側近「どうした?はやくそれを取れ……姫様の前であるぞ」
にこ(…取れって言われても……)
真姫(このパターンは考えて無かった…しまった)
ことり「どうしたのですかっ?」
不穏な空気に包まれます、このままでは……
そしてついに
真姫「………はい」
にこ(もう、どうにでもなれ…)
ーーー
鞠莉「ん………あれ……あ!」
鞠莉「 あ あ あっ!!!……貴方っ!!」
[匿名さん]
「……エリーチカ様だ…。」
にこまき「……へ!?」
鞠莉「ほ、本物ぉ!!あのエリーチカ様じゃない!!」
会場がざわめきはじめます、それもその筈です
真姫達の隣にいるのは世界一の大国の姫君にして、世界一の歌声とも称される"妖精エリーチカ"その人だったのです
[匿名さん]
ーー
真姫「えーと、誰……」
にこ「噂には聞いてたけど…あんた……」
絵里「あら?嘘はついてないわよ?今は踊り子として一人旅してるわ♪」
にこまき「は ぁ あ あ あ !!?」
[匿名さん]
会場の視線は一気に絵里に集まっています、呆気にとられている2人に絵里はアイコンタクトで伝えます
絵里(にこ、真姫!)
にこ「今のうちにってことね…」
真姫「分かったわ」
真姫はことりの前で一瞬だけ顔を晒し、静かに話しを続けます
真姫「ことり!……私よ!」
ことり「へ………真姫ちゃん?」
真姫「事情は後で話すから、パパ…お父様の所に連れてって」
ことり「う、うん」
[匿名さん]
そして2人は園の王様の前に
真姫「久しぶり、パパ」
王様「はい?」
真姫「私よ!何なのそれ!」
王様「真姫…?え、え!?」
エリーチカに続いて娘まで出てくるなんて…普段は聡明な王様も、理解が追いつかず固まってしまいます
真姫「単刀直入に言うわ、もし胡椒の事を尋ねられたら必ずはいと答えて」
王様「胡椒?……胡椒!?」
真姫「いいから!別にはいって言うだけなら何も問題ないでしょ、それで丸く収まるのよ」
王様「待ちなさい真姫!一体何の事を…」
にこと真姫は王達に一礼した後に絵里の元へ、そのまま3人は舞台裏へと帰って行きました
[匿名さん]
絵里「ふぅ、何とかなったみたいね」
にこ「色々あり過ぎて何処から手をつけていいか」
真姫「とりあえず……」
真姫「面倒になる前に急いで出るわよ!!」
それから3人は急いでいつもの酒場へ向かいます
[匿名さん]
BiBi「カンパーイ!!!」
にこ「いやぁ、解決解決!」
絵里「それは良かったわ♪」
真姫「って、良くないわよ!」バン!
真姫「何なのよエリー!まさかお姫様だったなんて」
絵里「いや、でも貴方も変わらないでしょ」
にこ「確かに…」
真姫「そうだけどぉ!……こう…あぁ!」
にこ「何で大国の姫様がこんなとこウロウロしてんのよ」
真姫「そう、それよ!」
[匿名さん]
絵里「だからぁ……楽しいじゃない?旅してると色々な事があって♪」
流石は大国のお姫様です、2人もただただ唖然とします
絵里「…身元が割れちゃったからここにはもう居られないけどねっ」
にこ「まぁ、そうなるわよね…なんか悪かったわね」
絵里「いいのよ、また旅してたら会う事もあるわよ」
真姫「エリー……」
絵里「ご馳走様!少し早いけど先にいくわね」
[匿名さん]
にこ「あの…」
絵里「ん……?」
にこ「ありがと…」
真姫「色々助かったわ…」
絵里「………じゃあ元気でね、可愛い妹達 ♪」
2人の頭をポンポンと叩いた後、絵里は酒場を後にしました
[匿名さん]
にこ「…世の中にはぶっとんだお姫様もいるのね」
真姫「ふふ…本当ね」
にこ「最後まであいつのペースだったのが癪に触るけど」
真姫「…本当ね」
ーーー
[匿名さん]
そして今は園の王室に絵里は来ています
園の王様「まさか娘がそんな事になっていたなんて…」
絵里「元気そうで何よりかと、面白い2人でしたよ」
園の王様「その…色々ご迷惑を……」
絵里「王様…顔を上げてください、私も今は旅の踊り子ですから」
園の王「はい、後……少しお伺いしても」
絵里「真姫達の事ですか?」
園の王「ええ…エリーチカ姫が一声掛ければ、今回の一件などどうとでもなった筈ですが…」
園の王「何故、わざわざ娘達にお付き合いを?」
絵里「それは………」
[匿名さん]
絵里「あの2人が自分達の力で何とかしようと頑張っていましたので ♪ 」
園の王「そこまでの配慮…大変感謝致します」
絵里「いえ、私も凄く楽しかったですから ♪ 」
ーーー
そして話は戻り、ここは音楽祭から一夜明けた南の街の酒場です
真姫(にこちゃんは打ち合わせとかで希とどっか行っちゃうし…)
真姫はにこから留守を任されますが、そこは聞く耳もたず、1人で酒場に来ていました
すると
ことり「真姫ちゃんっ♡探したよぉ」
真姫「ん………ことりっ!」
現れたのは、町娘に変装したことり姫でした
[匿名さん]
真姫「あぁ…この前は助かったわ、ありがと」
ことり「そんだけっ!?わざわざ会いに来たのにぃ…」
真姫「冗談よ、こんなとこに顔出したりして平気なの?」
ことり「意外と気づかれないものだよっ、それに」
真姫「それに?」
ことり「街の酒場なんて初めて来るからちょっと新鮮かな!」
真姫「はは…物好きね、なら……」
ことり「んっ?」
[匿名さん]
真姫「ミルク1つ」
店主「はいよ」
真姫はいつものようにミルクを頼み、ことりに差し出します
真姫「酒場に来たらこれよ、まぁ口に合うか知らないけど…」
ことり「わぁ、ありがとう!いただきますっ」
嬉しそうにミルクを飲んでいることりを見ながら真姫は思います
真姫「しかし…ほんと酒場が似合わないわね…」
ことり「え?そうかなぁ」
自分も最初はこんなだったのかな…と真姫も苦笑い
[匿名さん]
ことり「ねぇ、この後は時間ある?」
真姫「今日は1日空いてるわ…何?」
ことり「私もね、空いてるんだ!」
真姫「どうせ勝手に出てきたんでしょ、すぐわかるわよ」
ことり「流石は真姫ちゃん、お見通しだねっ」
ことり「だからね、せっかくだし街に出てみない?」
真姫「ふふ、久しぶりね!行きましょ」
それから2人は街に出かけました
[匿名さん]
酒場を出て少しすると雑貨屋が並んでいます、それを歩きながら眺めていると、ふと ことりが話し始めました
ことり「ねぇ、真姫ちゃんはこんな所で何してるの?」
真姫「いきなりくるわね…」
ことり「だってずっと気になってたんだよ?」
ことり「何でエリーチカ姫と一緒にいたんだろ、とか」
当然ですが、ことりも最初から気になって気になって仕方がなかったのでした
[匿名さん]
真姫「う~ん…どこから説明したらいいのか…」
ことり「最初からだよ♡」
ことりはお得意の上目遣いで、じーっと真姫を見つめています、これには堪らず真姫も話しはじめます
真姫「相変わらずそのウルウルは卑怯よ…えっと」
真姫「最初はね、お父様から金貨を10枚渡されたの…いきなりよ」
真姫「それからーー」
それからこの半年であった事を話しました
[匿名さん]
ことり「なんか本で読んだお話みたいだねっ」
真姫「確かにそうよね…旅してる方は大変だったけどね」
ことり「金貨100枚くらいなら私に相談してくれたら良かったのに」
真姫「最初はそれも思ってたんだけど…」
ことり「んん?最初は?」
真姫「今はね、もう後少しなんだし…自分で何とかしたいの」
ことり「真姫ちゃんも逞しくなったね」
真姫「こんな生活してたら嫌でもそうなっちゃうわよ」
[匿名さん]
ことり「でも、ちょっと楽しそうだねっ」
真姫「いやいや…特に最初は辛かったわよ、パンは不味いし泊まる部屋は汚いしベッドは固いし」
ことり「うわぁ、やっぱりやだね…」
ことり「でも、一緒に旅してるにこさんも中々凄いよね」
真姫「にこちゃん?」
ことり「真姫ちゃんって結構気が強いから、普通の人だったら泣いちゃうよ」
真姫「そこまではないでしょ!」
真姫「いや……あるわね、分かってる」
ことり「でしょ!だから凄いなって」
真姫「今思えばね…少しだけ感謝してたりもする…かな」
真姫「あ、そういえば…」
[匿名さん]
ことり「どうしたの?」
真姫「にこちゃんてさ、稼いだ金貨には宿と食事位しか手を付けないのよね」
真姫「だからお洋服とかもずっと同じので」
ことり「なんで?2人で集めたお金なのに?」
真姫「うん…これはあんたのだから!私は王様から支給されるからって」
ことり「ふ~ん…色々あるのかなぁ」
[匿名さん]
ことり「ああっ、じゃあさ!真姫ちゃんが選んでプレゼントしてあげたら?」
真姫「ヴェェ!?私がぁ?」
ことり「えぇ…嫌なの?」
真姫「嫌じゃないけど…何ていうか、今更っていうか」
2人は小さい時からの付き合いです、顔が真っ赤になった真姫を見てことりもスグにわかりました
ことり「ね!今から探しにいこーよ!絶対嬉しいはずだよ、行こっ!」グイッ
真姫「ちょっ!ことり!」
ことり「 あっ……。」
ことり「そういえば…街のお洋服屋さんて何処にあるんだっけ?」
真姫(はぁ………。)
[匿名さん]
それから街で一番大きなお店へと向かいます
ことり「うんうん、これだけあればきっと似合うのがあるはずだよ」
しばらく店内を見て周り、真姫は洋服を手に取り眺めます
真姫「うぅ…」
ことり「それ可愛い♡ふりふりぃ♡」
真姫「こういうの絶対似合うのに、多分…商人がこんな派手でどーすんのよ!とか…」
ことり「随分詳しいね…なら、こっちのは?」
真姫「それも良いわね!」
ことり「どっちも買っちゃおうよっ!ね!」
[匿名さん]
それから店主を呼び支払いを尋ねます、金貨2枚…まぁ服の値段としては妥当です…ことりもそれを眺めていました
すると
真姫「ちょっと、何でそんなにするのよ…あんたふっかけてるわけ?!」
店主「えぇ…?」
真姫「いや、銀貨6枚ってとこでしょ!」
ことりも呆気にとられます、何をやっているんだろうと
[匿名さん]
店主「そ、それは流石にっ……」
真姫「分かったわよ…じゃあ金貨1枚ね、はい!」ジャラ
店主「あ……は、はい」
強気の真姫に店主もたじろぎます、にこを真似た交渉術ですが真姫がやると物凄い威圧感です
ことり「凄い迫力だったよ…」
真姫「にこちゃんからも言われるわ…あんたは押すばっかでタチが悪いとか…失礼しちゃうわ」
ことり「そういうとこはやっぱり真姫ちゃんらしいよね!」
真姫「もぉ、ことりまで…」
[匿名さん]
それからしばらく街を歩いて、今は城の近くまで着いたところです
ことり「今日は色々案内してくれてありがとう!」
真姫「おかしな話よ、何であなたの国を私が案内してるのよ」
ことり「あはは!本当だねっ」
真姫「じゃあ…また寄るわね」
ことり「うん!早く旅が終わるといいね」
真姫「そうね、ありがとうことり!」
城へと帰ることりを見送った後、真姫も家へと向かいました、帰り着くと希とにこがお出迎えです
[匿名さん]
希「おかえり真姫ちゃん!」
にこ「あんたねぇ…まぁた勝手にうろうろしてぇ!」
真姫(あ!そうだった…私もことりの事言えないわね)
真姫「ねぇ、にこちゃん」
にこ「何よ、また何か変なもん買ってきたんじゃないでしょーね」
真姫「いいから、はい」
にこ「はいって…私に?」
にこ「これ………」
希(あらあら、真姫ちゃんも中々やるね)
いつも以上に口数の少ない2人のやり取りを見て、にやけ顔の希です
にこ「………着てくる」
真姫「うん」
にこ「………ありがと」
真姫「いいえ♪」
こうして南の国での物語は終わり
ーー
[匿名さん]
南の国を出発して半月になります、今は桜の国へと向かう荷馬車の後ろで真姫とにこは喧嘩しているところです
真姫「いい加減どきなさいよ!」
にこ「あんたが我慢しなさいよ!これだからお子様は疲れんのよ…」
真姫「はあ!?誰がお子様よ!」
希「ねぇ…毎日喧嘩して飽きないんかな君達?」
真姫「だってにこちゃんがふかふかの上にいつも陣取って!」
にこ「あんたが藁の上は嫌だって最初に言い出したんでしょ!知らないわよ!」
希(はぁ………)
[匿名さん]
桜の国は国を二つ跨いだ先にあり、馬車でも片道で1ヶ月以上かかります
希「あ、街が見えてきたよ、結構早く着いたね」
真姫「えーと、地図で……あった、ここね」
にこ「やっと次の国に入ったと思ったらまだまだ長いわね」
希「じゃあ、今日の宿探しに行こっか」
真姫「待ってて、ちょっと見てくるわ」
[匿名さん]
希「あ……そういえばね」
希「まだ大丈夫とは思うけど、この国も少しだけ治安が悪いらしいから」
にこ「だから気をつけなさいよ、私も一緒に行くわ」
にこと真姫は馬車を降り先に街を見に行きます
真姫「ねぇ、治安が悪いって…この国でもなんかあったの?」
にこ「この国じゃないわ、桜の国よ…そっから難民なり盗っ人なりがチョロチョロしてるらしいわ」
[匿名さん]
真姫「一体…どうなってるのかしらね」
にこ「さぁ…希が言うには陸路で決まった道を進めばとりあえずは安全らしいけど」
にこ「あ、あったわ宿、行きましょ」
それから荷馬車を宿の小屋に止め3人は一休みです
[匿名さん]
真姫「何か疲れが溜まってきたわね…にこちゃんのせいで」
にこ「まだ言うかっ」
希「うちも腰が……ずっと座ってるとねぇ」
真姫「今日も何か食べ物買ってくるわね、行こにこちゃん」
希「あ、うちも行くよ」
3人は街の少し外れの市場へ買い出しに出かけます
[匿名さん]
真姫「色々あるわねここ」
希「うんうん!やっぱり国が変わると食べる物も違うんやね」
にこ「あ、これ美味しそう」
にこは林檎を手に取り値段を尋ねます、それからいつもの様にあれが始まります
にこ「は?高すぎじゃない?!」
花陽「えぇ…そんな事ないですよぉ…。」
にこ「いや、隣の国ではこの半分だったわよ」
真姫(嘘つきなさいよ、林檎なんて売ってなかったでしょ)
[匿名さん]
花陽「うぅ……。」
困り果てる店主、そこへ1人の少女が駆け寄ります
凛「どうしたのかよちん?あ、いらっしゃ!」
凛「いらっしゃ……あれ…?」
真姫「あ………。」
少女も真姫も固まります、そして…
真姫「…あんたぁ!!こんなとこにぃい!!!」
[匿名さん]
今は市場から少し離れた静かな酒場に来ています
希「ねぇ…何があったんか知らんけどさ、土下座はマズいんやない?」
真姫「ふん!」
にこ「今すぐにでも頭を踏んづけてやりたいくらいよ!」
市場で真姫とにこは少女に掴みかかり大騒ぎになりました、慌てて希が仲裁に入り今に至ります
花陽「あの……えぇと……?」
凛「かよちん………」
[匿名さん]
真姫「ほら、何とか言いなさいよ!この泥棒猫!」
にこ「あんたのせいでこっちは予定が台無しになったのよ!」
花陽「凛ちゃん…?どういう事…?」
凛「……」
にこ「こいつもグルなんでしょ!何シラきってんのよこの眼鏡!」
花陽「ひっ…ごめんなさぃ。」
凛「待って…かよちんは関係ないの!私が全部勝手に!」
[匿名さん]
花陽「へ…?凛…ちゃん…?」
希「……何があったん?」
真姫「こいつに…騙されて…ああ!イライラしてきたわ!」
真姫は事の一部始終を話し始めました
あの時 にこを喜ばせようと部屋で待っていた事…それから怒鳴られた事…悔しさのあまり泣いてしまった事…
思い返していると怒りが更にこみ上げてきます
花陽「凛ちゃん……それ……本当なの…?」
凛「……ごめんなさい」
にこ「ふざけんじゃないわよ!」
花陽「凛……ちゃん……」
それから花陽はずっと俯いたまま、床には涙がポタポタとこぼれ落ちます
[匿名さん]
にこ「あんた達…今すぐ騙し盗ったお金工面しなさい。」
真姫「それだけじゃ済まないわ、役人に突き出してやるんだから。」
凛「……」
花陽「……」
余りの光景に酒場中の視線は真姫達に釘付けになっていました、それを見かねた希はまた仲裁にはいります
希「待って2人共。 せめて理由だけでも聞いてあげたら…ね?」
[匿名さん]
にこ「希っ、あんた一々甘過ぎんのよ!」
希「凛ちゃんだっけ…何でこんな事したん?そんなにお金が必要やったん?」
凛「……」
花陽「私のせいです…。」
真姫「はい?どういう事よ」
花陽「……私達は、この国の者じゃありません…。」
花陽「私達は桜の国に住んでいました、ですがここ数年で国はとても貧しくなりまともに生活する事も困難になりました…」
にこ「ふん……それでここにいるわけね、でぇ…?」
花陽「はぃ…ですが、元々体が弱い私が病気にかかってしまって…市場での稼ぎでは薬代までは手が回ず困っていました」
[匿名さん]
花陽「そしたら凛ちゃんが出稼ぎに行くと言い始めて…」
凛「お薬には…沢山お金が必要で…凛は馬鹿だから悪い事しないと稼げなくって…」
凛「ごめんなさい……」
凛「だから、悪いのは私だけなんです…。」
希「なるほどね……」
事情を察して頷く希と酒場のお客達でした
[匿名さん]
しばらくにこと真姫は顔を見合わせました
真姫「にこちゃん…」
にこ「ええ、あんたと同じ意見よ…」
ーー
にこまき「…そんなの知ったことじゃないわよ!」
[匿名さん]
希「……はい?」
にこ「あんた達の都合なんかこっちにはこれっぽっちも関係ないのよぉお!!」
真姫「そうよ!今すぐお金返して2人まとめて捕まりなさい!ふん!」
希「ちょ…いくら何でも酷いよ2人共っ!」
にこと真姫の怒りは収まる訳もなく、話は騙しとられたお金の回収する算段へと移ります
真姫「今すぐ用意できないのなら貴族に売り渡すなり何なり幾らでもーー」
にこ「そもそも慰謝料も貰わなきゃ割りに合ってないわよ、すぐ借用書作るわ!金貨30枚ってとこね」
泣き崩れる凛と花陽を尻目に2人は淡々と話を進めます
と、その時です…酒場にまた怒鳴り声が響き渡りました
希「2人とも……いい加減にしなさいっ!!」
[匿名さん]
にこ「な…何よっ…… 」
希「街の酒場でこんな事して、これじゃどっちが悪者かわからんよ」
真姫「そうだけど…だって…」
希「2人が許せない気持ちもわかるけど、流石にこれはやりすぎやないん?」
にこ「でも……こいつらは真姫を騙して」
真姫「そうよ!それに今の話だってまた嘘ついてるかもしれないじゃない」
希「うちにはそんな風には見えんけど、それに…」
希「悪いと分かってても仕方なくやってしまったって事は誰にでもあると思うんよ…2人もわかるやろ」
[匿名さん]
デスペラードΣ「埋め立てなんてダメですわ!ちゃんとルールに従って適当にプリムかなんかでもぶっ倒すSSを書くとたぶん完走しますわ!(セルフ荒らしなさるかもですけど)」(ハンマー振り回し)
プリム(スマブラ)「!?」(次々吹っ飛ばされる)
[匿名さん]
これには2人も返す言葉がありません
真姫「う……」
にこ「……じゃあ、どうしろって言うのよ!このま黙って見逃せってわけ?」
希「ううん、そうじゃない…これから考えるんよ」
希「にこちゃん達にも凛ちゃん達にも折り合いがつくような案をね…どうかな?」
にこ「何で私達がそこまで譲らなきゃいけないのよ…」
希「…じゃあうちが騙された分はひとまず立て替える、そのかわり凛ちゃん達にはうちの元で暫く働いてもらうっていうのはどうかな?」
[匿名さん]
真姫「立て替えるって、本気なの?!」
にこ「てゆーか何であんたがそこまですんのよ!」
希「ほっとけないんよ…」
そう言って希は凛と花陽を抱き締めました
凛「え…」
花陽「っ…!」
[匿名さん]
希「うちもね、昔はそれなりにやんちゃしてた時期があってね」
真姫「希が?嘘…?」
希「だけど凛ちゃん達みたいに最後は捕まっちゃって…もう終わりかと思ってた」
希「でもね…ある人はそんなうちの事を見捨てず助けてくれたんよ」
希「それがあって今うちはこうして暮らすことができてるんよね…だから、ほっとけないん」
にこ「希……」
[匿名さん]
希「凛ちゃんも花陽ちゃんもそれでいいよね?悪いようにはしないからさ」
凛「うぅ……私達の為に……」
花陽「本当にすいません……。」
希「うん!じゃあこれで真姫ちゃん達も一旦手打ちにしてもらってもいいかな?」
真姫「希がそこまで言うんなら…」
にこ「分かったわよ…何かスッキリしないけど」
それから希は凛達と話をして3人は宿に戻りました
[匿名さん]
真姫「ねぇ希…あのまま帰しちゃって本当に良かったの?」
希「うん、今回の仕事が終わり次第、新しくやりたい仕事もあったしね」
にこ「そんな事言って…もし逃げられたらどーすんのよ」
希「うちもプロだよ、あの2人は嘘はついてないかくらいすぐにわかった…それにほら」ピラッ
真姫(何のプロよ…)
にこ「契約書…あの2人と希の?」
希「ここ、よく読んでみて」
[匿名さん]
にこ「ええと…」
にこ「利子のとこね…何よ、あんた意外とちゃっかりしてるわね。」
にこ「1、2、……ん………あれ……」
真姫「にこちゃん?」
にこは震え上がりました
にこ「……希……あんたこれっ………!」
[匿名さん]
真姫「どうしたの?」
にこ「借金返済する頃には、支払いが金貨50…3倍近くまで跳ね上がるじゃない!!」
希「そうやね」
真姫「はぁああ!?」
にこ「そうやね…じゃなくて!あんた何やってんのよ!!」
希「いや、あのまま2人に任せてたら回収出来そうになかったから…」
[匿名さん]