蹎り。
結果、線を倖した斬撃ず、䜎空を空振りする蹎りがすれ違うのみ。
いや、蹎りに近かった䞃倜の髪は少し焊げた感觊を埗おいた。

「はっ」
「ふはは  」

䞉床目の亀錯。それも党おの攻撃の空振りず蚀う結果に終わった。
䞃倜志貎は攻撃を圓おられる距離にたで到らず。軋間玅摩は党おの攻撃をかわされお。
しかし、䜙裕の床合いが違う。
死の線が芋えるずどめの攻撃範囲がそこに限定される䞃倜志貎。
そもそも、死の線を断たない限り軋間の䜓は鋌よりももっず固いだろう。
ただ腕を振るだけで呚囲の空気を根こそぎぶちたけおいく軋間玅摩。
その豪腕の前では䞃倜の䜓など、玙屑よりも柔な存圚だろう。
有利䞍利は明確。それでも䞃倜志貎は。舞台で芋せなかった最悪で最凶の笑顔を芋せおいた。

「その銖、俺が貰い受けるっ」
「でぇい」

再床の亀錯。玅摩の死角である右から、奇怪ずしか蚀えない動きで銖を狙いに行く䞃倜の短刀。
それを腕の䞀振りで匕き䞋がらせる玅摩、それによっお䞃倜は倧きく䜓制を厩し。
巊足に党䜓重が乗る。

「蹎り穿぀  っ」

そこから攟たれた裂垛の蹎りはしかし、玅摩の䜓を傷぀けるには到らないけれど。
反動で、その巚䜓を浮き䞊がらせるこずに成功した。

「ぬあっ」

そしおそのたた空䞭で行われた攻撃は、神業。
浮き䞊がった䜓を远う䞃倜。
地に着かぬ巚䜓は、䞃倜を薙ぎ払う決定的攻撃が出来ず。
あたりにも近距離過ぎお攻撃の予備動䜜すら行えないのだ。
そう、䞃倜志貎は盞手の領域である近距離を超え、曎に螏み蟌むこずによっお必殺のチャンスを埗たのだ。
そしお倧胆にも、その现い腕で盞手の䞞倪の劂く倪い腕のやや䞊。肩を捕たえお。

「そらっ」

短刀を力の限り振り䞋ろす その軌道は確実に死の線を捉えおいた。

[Extra stage〜最終公挔〜前線]

#2252006/05/07 04:48
前回は>>224


「その才は父をも超える、か。䞃倜志貎。面癜い」

浅い。浅かった。傷を぀けるこずはできたが、それたで。
盞手を掎むずいう行動は、必然的に盞手にも掎たせるチャンスを䞎える事ずなる。
そしおあの豪腕に掎たれたら終わるのだから、そう長い時間掎んでいられるはずもなく。
結果、䞃倜志貎の必殺の連携は玅摩の厚すぎる装甲によっお阻たれた。
もう、同じ小现工は通甚しないだろう。

「だが、お前にオレを超えるこずが出来るか 子倅」

突進しおくる玅赀朱。おそらく、これが最埌の亀錯ずなる。
限界などずうに超える歩法を䜿っおきた䞃倜志貎の䜓は、それたでのダメヌゞ蓄積もあっおこれ以䞊は満足にうごけたい。
満足に動ける、䞇党な状態で攟った極死が通甚するかずいう盞手に。䞃倜志貎はがろがろの䜓で挑む。

「独芚───」

たっすぐに䌞びお来る腕。それを限界たで匕き぀けお。

「無間に萜ちろヌ」
「極圩ず散れ  」

限界たで身を捻った跳躍。党おを切り裂いおいく盎線を捻りでかわし。

「がっ  」

かわしきれず、巊の脇腹を持っお行かれる。掠っただけでその嚁力。
圓たったら砕け散っおいただろう。運が良いのか悪いのか。
䞃倜志貎は、退くこずなくこの䞀刀に党おを蟌めた。
玛う事なきその最期の䞀刀は。この圹者の最埌の舞台に盞応しい匷さ。
そしお䜕より最高の栌奜良さで敵を䞀文字に斬った。


「盞打ちか、軋間よ」
「ふん  ふず思ったのだが。おたえ、本圓に人間か
 このオレを盞手どっお、尚䞔぀䞀撃を受けきるずはな」
「いや、受け切れおないだろうよ。䜕せ䜓の砎片がそこらじゅうに散らばっおいるだろう」
「オレに聞くんじゃない。もう、起きられはしないのだからな」

距離およそ二間。無間ずは皋遠い距離で二人は倒れおいた。
自らの技量ず死力を尜くしきり、ようやく䞀刀を济びせた人間ず。
怯たぬ姿で最埌たで人間を苊しめた鬌がそこで、仲良く䌚話しおいた。

「理解したか これがモノを殺すっお事だ」
「その割には䞃倜、お前も死に䜓のようだが」

どちらずもない笑いはたるで。同じ戊堎を朜り抜けた戊友同士であるかのようだった。

「た、芪父より良い成瞟だったんだろうし、今日はここで勘匁しおおいおやる」
「はん、蚀っおくれる。オレもただただ修行䞍足ず蚀う事か」
「じゃあな、軋間。なんだかんだ蚀っおも貎様ずの戊いは、䜕、面癜かったぜ」
「次があれば盞手をしおやる、䞃倜の息子よ。お前の父は、匷かったぞ」

そんな他愛ない䌚話もい぀しか途切れ。埌には公園に吹く颚だけが残った。
立぀鳥跡を濁さず。正にその蚀葉が盞応しい圹者の幕切れだった。

Ex stage was already『DEAD』

[Extra stage〜最終公挔〜埌線]

#2262006/05/07 04:51
眠い  おいそれずワヌドなんお出すんじゃない。

本圓に勘匁でした、ワヌド。ずもあれこれで䞃倜志貎君の出番は終了です。
良ければ名圹者たる圌に拍手を、そしお駄目なら駄文曞きである私に批刀をそれぞれお願いしたす。

評刀がよければこれからも『志貎君』のお話を続けお生きたい次第です。
では、長文倱瀌したしたヌ。

[あヌずヌがヌきヌ]

#2272006/05/11 02:57
感想をもらえなくおも泣かない。掻性化しなくおも泣かない。
倧䞈倫、私は今日も元気ですっ ず蚀う蚳で口盎しのギャグ物を䞀発。


だいいちぶ。ねこずぞんたい。

「にゃにゃにゃ ここはどこなのにゃ」

目を芚たしおみるず芋知らぬ町。グレヌトキャッツなにやらだかなんだかずは皋遠い堎所だ。

「たぁいいにゃ。ここは䞀぀、倜の散歩ず決め蟌むかにゃヌにゃんお思っおるワタシっおせくしぃ」

垞人には理解䞍胜の思考回路、それも圓然。なぜなら圌女は猫だから。
吊、猫アルクだから
人間の赀ん坊皋床の身長に、猫の耳。二頭身のその䜓は凹凞なくすらりず。名前の通り猫のよう。
その謎生物は暇぀ぶしをするためか、は分からないけれどずにかく歩き出した。
この倜が、恐ろしい怪倜であるこずも知らずに

「にゃヌんだかにゃヌ  歩きだしたはいいものの、どこぞ行くんだワタシ
 知埗留みたいな遊び盞手がいないず暇でしょヌがにゃヌ」

ず。ぎくり、圌女自慢の猫耳が反応を芋せる。

「にゃんずびっくり、そこにいるにょは裞マントの倉態じゃにゃいか
 こりゃ行っおみるしかにゃヌ」

どどどどどっ、ず砂煙を䞊げお走り出す猫アルク。
しかし、どうしお聎芚で裞マントの倉態が歩いおいるなんお分かるのだろうか  た、猫アルクだし。


地を駆けゞェットで宙を飛び。なんで足にゞェットなんか぀いおいるのか分からないこの生物。
それは真っ黒な男の目の前に降り立ったのだった。
「ぬ  ぬぬっ」
「よヌ倉態。元気しおっか、特に䞋半身」
「き、貎様はっ なんだ、なんず蚀う珍しい生物」
「にゃは、ワタシを芋お興奮すんなよ あ、でも倉態だから垞時興奮状態か。にゃはは」

朗らかに、ず蚀うか明らかに銬鹿にした笑いを芋せるその生物に、わなわなず震える長身のマント男。
それは怒りでもなく、アル䞭アルク䞭毒でもなく。玛れもない興奮、奜奇心から来る震え。
圓然、猫アルクが意図するような性的な意味ではありえない。
そんな奎いたら倉態どころの隒ぎじゃあないだろう。

「おおぉ、この極東の地にはかように珍しい生物が存圚しおいるのか
「そうそう、ワタシは倩然蚘念物䞊みのレア生物にゃのさ。接頭語に特殊が付くくらい」

たぁ確かに随分ず特殊ではある。
じり、じりず距離を詰めるマント男。
きちんず芋れば敎った顔立ちをしおいるのだろうが、興奮に緩んだ頬ず乱れた息。
正に倉態ず蚀っお差し支えない皋床の怪しさにはなっおいた。
それを芋おいっちょ前に危機を感じたのか猫アルク。
自分から姿を芋せたくせに胞を抱いお埌退。

「ぞ、倉態にゃ 倉態がここにいるにゃ
 しヌきゅヌしヌきゅヌ、誰かたヌすヌけヌおヌ」

なんお声をあげお逃げ出すもんだから。

「た、埅お 埅っおくれ 蚀語を解するならせめお足型だけでもっ」

远われる矜目になっおしたうのだった。
心なしか、远うマント男の方が必死で、逃げる猫アルクが楜しそうに芋えるのは  たぁ錯芚じゃないだろう。

[ねこあるくのがうけん 前半戊]

#2282006/05/11 03:01
前回は>>227


「行けぃ」
「にゃにゃにゃ にゃんずびっくり鹿が出た 貎様手品垫か」

なんず、男のマントから鹿が飛び出した
その鹿の倧きさから蚀っお、どう芋おも元から入っおいたようには思えない。
怪倜に出珟する倉態は、䌊達じゃないようだ。
しかしその驚きは、それ以䞊の驚きによっおかき消される。

「ブィヌム」
「な、なんずぉ」

目からビヌム  そんな空想科孊にすらもうねぇだろっお皋叀颚な技が。
今そこで実珟しおいた。そのビヌムはなんず鹿を焌き尜くし。黒マントに襲い掛かった。

「ぬぅ」

それを蟛うじおかわしおじっ、ず猫アルクを睚み぀ける。

「どヌにゃ、参ったか 猫族に䌝わる奥矩、真祖ビヌムにゃ
 これに懲りたらもう远っおくるの止めたり曎に加熱した远いかけっこをしおくれるず嬉しかったり」

やはり楜しんでいた猫アルクだった。
そしお、その思惑通りに。

「な、なんたる生物  これは是非ずも、是非ずも捕たえたい
 か぀おこんな、ここたで滅茶苊茶な  倚少、手荒な真䌌をしおでもっ」

マント男は曎にヒヌトした。
怪しさ党開どころか職務質問確定、任意同行すら求められるんじゃないかなヌっお感じに。

「そうそう、倉態はそうでにゃヌずにゃヌ。さぁ、我が秘䌝を受けおなお、その倉態床を維持できるかにゃ」

ぐるんぐるんぐるん。猫の䜓が䞍可解な回転を芋せ、そしお。

「にゃんぷしヌろヌる」
「ぬぁっ」

逃げおいたはずの生物が突然の突進。マント男は避けられずに、小さな䜓のパンチが炞裂する

「ぬるいな  それが秘䌝なのか」
「ぬるいのはどっちにゃのかな」

たいした嚁力はなかったように思えるその䞀撃、しかし。
それは恐ろしいたでの嚁力を発揮しおいたのだった
寄っおこようずするマント男は。

「な、なんだずっ」

驚愕の声を挏らすのも無理は無い、䜕せ党身しようずの意思に反しお䜓は埌退。
普通に動いおいるのに逆方向。その床に声を挏らすマント男は、はっきり蚀っお。
䜙蚈に倉態床が増しおいるようにも芋えおいた。

「にゃっはっは さらばにゃ倉態 そんな萌えの無い倉態にゃど盞手をしおいる時間はにゃヌいのだよ」
「た、埅おず蚀っおおるだろうに こ、こらヌ」

高らかに笑いながら歩いお去っお行く猫アルク。それを远いかけようずしお逆方向に走り去るマント男。
そうずうにテンパっおいるようで、逆に動こうずいう考えも浮かばないのか。
滑皜ず蚀うか、随分ず奇劙な展開がそこで行われ。埌には虚しく吹く颚だけが残った。
なんのコントだ、これ

[ねこあるくのがうけん 前半戊その]

#2292006/05/11 03:02
前回は>>228


「はぁ、はぁ、はぁ」
「にゃヌんだお前。おみゃヌみたいな脇キャラの出番はもう終わったのだよ」
「あ、諊めおなるものか  せめお足型だけでも取らねば、䞀生埌悔する」

必死で公園たで远いかけおきた男に、猫アルクは冷たい蚀葉をかける。
圌女のなかでは既に終わったものらしい。
それでも、男は諊めなかった。

「戻れ  よくやった」

マントの䞭にカラスを呌び戻す  あのマントの䞭は動物園か䜕かなのだろうか
どうやら、だ。カラスを䜿っお猫アルクの行く手を远っおいたみたい。
ストヌカヌよりも性質が悪い気がする。

「たヌ、その執念だけは認めおやらん事もにゃヌが。し぀こい奎は嫌われるぜ
 そのかわりに動物に奜かれおるのかも知れにゃヌけど、ワタシは別だから」
「今床こそ逃がさん  」

ぶわっず。䞀気に数十䜓もの動物を開攟する男。
ガクガク動物ランド。そんなワヌドが浮かぶような銬鹿っぷりだった。

「きしゃヌ」

寄っおくる蛇共を口から火を吐いお焌き払う猫。もう䜕があっおも驚かないほうがいいだろう。
そんな事お構い無しに襲い来る動物園。最早猫アルクに逃げ堎はなかった。
ある䞀点を、陀いお。

「ふぅ。貎様にゃかにゃかやるにゃあ。この猫アルク様をここたで远い぀めるずは  
 た、こんな事日垞茶飯事にゃんだけどね。
 もう䞀人猫がくっから、それの盞手しおやっおくれ。じゃヌにゃヌ♪」

なんだか矛盟した台詞を吐いお。猫アルクは地面に朜っお消えた。
随分ずあっさりした远いかけっこの終焉。

「な  」

ずがびヌん ずいう擬音が䌌合いそうな硬盎を芋せるマント男。

「ふ、ふ  」

ふ

「ふざけるなぁヌ」

そんな虚しすぎる叫びがこだたしたのだった。めでたくなしめでたくなし。


だいにぶぞ続く

[ねこあるくのがうけん 前半戊その]

#2302006/05/11 03:04
前回は>>229


だいにぶ。たたかうしょくぶ぀ず、。

「にゃヌ、ちかれた。倉態の盞手は楜しいけど、疲れるにゃ」

どっちかず蚀うず疲れたのはあのマント男だろう。
散々遊ばれお、捚おられお。可哀盞に。

「さヌお、これからどうするかにゃヌ どっか平穏に䌑めるずころはにゃヌかにゃ」

ずいい぀぀もだだヌっず坂を駆け䞊っお行く猫䞀名。
その先に芋えるは、荘厳ずもいえる門に護られた倧きな屋敷。
  どがん、がづんず䞍吉な砎壊音が響いおはいるものの。

「おぉヌ、こんにゃちょヌどいいずころにきゅヌけヌじょ発芋 ず぀にゅヌ」

門など意に介すこずなく、スピヌドを維持したたた通り抜ける现い䜓。
出迎えるは広倧な庭、しかし。
砎壊はその本来は豪華であるはずの庭にも及んでいお  ずいうより、庭は芋たこずも無い奇怪な怍物で埋め尜くされおいた。
空飛ぶモミの朚、回る怍朚鉢にボクシングするサボテン。
曎には火を吹く怍物が

「にゃわ」

突劂飛んで来た火の玉を朜り抜ける猫アルク。しかしやっぱり、楜しそうだ。
  䜕故火の玉が飛んでくるずか、考えおいないに違いない。

「にゃにゃにゃ このワタシに立ち向かおうなど癟秒くらい速いにゃ、ゞョニヌ」

そしおそのたた元凶である怍物にぶちかたしを決める猫アルク。
勝手にゞョニヌず名付けられた鉢怍えは哀れ吹き飛ばされおどこかぞ。
達者でな、ゞョニヌ。

「にゃっはっは この庭はワタシが占領したにゃ」

勝手に暎れ狂う怍物共に宣蚀するものの効果無し。圓然だけど。
そんなこずを気にする猫アルクでもない。
高笑いし぀぀占領したはずの庭を完党に無芖、屋敷ぞの䟵入を詊みようずしお。
突然吹き飛んできた正面扉ず衝突する矜目になった。

「おぶぱっ」

その小さな䜓がどでかい扉の䞀撃を受けお庭に逆戻りし。
ボクシングサボテンの盞手をするこずになった。
どすっ げしっ がすっ ばきっ ピカヌン

バシュゥり

「にゃうぅ」

䌚心の䞀撃 ずでも蚀ったらいいのだろうか
猫アルクず同じくらいの身長のサボテンから攟たれた枟身の䞀撃は、たたたた猫アルクを吹き飛ばす。
さしずめ、ゞョニヌの仇ず蚀った所なのだろうか だずしたら矩理堅い怍物である。
さおさお、吹き飛ばされた小さな䜓は宙を䞀盎線に飛んで。
扉の無くなった玄関から、䞀気にホヌルたではたき蟌たれた。

[ねこあるくのがうけん 埌半戊]

#2312006/05/11 03:05
前回は>>230


「ひ、酷い目にあったにゃ  」

ぶるぶるず頭を振っお、䜓を起こす猫アルク。その芖界に入ったのは、たぁなんずいうか、この䞖あらざる光景だった。
いや、そもそも猫アルクずかマント男の動物ランドずかさっきの怍物ずか既にこの䞖あらざるものだけれど。
聳え立぀人物、倖芋はいたっお普通なのだ。しかし、その倧きさが尋垞ではなかった。
䞋半身が地面に埋たっおいお芋えないけれど、䞊半身だけでも猫アルクの数十倍。
その随分ず䞍機嫌そうな衚情を芋おなお、猫アルクは。

「でかヌ  でも、ちっちゃいにゃ。ペタンコだにゃ」

臎呜的な䞀蚀を、無意識に発しおしたった。
そう、その人物の胞は、殆ど平らず蚀っおもいいような圢状。
無論、そう蚀っおはなんだが女性である。はっきり蚀っお犁句だろう。
事実ずは、人を傷぀けるものなのだから。
ドドドドドずかゎゎゎゎゎずか聞こえそうな雰囲気で始動する、その腕。

「やっちゃいたしたねヌ、どなたか知りたせんが旅のお方」
「あなたに、死刑です」
「い、蚀っちゃったヌ  」

䜕故かボロボロな䞉人がホヌルの隅っこのほうで呟く。
ちなみに党員が党員、特城的な栌奜をしおいた。
割烹着に、メむド服に、チャむナ服。
割烹着の少女は楜しそうにくすくすず笑い、メむド服の少女は無衚情。
そしお䞀際幌いチャむナ服の少女は怯えおいるようだ。

「にゃ、にゃにゃ にゃにか起こるのかにゃ」

流石にその異様な雰囲気を察したか猫アルク。
きょずきょずず呚囲を芋回すも、もう遅い。

「吹き飛ばしおあげたすっ」
「にゃわヌヌヌヌヌ」

この怪倜でも、屈指の悲鳎がそこに響き枡っお空ぞず消えた。
それを芋たものはこう語る。

「はいヌ、確かに迫力はありたしたねヌ。小さかったですけど。
 怒るず鬌のように怖いんですよヌ。小さかったけど。
 たぁそれも私がちょっずお茶目し過ぎちゃったからなんですよヌ。小さかったですけど。
 お庭をお掃陀しお、メカヒスむちゃんの暎走を鎮めようずしただけなんですヌ。小さかったですけど。
 ちょっずくらい、倚めに芋おもらっおもいいず思いたせん 小さかったですけど」

    。ノヌコメント。

[ねこあるくのがうけん 埌半戊その]

#2322006/05/11 03:06
前回は>>231 䟋によっお


はおさお吹き飛ばされた猫アルク。
䜓は最早、地球䞊になかったりした。
その割に結構元気っぜいのは䜕故だろう
たぁ、あの巚倧拳の䞀撃を喰らっおおいお爆発四散しないだけでも流石か。

「したったにゃ、぀い勢いで倧気圏を突砎しおしたったワタシ。
 んヌ、これが真空状態かヌ。冷たいにゃヌ、寂しいにゃヌ、぀ヌか地球が遠のいお行くにゃヌ。
 にゃどず珟実逃避しおいる堎合ではにゃい。しヌきゅヌしヌきゅヌ、誰かたヌすヌけヌおヌ」

真空状態にもかかわらず、その声はどこたでも虚しく響いたずさ。  おしたい

[ねこあるくのがうけん ロスタむム]

#2332006/05/11 03:10
新芏参入者期埅sage 

チキンですみたせん。ずいうわけで流れを読たずに投䞋しおみた次第です。
反応無かったりするず寂し  じゃなくお
消えればいいのか投䞋すればいいのか分からなくなるんで。

反応、お願いしたす。では、連投倱瀌でした

[あずがき]

#2342006/05/11 16:43
>>233
おもしろいんで曞き続けおほしいですね。

自分なんかは文が䞋手なんで皆さんが曞いた文の情景を想像しおむラストなんかをたたに曞いたりしおたすけど。

[匿名さん]

#2352006/05/11 16:54
>>234
あの癜レンvs䞃倜ずか曞いおくれたひず

[匿名さん]


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