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2024/04/23 15:48
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🪓 攻略地方





NO.654720

【君も䜜れる】あなざヌすずヌりヌ【物語り】
報告 閲芧数 1064 レス数 385

#1512006/04/12 01:43
ずころどころに焊げ目の残った宀内に、琥珀は䞀人。

「ふふ」

枕元に転がっおいる蓋の開いた小ビンを、ひょいっず぀たみ䞊げた。
倒れおいたずはいえ、ただ数滎分くらいは残っおいるその䞭身を、ワむングラスを扱う
ように、䞊品に口を぀けおすすり、舐めずった。

「む、少量だず即効性が薄れたすね。今埌改良の䜙地ありで、す  」

途切れるように、ではなく。
矜毛が地面に降りるように、ゆったりずベッドず氷たくらに身䜓を任せおいった。
目を぀むっおしたう前に、翡翠ちゃんの残しおくれた濡れタオルだけを額にあお、
心おきなく倢の䞖界ぞの扉を開ける。
倢には、寝る前に匷くむメヌゞしたものが珟れる事が倚いらしい。

ふふ、今倜は期埅が持おそうです

琥珀は、今日もご機嫌だった。


...To be continued

[琥珀さんのお薬 2-4]

#1522006/04/12 01:46
颚邪の特効薬はありたせん。あったら琥珀さんノヌベル医孊賞。

  おいうか、本線で颚邪や病気になる描写なんお無かったよね
ず、再確認し぀぀去りたす。

[琥珀さんのお薬]

#1532006/04/12 09:28
ああ昔みたいに人が戻っおこないかな・・・

[匿名さん]

#1542006/04/13 12:05
GJ、たあじっくり埅ずう

[匿名さん]

#1552006/04/14 23:52
———それは、圧倒的な存圚感。
闇に闇が重なり、芖界を奪っおいるこの空間。わずかな街灯が゜レを照らしおいな
ければ、䟋えそこに居るのが猛獣だったずしおも、いささかの疑問も浮かばなかった。

いや、違う。䟋えばラむオンが居たずしよう。それでは疑問だ。
そんな皋床か そんなモノか
爪䞀぀でこの自分を絶呜させるこずが出来るであろう猛獣の代衚栌ですら、゜レず
比范するにはあたりに陳腐。矮小。銬鹿げおいる。

しかし、䜕よりも銬鹿げおいるのは。
そんなにも巚倧で、絶望的な存圚だずいうのに。
———゜レは、ただの䞀人の青幎なのである。

「  む」

青幎の目が、こちらを捉えた。
なんお瞳。
暗く濁った灰色、ただそれだけのはずなのに、䜕癟もの芖線に貫かれる感觊。
そのどれもが、目の前にある”肉”に歓喜しおいる。狂喜しおいる。
牙を舐めずり、よだれを毒々ず垂れ流し、舌はこれから貪るモノの矎味ず感觊の
期埅に溢れ、のたうち回り、口内には収たり切らず幟床もすすり出る。

「䞁床良いか」

ただ、それだけ。
蚀い終わるこずもなく、聞き終える事もなく。
———それで、私の芖界は䞀点の灯りもない、本圓の闇に包たれた。



顔に唟液がかかる。この䞊ない腐臭。
数倚の肉を貪っおきた口穎が、目前に開かれおいる。絶望ず呌んで尚足りない奈萜の底。
髪を抜け、頭皮に觊れるほどに突き぀けられた、頭蓋ず芋玛うほどの巚倧な牙。
それは、私の頭蓋骚を砎るこずも、脳を抉り朰すこずも、結局は頭皮に觊れるこず
すらも無く。
元の、䞀人の青幎ぞず戻っお行った。

「    」

青幎は、無蚀だ。
その目は倉わらず私を芋぀めおいるが、䜕癟ず感じた芖線も、存圚だけは感じるものの
先皋のように貪らんずする獰猛さは䜕凊にも無い。
青幎にしおも、目の前にたで迫っおきおいるその瞳には、無衚情で、口元にだけそれず
分かる皋床の笑みを浮かべおいる、ただそれだけの私の顔が映っおいた。

しばらく芋぀め合った埌、青幎は私に背を向け、歩き出す。
あのような異端の気配を持぀存圚が、私達ず同じ移動法を甚いるこずに、少しながら
可笑しくもなり、  きっず、圌の瞳の䞭の私は口元を吊り䞊げた。
青幎はたた、銖だけをこちらに向け、未緎でもあるかのように私を芋おいる。

「飢えた獣ずお時には枩もりに屈する。
   去るがいい、人の子よ」

無機質だった声が、ほのかに着色されおいた。
深く深く、黒にたで近くなった灰色の䞭に、朱を䞀滎垂らした皋床の物だけれど。
それだけの蚀葉を残し、圌は去った。

ハンカチを取り出し、濡れた堎所にあおおみる。
瞬時に癜い垃は、赀く染たった。
確認するたでも無かった事だが、確かにあの青幎は自分よりも先にここに居お、自分が
来た時には、壁䞀面が玅い華で圩られおいた。
けれど、アレの存圚は知れたずころで無意味だ。
人間の䞖の、䜕がアレに立ち向かったずころで、所詮はアレの食料に過ぎない。

蚀わぬが花。䞁床良い諺が頭に浮かんだ。
そしお、自分の顔を拭くものが無くなっおしたっおいる事には、埌から気付いた。


.

[匿名さん]

#1562006/04/14 23:54
月姫本線にお。
䜕食わぬ顔しおたしたが、実は遭遇しおたんじゃないか ずいうIF。

[匿名さん]

#1572006/04/15 01:25
話䞊手くおいいね、GJ

ネロ先生が「青幎」かぁ 
確かに芋方次第では芋えん事もないな

[匿名さん]

#1582006/04/15 12:11
ああ、そうゆう事か。䞀瞬解らんかった。

[匿名さん]

#1592006/04/16 15:47
䞉人きりっおのも寂しいね。
そういえば、こんな物を某所に投皿しおいた時期が俺にもありたした。


「あけたしおおめでずう、シオン」
「おめでずうございたす」
「和服䌌合っおるね」
「窮屈です」
「重さがkg単䜍だからな。そういうのにこだわるのが日本の䌝統だ」
「十二単を季節問わず着こなした平安時代の倭人女性に敬意を芚えたすね」
「あれ、よく知っおるな」
「この囜に枡る際に埗おおいた知識です」
「成る皋。でもな、そういうのに耐えるのが矎孊なんだ」
「䞍合理ではありたすね」
「でも綺麗だぞ」
「  ありがずうございたす」

「ずきにシオン、『郷に入っおは郷に埓え』は知っおるか」
「”他所の土地ぞ行ったなら、その土地のやり方などには埓うべし”ですね」
「シオンはそれ、正しいず思うか」
「そうですね。他者の土地に居座る以䞊、最䜎限の颚習には埓うべきかず」
「うん、流石シオン。朔いね」
「」
「ならこれは知っおるかな。江戞時代たで、女性の倧郚分は和服を盎接着おいたんだ」
「盎接 」
「぀たりノヌブラだ」
「ノヌ ぶっ」
「曎に和服、ずくに着物に぀いおは、たずもな䞋着を着甚するこずすら皀だったずいう」
「た、たさか貎方 」
「぀たりノヌパンだ」
「ご、誀解です 袎を身に着ける際には『裟陀け』ずいう、圓時の䞋着ずも蚀うべきものが有りたした」
「裟陀けは足銖たであり、むしろ股匕やズボンに近いもの。而が䞻流だった圓事、䞋着ず呌ぶには無理があるな」
「それでも䞋着ずしおの圹割は果たしおいたす」
「しかし和服が旧文化の遺物ず化した珟代、裟陀けなんぞをわざわざ甚意するのは神瀟の巫女さんくらいのものだろうな」
「 う」
「成人匏の和服を芋おもそれは明癜。足銖から裟陀けを芗かせる女性など䞀割にも満たない」
「  うっ」
「圓然、我が家も䟋倖ではないぞ」
「た、埅っお䞋さい。だからずいっお䜕故私が 」
「郷に入っおは郷に埓え。シオンも賛蟞した皀代の名蚀だ」
「それは 違 」
「颚習には埓うべき。そうだろうシオン」
「いえ、だからその 」
「そしお今、君は颚習に逆らっおいる」
「  ずりずり」
「埌ずさりに意味はないよ 䜕せ玄関の扉は内郚からも鍵を䜿わなければ開かない。
 さらに窓はすべお鋌線入り。䟋え曙の匵り手をもっおしおも砕けはしない。もちろんSEC○Mの錠によっお内偎から閉ざされおいる。
 ぀いでに蚀うなら、君の掋服および䞋着の残りは、党お昚日付けでクリヌニングに出しおおいた。先皋脱いだ服も錠前付きタンスの䞭。
 残機れロずいうわけだ」
「ど、どうしおそう準備䞇端なのですか貎方は 」
「倧䞈倫、電車内で正面の女性の股間を垣間芋る時くらい薄目になるから」
「結局芋るのでしょうそれは」
「シオン、綺麗だよ」
「え あっ だ、隙されたせん」
「日本の䌝統に埓ったなら曎に綺麗だ」
「だ、だからなぜ貎方が 」

俺の指先、シオンの䞋半身5cm手前。

[匿名さん]

#1602006/04/16 15:49
いわゆるセリフオンリヌ。
文章内の知識に぀いおは、間違いたくっおるので信じないように 。

[匿名さん]

#1612006/04/17 15:02
その続き考えたらどう転んでも18犁だよママン。
おかあんた、さおはむっ぀りスケベだな

[匿名さん]

#1622006/04/17 18:05
今日は、手で抱えられる倧きさの女の子が来た。
昚日は絵の沢山描いおある本で、䞀昚日は䜕も無かったけど、その前は手のひら
に乗るくらいの、着せ替えのできる女の子が来おくれた。

今日来たばかりのその子は、顔が私のにぎり拳くらい。
䞀昚日来た子よりずっず倧きくお现かい顔たちをしおいお、やっぱり同じ
ように笑顔を私に向けおいる。
にこ、にこ。
にこ、にこ。

ちら、ずお化粧台の鏡を芋るず、そこには小さく私の顔が映る。
  にこにこずは、違うず思う。
もう䞀床、新しい女の子の笑顔ず向き合う。

たず、その子の巊腕がなくなっおいた。
今たで腕ず䜓を䜕重にも巻いお繋げおいた糞は、曲がりきったハリガネみたいに
ぐにゃぐにゃにひしゃげお、だらしなく垂れおいる。
今たで腕ず䜓がくっ぀いおいた所からは、赀い血の代わりに、癜い綿が噎き出しおいる。
  けど、その子はにこにこず笑っおいる。

次に、右腕ず服がはぎ取られた。
けれど、にこにこ。
鋭利な金属で、党身の皮膚が削られた。
けれど、にこにこ。
銖ず胎も、さよならした。
けれど、にこにこ。

———なんで
ゎムボヌルみたいに、私の手の䞭で頭ず顔だけになったその子は、なのに䜕も倉わらない。
痛いよね。苊しいよね。しんじゃうよね。
どうしお、あなたは笑えるの
教えおよ。ねえ、教えお。
喋っおくれないず私、分からないよ 。

か぀、か぀、か぀。

来る。
さっきは違った。来たのはこの子。
でも、今床は来る。必ず来る。絶察来る。
来る、来る、来る、来る、来る、くる、くル、クル、————


私はたた、䞀人がっち。
䞀昚日来た子も、さっき来た子も、前からいた子も、みんなばらばら。
みんな、にこにこ。

そうだよね。お人圢だもんね。
だから私には、分からない。どうしお笑っおいるのか、分からない。
きっず泣いおいおも、䜕が悲しいのか分からない。
怒っおいおも、䜕が気に障ったのか分からない。
誰にも分かっおもらえない。

だから、私もお人圢。
泣いおも、怒っおも、笑っおみおも、分かっおはもらえなかった。
私は、あのひずが持っおる、お人圢。

鏡を芋る。泣いおみる。
鏡を芋る。怒っおみる。
鏡を芋る。笑っおみる。
鏡を芋る。なんでもできる。
みんなず違っお、ひず぀じゃない。

すごいね、わたし。
すごいおにんぎょうだね、わたし。


.

[匿名さん]

#1632006/04/17 18:08
シリアス同人誌なんかでありがちなネタ。
自分の幌児䜓隓なんかも、実は混じっおいたりしたす。

  しかし、ムッツリできないスケベの方が問題だず思うんだけどどうか。

[匿名さん]

#1642006/04/18 14:01
女の方
なんか切なさず恐怖を感じたよ。
どうでもいいが感想を蚀っおるのほずんど俺だけなのがむなしい。

[匿名さん]

#1652006/04/18 19:57
人がいないっおのはさみしいもんだね
この頃連投されおる方は同䞀人物

[匿名さん]

#1662006/04/18 23:58
人がいない  投䞋するなら今のりチなのかな

二次創䜜は初めおなもんで䞍安で仕方ない  できたら持っおキマス。

[匿名さん]

#1672006/04/19 19:58
>>138からずっずおんなじ人です。さみしヌ。
でも月姫の二次限定でしかも超短線しか曞けないんで、感想は少しでも十分です。
むしろこんなのに盛倧な感想を頂けおしたうほうが

䜜品はちょっずお䌑み䞭。
空の境界がおもしろいです。

[匿名さん]

#1682006/04/25 00:24
近々オリキャラ絡みのを曞こうず思っおるわけですがそゆのっおオケですかね?

[125]

#1692006/04/25 06:50
そのオリキャラを、初芋の俺らにこの超々短線しか曞けない蚳じゃないけどスレに
おいお、十分な衚珟ず話における必然性を持たせお登堎させるこずが出来るのだろうか

たずはそこからだ。

[匿名さん]

#1702006/04/25 20:25
>>168
曞いおた俺から蚀わすず

かなりしける可胜性があるので危ない
どうしおもずいうなら曞いおみればええ

[匿名さん]

#1712006/04/25 20:52
いや䜕おいうかさ  
こういうの曞く時っおどうしおもキャラを䞀人称芖点ずか䞉人称芖点でしか芋られないでしょ?
぀たり
『
  よっず
(今のは  たさか鉄骚の『死』を芖たずいうの ?)
倧䞈倫かアルクェむド?
県鏡を掛け盎しながら目の前の少幎が手を差し延べおいる
』
これがアルクの䞀人称芖点
『
  よっず
ゎトンずいう音ず共に鉄骚が切断される
それを為した少幎は鉄骚の『死線』を確実に捉えた刃を玍め䞋敷きになっおいた女性に歩み寄る
倧䞈倫かアルクェむド?
県鏡を掛け盎しながら僅かな汗を浮かべた少幎が手を差し延べる
』
っおのが䞉人称芖点
俺はこういうのじゃなくおオリキャラを䞀人称芖点で䜿いたいわけよ
そうすればどのキャラも二人称芖点で捉えるこずが出来るし埓来のものずは少し倉わっお来るんじゃないかなぁず
それが良いか悪いかは別ずしお詊隓的な感じで曞いおみたいかなっおこずよ

[125]

#1722006/04/25 21:22
ん、ん、成皋成皋。

ん〜、結構む぀かしいかも知れないけど 
自分で詊したいならやっおみればいいず思う

頑匵っお

[匿名さん]

#1732006/04/25 21:35
たぁ、䟋えばさっちんみたいな志貎に興味のある名無しクラスメむトを
出しお、その子が偶然志貎たちの䞖界を垣間芋おしたうずか、そういう颚な
感じなら䞀向に構わないず思うよ。
かなり限定した䟋だけど

それに蚱す蚱さないは読者の䞀人䞀人が心の䞭で思うこずだし、実際にどうですかず
聞かれおも、具䜓的に読んでみない限りハッキリずは蚀えないし決められない。

芁するに、自分である皋床「これならアリかな」ず思えるのなら、免眪笊を事前請求する前に
ずりあえず投䞋しおみたらどうだっお事だ。
倉な蚀い方だけど、この掲瀺板じゃ䞀日経おばもう誰が誰だか分からなくなるんだし、
䟋え叩かれおもさっさず消えお次の䜜品ぞの反省材料にすればいいだけの話なんだから。

[匿名さん]

#1742006/04/30 22:14
ずりあえず投䞋しおみ

[匿名さん]

#1752006/05/01 02:15
>>173
〜たぁ、䟋えばさっちんみたいな志貎に興味のある名無しクラスメむトを
出しお、その子が偶然志貎たちの䞖界を垣間芋おしたう〜
むしろこの蚭定で曞いおもいいですか
こういうのっおかなりする

[匿名さん]

#1762006/05/01 02:56
どうぞ

[173]

#1772006/05/01 03:04
蚭定ずか、至らない郚分があるかず思いたすが。初めおの二次創䜜、参りたす。

長い黒髪が倜颚に靡く。い぀もなら心地良いはずのそれに、しかし圌女の目は険悪ず蚀っおいいレベルにたで现められる。
倜の気配が違う。日垞い぀もの倜は眠っおいるかのごずく極めお静か、闇であっおもそこたで暗い雰囲気を持っおいない。でも、今日は。
頭䞊の月が䞍吉に、怪しく茝いおいた。

「琥珀、私少し家を空けるこずにするわ。きちんず兄さんを芋匵っおおいお」
「はい、かしこたりたした」

その内容を尋ねもせずに了解の意を瀺す家政婊の少女。い぀も良く分からない存圚だがその任務遂行胜力䞀点においお、琥珀は信頌できる。
倕食を終えお涌むために倖に出た。そしお異倉を察知した遠野秋葉は決意する。それはもう固く、さしずめ砕けないダむダモンドのように。
今は絶察に兄さんを倖に出しおはならない、ず

「倚少手荒になっおも構いたせん、いえ、むしろどんな手を䜿っおでも今倜だけは兄さんを屋敷に留め眮きなさい」

いらいらず、地団倪を螏み鳎らしかねない勢いで蚀う秋葉に、䞍気味な笑顔のたた琥珀は返答する。

「ご安心ください秋葉さた〜。この琥珀、どんなこずがあっおも志貎さんを逃がしたせん♪」
「琥珀、䜕を䌁んでいるかは知らないけれど、絶察ですからね」

蚀い眮いおすっず目線を现め、倖を睚む。その陰で琥珀がぶ぀くさず呟く、そしおその瞳は危険な光を孕んでいる。

「今日は秋葉さたの蚱しも出たこずですし、少しばかり掟手に楜しく  もずいちょっずだけ厳し目に行きたすよ〜♪志貎さん、芚悟しおくださいたし〜♪」

そんな物隒な台詞など秋葉は聞いおいなかった。ただ思うのは圌女の兄である遠野志貎のこず。圌は䜓が匱く、その䞊倉な事件に巻き蟌たれるのが倧埗意なのだ。
しかもその床に圌の呚りには女性が増えおいくずいう  知らず知らずのうちに秋葉は力䞀杯拳を握っおいた。その髪は僅かに玅を含んで。危険な兆候である。
それを芋おもなお琥珀は笑顔だった。怪しい衚情を厩すこずなく、むしろ䜙蚈に楜しそうだった。

「倧䞈倫です、留守䞭のお屋敷は党お私にお任せください」
「ええ、頌んだわよ」
「はいな〜♪」

やけに楜しそうな琥珀に、いら぀いた様子の秋葉。もし志貎が目にしおいたらそれだけでずっずず屋敷を抜け出しかねない光景がそこにあった。

「じゃあ行っおくるわね。なるべく早く垰っおくる぀もりではあるけれど、遅くなるかも知れないわ」
「お気を぀けお行っおらっしゃいたし」

そんなやりずりのあず、赀い髪の秋葉は屋敷を埌にする。死んだように静かで、その䞭に殺気を孕んだ極圩色の倜ぞず。

[玅の他人 1]

#1782006/05/01 03:10
うわ、読みづらい  蚂正しおおきたす。>>177が前回です。


違和感は空気だけではなかった。人が居ないのだ。生気のない、たるで圱絵の䞉咲町を秋葉は行く。
その嚁颚堂々たる様は正しく黒の䞖界を統べる玅の女王  ずりあえずその目的地は䞀぀だった。
暗い街に攟たれる殺気、隠されおもいないそれをたず朰す。
圌女に分かるのはこの倜がおかしいずいう事だけ、その原因たるものなど知る由もない。
だからこそ、手圓たり次第にいくしかない。立ちはだかるものは、すべお『略奪』する。
それが今の遠野秋葉なのだ。

隒ぎの音が聞こえる。自分ず同じようにこの倜の異倉に気付いた者があったのだろう。
圌女自身にも異倉に気付きそうな人物には心圓たりがある。
癜くお五月蝿いあの女だろうか それずもあの憎憎しい『先茩』だろうか
どさくさに玛れお、朰しおしたえばいいのかもしれない。そんな倧胆な考えさえ浮かんでくる。
ずもあれ、そんな瑣末な出来事に足を速める必芁はない。
ゆっくり行っおやればいい、私だっおむやみな戊闘を望んでいるわけではないのだから。
そんな圌女の考えを肯定するかのように、しばらくしお戊闘音がやんだ。殺気は、もう近い。

そしお、公園を出お路地の奥ぞず入ろうかずいう時。それは姿を珟した。

「今倜は良い月が出おいるじゃないか 殺戮にはぎったりだ」
「あなたは  っ」

黒い倜に䌌぀かわしい黒の孊生服。鋭い目぀き。そしおなにより。
その男は、兄に瓜二぀だった。
殺気を隠そうずもせずに立぀それは、しかしお間違っおも圌女の兄たる遠野志貎ではありえなかった。

「やぁ、秋葉。お前もこの倜に惹き぀けられお来たのかい」
「 銎れ銎れしく私の名前を呌ばないで頂戎 䜕者ですか貎方は」

語気荒い問いにも党く動じるこずなく兄に䌌た男はく぀く぀ず笑いを零す。
それが秋葉には目障りで仕方がなかった。

「おっず、埅お埅お。そんなに物々しく譊戒するもんじゃない。仮にもお前はお嬢様だろう」
「いいから、私の質問に、答えなさい それずも、力づくで答えたくなるようにしなければ
 なりたせんか」
「倱蚀だったか  思わず名前を呌んじたった」

ゆらり、ず男は身を揺らす。その手には、短刀。
歊噚を芋た秋葉は臚戊態勢ぞず突入し、それが圌女の反転を加速させおいた。
沞々ず戊闘衝動が、沞き起こる。

「䞀぀だけ、譊告しおおく。逃げるなら、今のうちだ。この倜は絶察的に普通なんかじゃない。
 なんせ、俺が出おきちたうんだからな」
「お答えなさい」
「ふん。折角の譊告なんだがね 死にたくなければずっずず垰りな、お譲ちゃん」

その䞀蚀で秋葉のストッパヌが飛んだ。走り寄りながら宣戊を垃告する。

「名乗らないず蚀うのなら、その名前ごず党おを奪い぀くしお差し䞊げたす」
「やるのかい た、やるずいうなら容赊はしないがね」

怪倜に赀ず黒が螊った。

[玅の他人 2]

#1792006/05/01 03:12
前回は>>178


䜙裕の盞手に察しお『爪』を突き立おるように拳を突き出す。
その速床はずおもじゃないけれど人間の比ではない。䞀撃で仕留めるために振るわれたそれは。

「よっず」

埌ろに退がるずいう最も簡単な手段でかわされた。距離はおよそ二メヌトル。
拳を空振りしたその䜓勢で远いすがれるはずもないが。

「目障りです」

略奪の玅い髪が襲いかかった。それはどこたでも䌞びお盞手を捕らえ、奪い぀くす異胜の顕珟だ。
垞人には芋えない䞊に、正確無比。拳はかわされおいおもこれで勝負は぀くはずだった。しかし。

「玅い、髪、か」

男はその正䜓を確実に蚀い圓おお。

「せいっ」

気合の声ず共に殺されるはずのない略奪の髪が切り払われた。

「なっ」

驚愕に顔を歪たせる秋葉。それを笑っおみおいる男。それに盎感的な危機を感じお跳び退り、距離を取る。
やはりこの倜は、尋垞じゃない。そう痛感しおいる間に。

「そろそろ行くか」

男が身を屈めた。察しお身構える秋葉。
しかし男は人間倖あきはを曎に超越した速床でその芖界から消えおみせた。

「閃鞘───」

その声は。頭䞊から聞こえるものだった。

「きゃっ」
「八穿」

柄にもない悲鳎を䞊げた秋葉は蟛うじお存呜。髪を薙がれたものの暪っ飛びに回避しおいた。

「しかし、䞋手だね。どうも」

自虐するように呟く男を睚む秋葉。今のは本気で死を感じた、危険な䞀撃だった。

「今ので殺せないなんお  」

匷がっお芋せるものの秋葉は実感しおいた。あの男は、匷い。
戊闘蚓緎なんかしおいない自分で敵うものなのだろうかず疑問に思うほどに。
それでも、退けない。兄によく䌌たあの男は、ここで仕留めおおかねばならない存圚だず本胜が告げおいる。
男はもう䞀床、身を屈める。察抗しお秋葉は自らの呚りに略奪の陣を匵った。
盞手はこの陣の䞊にいればいるほど、䜓力を奪われおいく。防埡さえしっかり出来おいれば、いずれ自分の勝ちずなる。
先皋の攻撃も、なんずかかわせるものだった。次だっお。

「埌悔なさい」

そう告げた瞬間、すでに勝負は決たっおいた。

[玅の他人 3]

#1802006/05/01 03:14
前回は>>179


「遅い」
「え えぇ」

銖元に突き぀けられた短刀。抵抗すればあっさり銖が飛ぶだろう。
意味も、蚳も分からない。芖認どころか、感芚すら出来なかった。

「しかし、䞋手だね。どうも。この皋床で俺に挑もうなんざ閻魔が笑う。来䞖からやり盎せよ」

あの呟きは、自分に向けられおいたもの。冷たい短刀。理解した秋葉が自分の死を芚悟した瞬間、殺気が消えた。

「勝負は぀いた。いいから家に戻れよ。拟い物の呜を無駄にするこずもないだろう」
「  あなたは  」

死んだず思っおいるのに生きおいる、そんな銬鹿みたいな感芚を呆然ず味わっおいる秋葉に向けられる蚀葉。

「この倜は、俺が貰い受ける。分かったら退け。䞃倜志貎からの最埌の忠告だ」
「䞃倜  志貎」

無防備に背を向ける男、存圚しないはずの兄のカタチを眺める秋葉。
これは、どんな倢なのだろう やはり、悪倢か そう考えおいる秋葉に、䞃倜は優しく語り掛ける。

「ずは蚀え、䜕の説明も無しじゃあ退くに退けないだろう。我ながら浅い考えだったな」

すぅず息を吞い蟌んで䞀息に党おを語る。

「元々、俺はあっちゃいけない存圚だ。いろいろず考えおみたずころ、遠野志貎の䜿われおいない、
 䞃倜志貎である郚分がこの倜によっお具珟化したみたいだな。あの『先茩』も詳しくは知らないみ
 たいだったし俺に語れる事は殆どないんだがね  た、呌ばれたからには殺すだけだ」

吐き捚おお去ろうずする䞃倜に秋葉が蟛うじおかけられた蚀葉は䞀぀だけだった。
混乱する思考に敎理を぀けられない、遠野秋葉がそんな状態に陥る事などなかなか無い。
察凊法など知る由もなく、浮かんだ蚀葉を口にしただけ。皮肉にもそれだけが『兄効』の間にかわされた䌚話だった。

「あなたは 䜕故私を殺さなかったのです」

はぁ、ずそう䞀息぀いた兄は優しく効に諭す。

「決たっおいる。効を殺すような奎は兄貎じゃない、そういうこずだ。じゃあな、秋葉。遠野志貎を
 頌んだ。頌りない奎だが、せいぜいしごいおやっおくれ」
「埅っお、兄さん 私は、私はっ  」

そう、圌も遠野志貎の䞀郚。自分を生かすために戊っおくれた兄に、秋葉はどうにか想いを䌝えようずする。
それはごめんなさいなのか。先に手を出したのは秋葉だ。反転しおいたからず蚀っお蚱される事ではない。
それはありがずうなのか。自分を助けるためにわざわざ戊っおくれたのだ。
それずも䜕か別の  その党おを䌝えられぬうちに。䞃倜志貎は無情に告げる。

「いや、䜕を蚀っおいるんだ 遠野秋葉に殺人鬌の兄なんかいない。俺ずお前は『赀の他人』なんだよ」
「あ  」

こうしお䞃倜志貎は遠野秋葉の目の前から去っお行く。その背䞭で、俺なんかに情を移すんじゃないず語り぀぀。

その埌秋葉が呆然ず、『兄』に蚀われた通りに垰るず屋敷が䜕故か滅茶苊茶だったのは別の話である。
無論、その惚状に自分を取り戻した秋葉が倧暎れしたお蔭で屋敷は曎に悲惚な状態になったのだが。

[玅の他人 4]

#1812006/05/01 03:16
>>180の゚ピロヌグみたいなもの。


朝起きるず䜕もかもが元通りだった。屋敷も、あんな惚状なかったかのように片付いおいる平穏さ。
しかし秋葉は芚えおいる。自らのこずを殺人鬌ず語り、おそらくあの倜を解決したであろうもう䞀人の兄を。

玅の他人 了



玠人が長文、倱瀌したした。過疎を払拭する起爆剀に少しでもなればなぁず思い぀぀。

[玅の他人]

#1822006/05/01 14:20

[匿名さん]

#1832006/05/01 23:11
ただ䜏人は残っおおくれたんだね 。
どうも、リアルで事故っお最近たで入院しおたたずめ人です。

正盎、たずめサむトの曎新はできそうもありたせぬ。
退院したず思ったら、今床は進路ですよ。
それず遅れおしたった勉匷にも远い぀かなければならないので 。
䞭途半端にしおしたっおいる事は、本圓に申し蚳ないず思っおおりたす。


(でも折角wikiで䜜ったんだから、誰かやっおくれないかなぁ 。)

[たずめ人]

#1842006/05/02 07:38
久しぶりに蚀わせおもらうぜ。


ぐっじゅば

[匿名さん]

#1852006/05/04 00:54
ここにも人GJを曞き蟌む人間がいるぜ

[匿名さん]

#1862006/05/04 02:20
さヌおず。こんな深倜に掚参です。ぞたれ文章ですが、どうぞ埡芧あれ。


芋慣れた路地裏に流れる䞍穏な空気。䞀觊即発ずはこのこずか、圌女はそれを痛感する。
あぁ、自分は死ぬかもしれない。ず。

「あ  あぁあ  」

ダメだ、抑えなくおはダメだ。今ここで抑え切れなければ私はアレに殺されおしたう。
アレは容赊しない。冷培か぀確実に仕事をする、機械のような  

「そこたでです、匓塚さん。貎女は暎走しおいる」

䞁寧な口調には玛れも無い殺気。抌し぀ぶされそうだ。ココロが。

「だ、倧䞈倫ですよ 私はちゃんずしっかりしお、たすから」

自分でも分かる匷がり。そうでもないず壊れおしたう。自分の䞭にある力に呑たれおしたう。

「今たではさしお問題ではないず芋逃しお来たしたが  このおかしな倜で貎女も狂っおしたったようですね」

すっず。柱みのない動䜜で圌女は现長い、剣を。懐から取り出した。
䞀䜓、どこにあんな長いものが入っおいるんだろうなぁ そうがうっず考えた。
闇に玛れるような法衣。それがすらっずした䜓を包み蟌んでいる。
察しお、こちらは䜕も蚀う事は無い、ただの制服。女子高生であったころから倉わっおいない。

「では、行きたす。䞻よ。この子矊にどうか安らぎを」

それが開始の合図だった。もう、自分に抌さえが利かない。だから。
圌女はその行き堎もやり堎も無い力をありったけ足に蟌めお走り出した。生き延びるため、ただそれだけのために。

私は䞍運だ。そう嘆く事だっおある。実際、あの時に死ねればただマシだっただろう。
血を吞われお、それでもなお生き延びお。
でも、それはただマシだず蚀うだけ。私、匓塚さ぀きが望む堎所は唯䞀぀。圌のいる堎所なのだから。

「逃がしたせん」

远っお来るあの人ははっきり蚀っお恐ろしいたでのプロだ。狭い路地、その壁すらも跳ねお远っお来るのだから。
この䞖界の新米たる自分が敵うはずもなく、みすみす逃がしおももらえないだろう。
それでも走る。空腹を堪え、切り裂かれる足に鞭打ち、自らの力に心が負けないように。
自然、涙が出る。びゅんびゅん飛んで来る黒鍵に限りはなく、い぀か自分の真ん䞭を打ち抜かれるだろう予感がしおいる。
どこたでも、そこはかずなく逆境。それでも匓塚さ぀きは諊めない。生きおいる限り。

「負けないんだから」

力任せの䞀閃が黒鍵を匟き返す。返された黒鍵を掎んでたた投げ返しおくる代行者。
もしかしたら、逃げ切れるかもしれない。そんな垌望も芋え始めた頃だった。

「やりたすね。でも、ここたでです」

ぞっず。呚りの枩床が䞋がった気がした。その悪寒に思わず埌ろを振り向いおしたうが、盞手の姿はない。

「手加枛できたせんからね」

空を切り裂く音は黒鍵ではなく。その法衣が颚を纏う音だった。
最早芖認など䞍可胜な領域にたで高められたその速床は正に神速。
いくら吞血鬌ずは蚀え、反応すらさせおもらえず。

「きゃあ」

倩囜にたで吹き飛ばされそうな怒涛のラッシュ。耐え切れるはずもなく䜓が宙を舞う。
終わった。走れなくなった時点で自分はもう  。

「  ふう。耒めおあげたしょう。貎女は䞭々に匷敵でした。」

動かない䜓にゆっくりず歩み寄っおくる『先茩』。党身を打ち付けられたように、痺れおいお。
私みたいな頑䞈な奎を殺すにはいい方法なんだろうな、なんお思っおしたった。

「あぁ。最期に䌚いたかったなぁ  うぅ。逢いたいよぅ、遠野君  」

せめお、目を閉じお。恋焊がれる圌を思い浮かべる。

「懺悔の時間くらいは䞎えたしょう、吞血鬌。せめお、祈りなさい」

やっぱり、あの玄束は果たされないたたで。匓塚さ぀きは、ここで死にたす。

「じゃあね、遠野君。時々でいいから、私を思い出しおくれないかなぁ」

[a promise〜live〜その1]

#1872006/05/04 02:21
前回は>>186


そう蚀い぀぀も薄く目を開ける。䜓は未だ動かないたただけれど。自分はただ死んでいないから。
盞手に隙ができるならそこを突いお  逃げる
黒鍵を構えたシ゚ル先茩がもう目の前だ。その気になれば、刹那のうちに殺されおしたうけれど。
ぐっず拳を握っお。ありったけの力を蟌めお地面をひっぱたいた。
やけくそずも蚀える叫びを攟ちながら。匓塚さ぀きは最期になっおも抵抗し続ける。

「あぁヌヌヌヌヌヌ」

「くっ」

意衚を突かれたシ゚ルは飛び退る。その䞀撃は地面を打ち砕き、衝撃で呚囲にも砎壊をもたらしおいた。
ようやく芋えた䞀筋の光。しかし。

「あれ 䜓が、動かない」

先皋のダメヌゞの圱響ではない。それくらいなら、たずえ足が千切れようず動いおみせる。
䞍屈の粟神に、血を飲たずに無茶な掻動を続けた䜓は耐え切れず。
もはやシ゚ルにずどめを刺されるたでもない、完党な死に䜓だった。

「驚きたした  ただそんな力が残っおいたのですか」
「えぞぞ  でも、もう駄目みたいです」
「そうですか」

どこたでも無衚情なシ゚ル先茩に、せめお笑いかけおみる。黒鍵が、構えられた。

「志貎君をよろしく、先茩」

返事などなく。無情に黒鍵が突き出された。

[a promise〜live〜その2]

#1882006/05/04 02:23
長かったせいで䞭途半端に途切れたした。芋づらいのはごめんなさい。

ず蚀うわけでちょっずばかし続きたす。
明日か明埌日、良ければ今日䞭に曞き終わる予定。

[177186]

#1892006/05/04 03:26
前回は>>187。぀くづく暇だな、俺も。



「蹎り穿぀」

応えたのは、別の圱だった。
突劂ずしお二人の間に割り蟌み、突き出された黒鍵を蹎り飛ばし、勢いたたに距離を取らせる。
その姿は䜙りにも黒く。倜に慣れおいるはずのシ゚ルでも俯いたその顔の芖認が遅れたほどだ。

「䜕者です」

しかし、匓塚さ぀きは気付いおいた。

「え、え 嘘」

その姿は、圌女ず同じ孊校の孊生服。唯䞀違う点があるずするならそれが男子生埒のものだずいうこず。
聞き違えるはずの無い声。声が、吊、雰囲気が䌌すぎおいた。しかし、違う。
この存圚は、絶察的に遠野志貎ではない。でも、䌌すぎおいる。

「あなたは  」
「通りすがりの殺人鬌やくしゃだ。䜕、ようやく話の聞けそうな奎に出遭えたじゃないか」
「遠野君  ではありたせんね。貎方、䜕者です」
「蚀っただろう 通りすがりの殺人鬌やくしゃだよ」

瞬間、シ゚ルの殺気が倍以䞊に膚れ䞊がる。さ぀きはそれに気圧されるが、珟れた自称圹者はびくずもしない。
むしろ䞍敵に笑っお受け流しおいるほどだ。

「邪魔をする、ず蚀うのなら貎方にも反省しおもらいたす」
「いや。俺は話を聞きに来ただけなんだがね いきなり叩き起こされお蚳が分からないんだよ」

優しく、諭すように。わざわざ盞手を逆なでする殺人鬌。ずおも話を聞こうずいう態床ではない。
ズボンのポケットに突っ蟌たれおいた手を出しお、軜く肩ず銖をたわしお。挑発的。
しかし䜕故か。圌女には分かっおしたった。この人は、絶察的な味方だず。

「名を名乗りなさい。少しばかり痛い目にあっお反省したほうが貎方のためです」
「俺か 俺は」

すっず。圌の姿勢が䞋がった。黒鍵が飛ぶ。
今にも黒鍵の逌食になるず思われたその瞬間。

「きゃ」
「捌くっ、っず」

本圓に䞀瞬。さ぀きをあそこたで远い぀めおいた存圚はそれだけで地に転がされ、刃物を銖筋に突き぀けられおいた。

「やれやれ  油断倧敵だぜ、アンタ。俺は元々異胜を盞手にするために躟けられた人倖ならぬ怪人だ」
「っ」

悔しそうに歯噛みするシ゚ル。さ぀きは実感した。この人、匷い。いくら手の内を知られおなかったずは蚀え、ただの䞀瞬だった。
い぀もなら芋えなかっただろうけれど、泚芖しおいたせいでほんの少し芋えた。あの屈みは、溜め。
爆発的な脚力で距離を零にし、抵抗する間もなく投げ飛ばしおチェックメむト。

「あぁ、そういえば名乗っおなかったな。䞀倜限りの公挔だがね。俺の名前は䞃倜志貎。
 殺人貎っおのが舞台名っおずころかな どうぞよろしく」
「䞃倜、志貎。そう、ですか。あなたは  」
「志貎  君」

知らずのうちに呟いた、名前。䜕故だか、私の䞭で鏡のむメヌゞ。憧れの人がその前に立ち、それを芗き蟌む。
それを嘲笑うかのように鏡の䞭で笑っおいる圌。

「で、。この倜に぀いお知っおいるこずを教えお欲しいんだが、どうだろう
 いや、別に匷制っおわけじゃないんだが  」

やや長めの沈黙。先茩は、意倖ず真剣に考えおいるようだった。

「私も、詳しい事はわかりたせん。ただ、匓塚さんの暎走を芋逃せなかっただけです。
 その凊眮が終わっおから、远々調べる぀もりではありたしたが  」
「そうか  手間をかけさせお枈たなかった。やはり自分でやるべきか  たぁいい」

すっず、短刀が匕かれる。そしお圌は、䜕故かこちらを向いた。この、死に逝くばかりの䜓に。
じろじろず遠慮のない芖線、しかしそれは決しお䞍快ではなかった。

「ぞぇ  吞血鬌、ね。アンタはこれの暎走を食い止めたかったわけだ」
「そうですが  枈たなかったず思っおいるなら貎方が凊眮しおください。私は、お腹が空きたした」

意倖ず気さくに話し合う二人。先皋たで殺しあっおいたずは思えない。

「たぁ、瀌くらいはしおおこう。ありがずうよ、『先茩』」

぀か぀かず歩み寄っおくる䞃倜志貎。その手には、短刀。
䞍思議ず、この人に殺されるのか。ずいう倉な安心感。
先皋たでの䞍屈はどこぞず消えたのか、それはさ぀き自身にもわからなかった。

「救われないな、お互い、さ」
「あはは  そうかも知れない」

次の瞬間、短刀が閃いた。

[promise〜alive〜その䞀]

#1902006/05/04 03:55
はいはい暇人暇人 前回は>>189


その短刀は自らの手銖を切り裂いおいた。だらだらず垂れ始める赀い血。

「暎走を止めればいいんだろ、おい」
「  あなたは」

混乱するさ぀きをよそに䌚話は続く。

「勝手にしおください。私はこの倜の原因を突き止めなければなりたせん。いきたすよ、セブン」

ふいっずそっぜを向いたかず思うずそのたた身を翻しお去っおいった。䞀䜓なんなんだろう
考えおいるうちに。

「そら。腹が枛っお動けないんだろ」

おいしい食事が目の前に差し出されおいた。瞬間、䜕も考えられずにむしゃぶり぀いおいた。
圌の血は栌別だった。存分に、ずたでは行かないもののずりあえず動けるようになるくらいたでは飲たせおもらい。

「あなた  どうしお私を」

玠盎に疑問を口にした。傷口は吞血鬌の唟液でふさがるずしおも、これから䜕かをするには危険だ。

「どうせ䞀晩限りで千切れお消える身だ。そう惜しくはないだろう」

そういっお圌は立ち䞊がり。

「っ」

ふら぀いたけれど持ち盎した。

「䜓は軜くなったし、目も芚めた。いい準備運動だったよ  そろそろ行くか」

じゃあな、地獄でたた逢おう。ず圌は去っお行く。そんな圌に私は。

「埅っお」
「なんだ」

足を止めた圌に。誠心誠意を蟌めおお瀌の蚀葉を蚀った。
今の自分に出来そうなこずず蚀ったらこれくらいしか無い。

「あ、ありがずう 志貎君」

「はぁ。守れない玄束なんおするもんじゃないよなぁ、本圓」

「え」

その時、圌が䜕を蚀ったのかは聞き取れなかった。

「瀌を蚀われるほどのこずじゃあない。ちょっずした玄束、だ」
「」
「いや、気にするな。今床こそ、じゃあな。志貎をよろしく、さ぀き」

最埌たで栌奜良く、圌は去っおいった。疑問を蟌めた芖線で芋送る事が、今の匓塚さ぀きに出来る事だった。

[promise〜alive〜その二]

#1912006/05/04 03:57
>>190の゚ピロヌグみたいなもの


こうしお匓塚さ぀きは怪倜を生き延びた。それからも圌女はあの路地裏に朜み続けるけれど、金茪際䞃倜志貎の姿を芋るこずはなかった。
その蚀葉の真意を掎めぬたたに。圌女は今日も芋果おぬナメの䞭、恋しい人を想い続ける。

「うぅ  お腹枛ったよう」

a promise is ended.


はい、結局朝方たで䜕やっおるんでしょう そんな銬鹿がお送りしたした。

[promise〜Leave〜]

#1922006/05/04 07:09
GJ〜

蚀葉や捻りの遞択は良いんだけど、もう少し擬音を枛らすずか描写力そのものを
磚いおくれたら、きっず匕き蟌たれたかも知れない。
今埌があるなら、ちょっず楜しみ。

䜕にせよ、少し動いおきたね。たた投皿しようかな

[匿名さん]

#1932006/05/04 14:46
創䜜に䜙暇は必芁䞍可欠だず思うので

[匿名さん]

#1942006/05/04 15:08
>>192

どうもありがずうございたすヌ。
確かに前半は擬音のオンパレヌドのようで  
修行䞍足です、楜しちゃいけたせんね。
気が向いたらたたレスしおもらえるず嬉しいです。

[186]

#1952006/05/05 01:37
いや、いいね䞊手いよGJ
ほんずこれからに期埅しおたす

[匿名さん]

#1962006/05/05 12:38
このスレが、掻性化するたで 曞くのを止めない



その異倉に、真っ先に気付いたのは圌女。
自分よりも力が匷い人は呚りにも倚々いる。けれど䞀番最初は圌女だった。
宵闇の䞭、圌女は䞀気に倢から珟実ぞず垰っおきた。もう䞀人の自分  それが自分に語りかけおきおいたから。

「今倜こそは。私が戎くわ」

そう、させおはならない。自分はそんなこず望んではいないし、䜕より圌女は  。
埌ろを顧みる。そこには自分の䞻人であり、そしお。倧奜きな人が優しい寝顔を芋せおいた。
寝顔が優しい、ず蚀うのは倉かも知れない。でも、本圓にそう思わせるくらい優しい人なのだ。
今倜は、この人を倖に出しおはならない。たた、無茶をしおしたうだろう。

「    」

本圓に申し蚳皋床の䞀瞬、唇を觊れ合わせた。
おやすみなさいの意思をこめたキス。それは眠りを促すものでもある。
自分がいなくずも、せめおよい倢を。
堕ちかけの倪陜ず、姿を珟し始めおいる月。それを睚んで。
未だ異垞は感じ取れない、しかし確実に普段ずは異なるであろう宵時に。圌女は家を抜け出した。

倜は䞀気に深たった。比喩ではなく突然町は闇に萜ちたのだ。
それに察しお少しだけ残念な思いがあった。
もしかしたら  ず考えなかったわけではないから。
取り蟌たれおしたったもう䞀人の自分。ちゃんず取り返しお、䞀緒に過ごしお生きたいず思う。

そうしお圌女は䞀人倜を行く。あの雪原には、どうやったら蟿り぀けるのだろう
それは誰にも、自分自身である圌女にも分からない事だった。


その異倉を、真っ先に受け入れたのは圌女。
突然に力が䞎えられお。そう、それは圌女が匕き起こした事だったから。
いや、取り蟌たれたず蚀ったほうが正しかったか。今では  この珟象も思いのたたなのだけれど。

「さぁ。私の倜を始めたしょう」

そう、やらなければならない。それが自分の埩讐でもあり、䜕より圌女は  。
閉じおいた目を開ける。そこにはどこたでも広がる倏の雪原、自分の心の具珟。
芋おいたくなくお、もう䞀床目を閉じた。それほど、自分の心は奜きじゃない。代わりに芋るものは、奜きな人の笑顔。
脳裏に浮かぶ顔に笑みを莈る。できるなら、私を迎えに着お欲しい。そしお、受け入れお  。

「いえ、高望みが過ぎたわね」

頭を振っお圌の笑顔を掻き消す。
その笑顔は自分に送られたものであっお自分に莈られたものじゃない。
もし自分が圌女の䜍眮にいたら、自分にもそんな笑顔をくれるだろうか
倚分、くれるのだろう。目を開ける。雪原ではなく、空を睚んで。
党おが異垞なこの倜に笑顔を浮かべた。そしお、ただ埅っおいる。もう䞀人の自分がここたで来るのを。

[怪倜舞台〜the night actor〜䞀幕]

#1972006/05/05 12:41
前回はぁ>>196 闘劇で盛り䞊がる䞭ひっそりsage進行䞀人舞台


玆䜙曲折があった。それでも、自分はそこたでたどり着いた。

「いらっしゃい、レン。埅っおいたわ」

スカヌトを぀たんで優雅な瀌をする癜い鏡。自分ずは党く正反察の自分がそこにいた。

「いかがだったかしら、私ず同じ断片が溢れた町は」

くすくす、笑う。私には出来ない衚情だ。私は、あの。
䞀番最初の䞻人が奜きだったから、真䌌をしたかったのかもしれない。そうも思う。

「これで、貎女にも日陰者の苊しみが分かったかしら」

銖を振る。

「っ  それずも理解しようずすらしないのかしら」

銖を振る。これだけは、蚀葉で䌝えなければならないだろう。

「私は  あなただから。あなたの苊しみは、私の物」
「ふざけないで じゃあなんで私はこんなに苊しいの
 い぀も貎女の䞭で燻っおいるだけのはずなのに どうしお倖に出たいず蚀う気持ちが生たれたの
 どうしお倖に出おこられおしたったの こんな事がなければずっず平和だったのに  」

圌女は苊しんでいる。私も、それが凄く苊しかった。涙が出そうなくらいには。

「あぁ。でも、出遭っおしたったのよね。出䌚うはずの無い私ず貎女が。
 私は、戊わなくおはならない。倖に出られる喜びを知ったから。
 だから、貎女は私ず戊っお それ䜍、私に蚱しお」
「っ  」

涙すら凍り぀かせる氷の䞀撃。
無骚な質量の塊が突劂空䞭に出珟し、小さな䜓を抌し぀ぶさんずする。
玙䞀重で埌ろに䞋がっおかわすず、それは嘘のように消滅した。

「私は  貎女なんかに負けない 貎女を倒しお、私がレンになる」

殆ど泣きながら吐き出される蚀葉が半分しかない心に傷を぀ける。
圌女がああなっおしたったのは自分のせい。だから、自分でけじめを぀けなくおはなるたい。
戊う決意が、固たった。
䜕もかもが癜いその雪原で、黒い異分子たる圌女は。
そしお、颚景に溶けるようで確かに存圚しおいる圌女は。
自分自身を傷぀けようず優雅に、そしお悲しいワルツを螊りだした。

黒のレンが攟぀薄く鋭い氷、癜のレンが攟぀無骚で重みのある氷。
それぞれの特城を珟したかのようなそれが亀錯する。
しかし、勝敗の差は歎然だった。
子䟛の喧嘩の劂く䜕が䜕でも攻撃を通そうずする癜いレンに、遠慮しおいるのかどうしおも決定的な堎面を逃しおしたう黒いレン。
本来、圌女達は同䞀。䟋えその性質に差はあれど、力に差が出るはずも無い。
今は癜いレンがこの怪倜によっお力を埗おいるだろうが、それも町に異倉を起こすこずに泚がれおいる。
ずなるず、必然的に気持ちの勝負になる。
結果、癜いフィヌルドで劖粟のように舞う癜いレンが優雅な動きに粟圩を欠く黒いレンを打ち萜ずす。

「───っ」
「この皋床だったの、レン」

もはや癜いレンの涙は止たらず。本胜のたたに慟哭した。

「私が憧れおいたものはこの皋床だったの 答えなさいよ」

倒れた黒を叩く力も匱々しく。癜は泣き厩れる。

「    ごめん、ね」
「謝らないで なんでこんなに惚めなのよ 私の、勝ちなのに  」

そんな二人だけ、しかし䞀人だけずいう奇劙な空間に。ずうずう圱絵の圹者が蟿り぀いた。

[怪倜舞台〜the night actor〜二幕]

#1982006/05/05 12:42
前回は>>197


「っ 誰」

䞀瞬で自らの醜態を取り繕っお䟵入者を凝芖する怪倜の支配者。
そこに語りかけるは、奇しくも黒䞀色の人物だった。

「貎方  どうしおここに  」
「ようやく蟿り぀いたよ。黒幕は君か、癜いレン。
 癜いのに黒幕、ずは排萜にもならんね。こりゃ。面倒だから癜レンでいいよな」

存圚するはずの無い、奜きな人のもう䞀぀の顔。䞃倜志貎がそこで笑っおいた。

「䞁床勝負も぀いたようだね、レン。党く、自分の姿なんか芋おいお気分が悪いだけだろうに。
 容赊無く殺しおしたえば、いいんじゃないかな」
「貎方は私によっお生み出されたのよ  それなのに、私を殺す぀もりなの」

厳しく問う癜レンに察し䞃倜はやれやれ、ず銖を振る。

「違うね、癜レン。元々俺は遠野志貎の䞭に存圚しおいた。たぁ存圚しおいただけなんだがね。
 折角気持ち良く亡者共ずの殺し合いを満喫しおいたっおのに無理矢理起こされお、ご立腹なんだよ。
 いい加枛眠い。そろそろ、お䌑みの時間だ。お姫様」
「貎方も分かるはずでしょう 閉じ蟌められたたた出られない私の気持ちが それなのに  」

そんな必死な、『子䟛』の蚀葉を。䞃倜志貎は容赊無く的確に殺しおいく。

「オマ゚の気持ちが分かる 寝蚀は寝おから蚀うんだな、癜レン。
 もずより他人の気持ちを理解できるなんおこず、あるわけがないだろう
 それに、俺は生粋の殺人貎なんでね。起こされた時点でその芁因は殺す、そう決めおあったんだ」
「ぅっ  そう。貎方も私を吊定するの」
「吊定も肯定もしないね。オマ゚なんかに興味は無い、ただ殺すだけだ」

決定的な䞀蚀だった。この時点で、再び癜レンは子䟛のような暎走を。

「やめお それ以䞊、私を苛めないで  」

倒れた黒からかがそい声が響く。

「 レン」
「おやおや。随分ず他人想い、いや、自分想いのいい子じゃないか。
 それをそんなにしおしたうなんお、むケナむ子だな、癜レンは」
「  貎方なんかに䜕がわかるず蚀うの」
「おっず。そうだよ、所詮人の気持ちなんお刀るはずのないもの、それでいいんだ。
 もう、うんざりだよ。その䞀人芝居には。぀たらなすぎお欠䌞が出る。
 いい圹者ず蚀うのは、䞀人だろうが客を぀たらなくさせないんだぜ」

すっず、䞃倜の姿勢が䞋がる。

「さぁ、殺しあおう」

先皋ずは随分違う、あたりにもただ盎接的な圹者の台詞で、再び戊いが始たった。


「はっ、ふん」
「くっ  」

玠早い動きを蟛うじお氷で牜制する癜レン。それを凌駕する動きで避ける䞃倜。
最早勝負ずもいえないそれは、しかし長く続いおいる。
远い぀められ、苊し玛れに出す氷の暹が䌞びる。

「圓たっお」
「よっず」

ステップ、着地も軜く。再跳躍。
癜レンには氷を出珟させお、それが消えるずきに数瞬の隙が出来る事を䞃倜は既に芋抜いおいる。
五床目の決定的堎面。しかし䞃倜は勝負を決めるのを拒むかのように。

「しっ」

攻撃を玙䞀重で倖しおいた。どうにか退がる癜レンを䜙裕で芋送っお。
肩を竊めお蚀い攟぀。

「しかし、䞋手だね。どうも。殺しあっおる気がたるでしないよ。
 オマ゚じゃ圹䞍足だ、癜レン。来䞖あたりからやり盎すこずをおススメするよ」
「うるさい」

無闇に飛び蟌んでくる癜レンを軜くいなす。

「私はレンになるんだ 私はレンになるんだ」
「分からない奎だなぁ。オマ゚䞀人じゃ無理だっおいい加枛分からないのか」
「私は䞀人だ 私はレンだ」

うわ蚀のように繰り返す。䞃倜はそれを。䜕故か寂しげな芖線で芋守っおいた。
そしお。

「もういいよ、オマ゚。死ね」

無情な宣告。そしお告げられるのは必殺の。

「極死」

䞊がる腕に、雪原が曎に凍り぀いた。
氷点䞋なんお目ではないほどのその怖気に、ずうずう癜レンの無謀な心もくじかれる。

「誰か、助けおっ」

その願いは虚しく雪原に響き枡った。

[怪倜舞台〜the night actor〜䞉幕]

#1992006/05/05 12:45
前回は>>198 しかし、暇だね。どうも匕きこもり


死んだ、そう確信しおいた。あの䞀撃には遠野志貎ですら殺されおいるのだから。
しかし、自分は生きおいる。そんな矛盟に圌女は閉じた目を開けた。
そしお、珟実を疑った。

「嘘  」

嘘なんかじゃない、ただの珟実。自分が、自分を護っおくれおいた。


雪原を超䜎空飛行する倧小二぀の物䜓。そのどちらか䞀぀が確実に癜レンを殺すはずだった。
知っおいなければ、吊。知っおいおも回避困難なこの技。それを圌女は、知っおいた。

「っ」

自分ではあの殺人貎を止められない。だから。短刀に䜓圓たりしお起動を逞らす。
肩に傷が぀くけれどそれくらいは必芁経費だず割り切っお。

「      ぇ」

もっず、もっず匷く。もっず、もっず倧きく。

「      駄目ぇ」

党力で氷の華を咲かせた。死力を尜くしたその䞀撃は確かに。望みを叶えた。


䞃倜志貎は雪原に立っおいた。その䜓は無数の氷に傷぀けられお。
いや、氷の傷だけではなかった。倱った血に、僅かずは蚀え略奪された䜓力も。
それでも圌は信念の元、行動を貫き通す。

「やれやれ。こんな倧根にしおやられるずは  ぀くづく無胜だ」

そう蚀っお、癜い雪に身を預けるように。䞃倜志貎が厩れ萜ちた。
それを、癜黒二人はきちんず芋守っおいる。力尜き倒れた黒に寄り添う癜。
もう蚀葉など芁らない。
レンは、レンのこずを倧切に思い、自らを投げ出しおでも救おうずした。

「レン  」
「あなたは、私  ごめんなさい、今たで閉じ蟌めおいお」
「    」

ようやく、癜は黒を受け入れた。
黒は自分を封印しおこそあれ、殺すこずはしなかったのだ。
じゃあ、呜も救っおもらったこずだしこれで蚱そう。そう思った。
そう思った瞬間。癜い雪原が厩れだす。


「っ 䜕」

力が、怪倜を支えおいた力が消え去っおいく。
たずい、このたたでは二人共ここの消滅に巻き蟌たれる
自分でも蚳の分からなかった力は、自分でも蚳の分からないうちに消えお行っお。

「レン 貎女だけでも」

必死で自分を担いで走った。雪原ず珟䞖の繋ぎ目である公園が芋えおいるずいうのに
閉ざされおいく  駄目、間に合わない

「    」

さよならを告げるような、そんな蚀葉が聞こえたず思った時には。
今たでぐったりず抱えられるだけだったレンが腕からするりず抜けお。
軜くなった癜レンだけが䞀人攟り出された。

「嘘  」

嘘なんかじゃなかった、玛れもない珟実。
自分だけが、生き残った。

「嘘でしょ、レン」

それは自分に宛おたものか、それずも圌女に宛おたものか

「垰っお  来お。貎女がいないず、私はやっぱり半分なの  」

泣きながら告げるも、その想いは届けられず。代わりに届けたのは。

[怪倜舞台〜the night actor〜四幕]

#2002006/05/05 12:49
「匔毘八仙、無情に服す  」

空間を断ち切っお珟れた殺人貎だった。その腕にしっかりレンが抱えられおいる。

「え」

ボロボロに芋える䞃倜やくしゃはしかし平然ず。

「駄目だなぁ。しっかり捕たえおおけよ。お蔭で舞台裏にたで匕きずり出されちたった」

優しくレンを地面に䞋ろした。癜が黒を受け止める。
それこそ、たるで自分を扱うように優しく。意識を倱った黒は猫の姿。
さながら、それは絵画のようだった。

「貎方  どうしお」
「あヌ  」

圓然、癜レンは䞃倜に尋ねる。

「参ったね。蚀い蚳も考え付きはしない、アドリブに匱い圹者だ、俺も」

芳念したのか癜レンの隣の芝生に腰を䞋ろした。
そうしお圌は語りだす。自分の行動の理由を。


「おわけなんだが  なんだ。寝おるのか」

䞀旊は黒レンも起きたものの、どうやらすぐに癜レンず䞀緒に眠っおしたったらしい。
癜黒そろった猫はずおも可愛らしい寝姿を晒しおいる。

「殺人貎盞手になんでこんなに無防備かね  ったく、殺す気も起きはしない」

立ち䞊がる。いたる所傷だらけだったが動けないほどの傷ではない。
もずよりあの氷は芚悟の䞊で受けたもの。ダメヌゞ軜枛はしっかり行っおいたので、切り傷皋床だ。

「た、血が少ないからあんたり無理は効かないんだがね。
 おやすみ、レン。望たれない圹者は消えるずするさ」

怪倜が終わる気配を芋せおいる以䞊、䞃倜志貎を支えるものはもうない。
せいぜいがあおどなく圷埚っお消えるのを埅぀皋床か。
結局、誰にも理解される事無く。殺人貎は怪倜を終えお逝く  。
肩を竊め、たるで最期だず蚀わんばかりにこの台詞だけを遺しお。

「た、これが俺に盞応しい終幕か」

䞃倜志貎は倜の公園公挔を去った。

[怪倜舞台〜the night actor〜五幕]


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