>>67の続き Y本の後にマウンドに立ったのは、二塁手で二年のY川だった。このY川は旧チームからレギュラーだったが、投手としての練習は一切やっていない。しかし、もはや他にピッチャーがいなかったのである。後にエースとなるN野は、まだこの時はピッチャーとして期待されていたわけではなかったし、投手志望の一年生のM村とN村は、高校から野球を始めた初心者だったから、試合に出せる状態ではなかった。ピッチャーがいないばかりに急遽マウンドに上がったY川だったが、体の線は細くとも、地肩が強いのか、球のスピードはM本やY内よりも上だった。しかし、バッターの背中をかすめるようなボールを投げるなど制球が定まらなかった。結局、四死球で追加点を与えてしまった。