>>351(続き)
■「ホトトギスの俳句」からみる三河と尾張の性格
なお、尾張出身者と三河出身者の性格については、歴代の武人を比較するために詠んだとされる「ホトトギスの俳句」に例えられることがよくあります。
尾張出身者の場合は、織田信長について詠まれた「鳴かぬなら殺してしまえ、ホトトギス」という俳句が例にあげられることが多いです。短気で激しい性格であったとされる織田ですが、尾張の出身者も同様に気の短い人が多いのではないかと言われています。
一方で三河生まれの徳川家康は「鳴かぬなら鳴くまで待とう、ホトトギス」と詠まれたように、忍耐強い性格の持ち主。そんな彼の性格が、三河住民にも受け継がれていると言われることがあります。
「ホトトギスの俳句」の例えについて、当事者達に聞いてみると…。
「そうですね。基本的にはプライドが強くて気の短い人が多いかもしれません」(尾張出身・40代・男性)
「信長が冷たいイメージで家康はふくよかで豊かなイメージだから、確かにホトトギスの俳句はそれぞれの尾張と三河の地域性を上手く表現しているかも」(三河出身・30代・女性)
「確かに家康の考えかたや、生き方にシンパシーを感じることは多いです。辛抱強く物事を我慢することもあるかな」(三河出身・30代・男性)
…他にも約半数の人が「ホトトギスの俳句は地域性をよく表現している」とコメントしてくれました。
同じ県内なのに、両者が認めるほど性格に違いがあるなんて…愛知県民を簡単には語り尽くせそうにありませんね。
応仁の乱から550年以上もの月日が経っても、いまだに存在する尾張・三河の確執。いつの日か、両者の“わだかまり”がとける日はくるのでしょうか?