>>159 ちなみに、アメリカでは現行、年収280万円で残業代は切り捨てになっている。もちろん、職種制限などの付帯条件も撤廃されてしまっている。
これも国際金融資本の要請によって共和党の多数の力で実現した。
高度プロフェッショナル制度は、戦後、労働運動が獲得した労働条件を根底から完全に崩壊させ、資本家の金儲けのために、労働者を使い捨てし、命まで弄ぶような非人間的雇用に変えてゆく。
労働者の人間らしい扱いは拒否され、養鶏場のケージに閉じ込められて卵を産まされ、産めなくなれば殺されてダシにされる家畜たちに似た扱いが起きるようになる。
人が人を奴隷として扱い、命をも自由に左右できる社会がやってくるのだ。
このことは、日本の労働者にとっては、恐ろしい悲劇だと大半の人が思うだろう。
戦後の、生産手段を持たない日本の人々にとって、労働者階級になるということは、生涯の生活保障を受けるという意味合いがあった。
安月給であっても、爪に火をともすようにコツコツと金を貯め、雇用保険さえ支払っていれば、定年後も年金で生活が保障されるという、大企業による生活保障システムは、大多数の人々にとって、心の支えであり、政府や資本主義体制に対する信頼感の基礎であった。
それまでの、地方の貧しすぎる生活水準から考えれば、低月給であっても、生涯を保証する企業の雇用システムは魅力に満ちていた。
ところが、竹中平蔵らが日本社会に導入した新自由主義グローバリズムは、労働者階級を、金融資本の金儲けのための道具として扱い、金を産ませるためだけの養鶏場の鶏にすぎない扱いを強要する仕組みを固定するようになったのである。
この結果、人々は、企業に就職するということが、生涯の身分が保障されるという従来の「就職」への明るい希望が失われ、大企業への就職とは、人間として生きる希望を奪われることであり、身も心も家畜として金儲けシステム=金融資本に捧げる、経済奴隷にさせられることを意味するようになるのである。
今は、まだ社会常識として定着している戦後労働運動が獲得した労働条件が生きている企業も多いが、高プロ法が2019年に施行されれば、労働者奴隷化の流れは揺るぎなく日本全体の雇用情勢を支配することになるだろう。