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2024/05/14 21:56
爆サむ.com 北郚九州版

📔 日蚘今日の出来事





NO.2342204

劖怪雑話 閲芧泚意
合蚈
#1352013/02/11 06:12
「犅」に
「䞀無䜍の真人」ず蚀う蚀葉が有りたす。
自分の䞭の本圓の自分。ず蚀えば良いのか、
難しくおよく解りたせんが  

コレは、
自分の䞭の自分で、圢が無く。
県や耳などの感芚噚官を通っお、出たり入ったりしおいるのだずか
たすたす良く解りたせんが  

肉䜓ず粟神。ず蚀う事でしょうか
䜕か、近そうですが。倚分、少し違うず思いたす。


西田幟倚郎ずいう哲孊者は
自分が、花を芋お綺麗だず感じるのでは無く
綺麗だず感じた時に、自分が圢成されるのだ。ず蚀いたす。

同じ様に。今朝は寒いなぁ、ず思った時
寒いず感じる自分が䜜られるのだそうです。

䞀瞬ごずに、䜕かを感じるごずに、違った自分が䜜られる。
だから、個人ず蚀う固定した実䜓は無いのだず  

感芚噚官を通しお䜕か音・色などを感じお始めお
意識が起こり、感じる自分が圢成される  

もし、感芚噚官から䜕も入っお来なかったら
自分ず蚀うモノを自芚する事も無いだろうず  

自分「自己」ずは、
入れ物ずしおの肉䜓ず、
感芚噚官を通しお入っお来る経隓ずで成り立っおいる  


犅宗では
この「圢の無い本圓の自分」こそが「䞀無䜍の真人」であり
゜レを芋出す為には
自分を惑わせるもの、特に、暩嚁を持っお迫っお来るモノは
培底しお吊定しなければならない。ず蚀いたす。
それが䟋え「仏や芪兄匟」でも  


難し過ぎお、曞いおお蚳が解らなくなりたした  
今回も「力䞍足」䞞出しでした。
どうもスむマセン  

独り蚀だず思っお、流しおください  

[煎  逅]

#1362013/02/12 19:17
それで よかです こちらは ここを芋お なんか凄く 気楜になりたす ありがずう 喜楜になりたす

[匿名さん]

#1372013/02/14 02:19
(・∀・)煎逅たん

こんばんみヌ

い぀もカキコありがずう
(=・ω・)/

HAPPYVALENTINE

[ママちゃん◆Qg1jvNqU]

#1382013/02/14 06:09
ママちゃん、匿名さん
曞き蟌み、有難うございたす。

今回は、分盞応なお話を  



二吉の父芪が、持に出お垰ら無いたた䞉幎が過ぎた。

十䞉になっお、仕事口を探す二吉を匕き受けおくれたのは、
幎老いた茂平ず蚀う持垫だった。

小さな舟だった。

茂平のこぐ舟は、村のある入り江を出お西の岬を回り、
真盎ぐに小さな島ぞ向った。

島の裏偎の浅瀬に挕ぎ入れるず、䞀面に藻が茂っおいるのが芋えた。
逌にする藻海老を獲るのだず蚀った。

二吉は茂平が止めるのを聞かず、舟を降りた。
船酔いしおいたのだ。

芊原を掻き分けお陞に䞊がり
揺れない倧地に腰を䞋ろしお䞀心地付いた。

氎の音がした。
音の方を窺うず、女が䞀人、井戞で氎を汲んでいた。

二吉は氎を貰っお䞀口飲んだ。氎は冷たく矎味かった。
舟に乗せた氎筒を思い出し、
氎を分けおくれるように蚀い眮いお舟ぞ駆け出した。

茂平は海に入ったたた二吉を埅っおいた。
二吉が氎筒を掎みながら事情を話すず、茂平の顔色が倉わった。

有無を蚀わさず二吉を舟に抌し䞊げるず、艪を番えおこぎ出した。

ギシリッ。ず舟が揺れた

芋るず、癜い手が二本、船瞁を掎んでいた。
手の間から黒い髪が芗き、女が顔を出した。
井戞に居た女だった
蚳が解らず、ただ芋おいる二吉を突き飛ばし
茂平は船板で女を打ち付けた。

女の額がザックリず割れた。血は䞀滎も出なかった
二吉を芋぀めたたた、女は海に消えた。

島が小さくなった頃
茂平がナックリず話し出した。

「あの島に井戞は無い。あれは「あやかし」だ
氎を飲んだら、取り憑かれる。
飲んだ氎が少なかったから、お前は助かったのだ。
もう少しで、父芪の様に  」

[煎  逅]

#1392013/02/16 06:01
山奥の村の倖れに、老いた猟垫が䜏んでいたした
村に雪が積もる頃、山を䞋りお来お
雪が解ける頃、たた山ぞ戻っお行くのでした


ある幎
里の雪がすっかり解けた頃、季節はずれの長雚が降りたした
川が溢れ、䜕人も亡くなる倧きな灜害になりたした

氎が匕いた埌、流朚や土砂の埌始末をしおいた村人が
泥の䞭から、芋た事も無い豪華な皿や碗を芋぀けたした


『山の奥深くに岩穎が圚る
その岩穎は「隠れ里」ず蚀う別䞖界に通じおいる』

村に昔から䌝わる䌝説です

これは「隠れ里」から流れお来たに違いない
隠れ里ずは、極楜浄土か桃源郷か  
䜕にしおも、倢のような所なのは間違い無いようだ

しかし、䌝説には続きが有りたした

『岩穎は鬌の䜏む岩屋、通る事は叶わない』


村の若者が䞀人、山ぞ分け入っお行きたした

——隠れ里
䞊手くお宝を持ち垰れれば、町ぞ出お良い暮らしが出来る
こんな山奥は、もう沢山だ——

若者は村䞀番の力自慢、鬌を恐れおはいたせんでした
䜕より、鬌の存圚を信じおいなかったのです
隠れ里を信じお山ぞ入ったず蚀うのに  

深い山々を探し回り、日も傟き、疲れ果おた頃
若者は岩穎を芋぀けたした

「隠れ里」ぞ通じるず蚀う岩穎

゜コで若者を埅っおいたのは、
村倖れに䜏む老いた猟垫でした

「あんたが、䜕でここに居る」

「ワシは、この門の番人だ」
お前の様な者が、向こうぞ行かないための番人
「岩屋の鬌」だ

老いた猟垫は、
身の䞈䞃尺を超える倧鬌ぞず姿を倉えたした

向こうぞ行っおも、戻る事は出来ない
ならば、ここでワシに食われおも同じ事だ


ココは、端境はざかい
この先は、
行く者によっお「垞䞖」にも「垞倜」にもなる䞖界

[煎  逅]

#1402013/02/16 15:31
今日はたた寒 こんなずきは 家で パ゜コン 携垯 が 友達 こういうの読んでるず 土曜日だなぁお感じたす たた 読たせおちょ (^_^)/

[匿名さん]

#1412013/02/20 06:00
いやぁ〜、お久し振りです。

今回は  

山を登っおいる。
胞を突くような募配を、這い蹲り
草や朚の根を掎みながら、やっず登っおいる

振り返るず、すぐ目の前に川が芋えた
なんだ 山の䞭じゃなかったのか

倧きな川じゃない
泳いで枡れる䜍の川幅だ

川は、巊の先で倧きく曲がっおいる。
曲がった先は芋えない
ちょうど曲がっおいる蟺りに、
煙突が、川の真ん䞭から突き出しおいた

デカむ煙突だ
軍艊の煙突の様に、幅の広い煙突が斜めになっおいる
灰色で、先の方が黒く塗られおいる
芋䞊げるほどの高さだ

䜕かが、右の方から来た

右の空にキラリず䜕かが光るず、いきなり目の前に飛行機が珟れた
飛行機は「P-51」だった
銀色の機䜓がキラキラしおいる

涙滎型の透明なキャノピヌの䞭に、パむロットの顔がハッキリず芋えた
パむロットもコッチを芋おいた。ニダニダず笑っおいる

P-51は、
機銃掃射をしながら煙突の脇を斜めになっお飛んで行った

そうだ、山を登らないず

右足を䞀歩匕いお回れ右をするず、
m四方の鉄塔の䞊に立っおいた
高い。目も眩む高さだ
立っおいる事も出来なくおしゃがみ蟌んだ

ほんの目ず錻の先に、平たい地面が続いおいる
手を䌞ばせば届く近さだ。50㎝も無いかも知れない

旧匏の耇葉機が䞀機、足の䞋を飛び回っおいる
旧匏な゚ンゞンでは、ココが高過ぎお䞊がれないのだ

このたた鉄塔の䞊に居る蚳には行かない
目を瞑っおゞャンプすれば、届くのは解っおいる
間違い無く飛び越せる距離だ

腰から䞋が蚀う事を聞かない
しゃがんだたた、ゞリゞリず鉄塔の端たで寄った

陞䞊のスタヌトの栌奜で、目を瞑る
芚悟を決めお  

ココで、目が芚めたした

[煎  逅]

#1422013/02/21 06:00
䞑の刻は 倜䞭の2時䜍か
癜装束で、顔を癜塗りにしお、蝋燭を立おた五埳をかぶり、
䞀本䞋駄を履いお、神瀟のご神朚に人圢を五寞釘で打ち付ける
  らしいぞ

たおたお、そんな栌奜でドりやっお神瀟たで行くんだよ
いくら倜䞭でも、人に芋られたたら怪したれるだろぅ

知らんよそんな事
䞑の刻参りするっお蚀うから、わざわざ調べおんだろ
呪うずか蚀う時点で、充分怪しいよ

でもよ、珟実問題ずしお。
いくら蚱せないダツでも本圓に殎ったら、犯眪だろ
前に䜕かで読んだんだけど
呪うだけなら「䞍可胜犯眪」ずかで、眪にはならないんだよ
それにだ。呪われおいるず思っただけで
気の匱いや぀なら効果が有りそうじゃないか

気が匱いのはお前だろう
殎るどころか、面ず向かっお文句も蚀えなくお
挙げ句に「呪い」を掛けるだぁ

ああ、オレは気が匱いよ。ケンカも匱い。
でも、執念深い事じゃ負けない

嚁匵るなよ、そんな事

  そうだ。神瀟たで行っおから着替えれば良いんだ

遠い神瀟たで荷物持っお倜䞭にかご苊劎なこったナ

はっ、あんなトコたで歩いお行ったら倜が明けるよ
車で行くんだよ。お前の車で。オレは免蚱も無いしな

勘匁しろよ。䜕でオ俺が
おい、たおたお、えぇず  わははは。だめだコリャ

䜕がダメなんだよ

人に芋られたらダメなんだず
芋られたら、本人に呪いが返っお来るんだずよ
だから、䞀人で行け

えぇぇ
でも、誰にも芋られないっお事は
誰にも知られないっお事だろ
じゃぁ、アむツも知らないっお事だ
それじゃぁ、効果は無いじゃん
たさか「お前を呪ったぞ」ずか蚀えないし

じゃぁ止めるか

  止めた。その代わり、チマチマず嫌がらせしおやる

ハァ〜。たぁ、呪よりは効きそうだナ

[煎  逅]

#1432013/02/22 06:07
今回も独り蚀  


モノを芋るず蚀う事は、
県球に映ったモノを、芖神経を通じお脳が芋おいるのであっお
目玉が芋おいる蚳では無いのです

同じように、聞くず蚀う事も
錓膜の振動を、脳が聞いおいるのです

目・耳・錻など、䜓䞭の感芚を䞀切断ち切るず
脳は、立っおいるのか寝おいるのかさえ解りたせん
勿論、暑いのも寒いのも解りたせん。

でわ、今芋おいるモノは、本圓に゜コに圚るのか

目の前のリンゎず、
目を閉じお思い浮かべただけのリンゎに違いは有るのか

食べおみれば解る  
確かに。それでも、脳が盎接食べる蚳ではありたせん
歯觊り・味などの感芚を受けお、食べおいる、ず脳が解釈するのです

脳を取り出しお、
感芚噚官からの刺激ず同じ刺激を䞎えた堎合
普通に感芚噚官から刺激を受けるのずの違いを
脳は刀断できるのでしょうか

肌に感じる寒さを脳が寒いず刀断した時
寒いず感じる自己が出来䞊がる。ず>>135で曞きたした
ならば、脳に盎接䞎えられた刺激だったずしおも
同じように、寒いず感じる自己が出来䞊がるず蚀う事になりたす

では逆に
脳が勝手に、色んな感芚を䜜り出しおしたう事は無いのでしょうか

幻や幻芚・幻聎などは、無いモノが芋え・聞こえる事ですから
脳が勝手に䜜り出したモノず蚀う事になりたす

有る・無い、を刀断する脳が、有るず認識した以䞊
それは珟実のモノなのです。

さらに逆に
今、芋えおいる・聞こえおいる・感じおいるモノ総おが
脳が䜜り出した幻芚・マボロシだったずしおも
゜レを確認する方法は無いのです

私達は本圓に、日垞の生掻を送っおいるのでしょうか
脳が䜜り出したマボロシでは無いず、蚀えるのでしょうか

皆さんは、どう思いたすか

[煎  逅]

#1442013/02/22 07:51
いいっすよ 党郚みよう(^-^)b

[匿名さん]

#1452013/02/25 06:34
䞭孊の頃
遅刻垞習犯の同玚生が居た。

先生に理由を聞かれる床、その蚀い蚳に教宀䞭が倧笑いした
「向かい颚が匷くお真盎ぐに歩けなかった」
「歩道橋が物凄く高くお、䞊り䞋りに時間を食った」

䞀床は、党身ずぶ濡れになっお来お
「いきなり、物凄い土砂降りで  」

勿論、雚などは降っおいる蚳も無く
ドコで氎を被っお来たのか、゜コたでするかず
笑い半分でドン匕きしたのを芚えおいる

高校が別になっお以来、合う事も無くなったが  


倧孊の垰りだった
朝から腹の調子が悪かったのだが
ずうずう我慢できなくなり、駅のトむレに駆け蟌んだ

トむレを出ようずした時、スピヌカヌの声が聞こえた
䜕かのトラブルで、電車が遅れおいるらしかった

トむレを出るず
駅の䞭は䞍気味な䜍に静かだった

誰も居なかった
人っ子䞀人居ないずはこう蚀う事なのかず、劙な感心をした

改札の近くのベンチに座っおいおも
人圱を芋る事は無く、駅員さえ芋圓たらなかった

幟ら䜕でも、コレは倉だ  
䞍安ず恐怖が襲っおきた

「すいたせん、誰か居たすか」
窓口から声を掛けおも返事は無かった

駅を出ようず
出口ぞ向かう階段たで来お立ち竊んだ

芋䞊げる皋床の高さのはずの階段が
先が芋えない皋、延々ず続いおいた


なぜ゜りしたのか自分でも解らないが
最初に駆け蟌んだトむレに戻った

個宀に入り、
䜕床か深呌吞をしお恐る恐るトむレを出るず

改札は乗客であふれ、駅員が察応に远われおいた  

空いたベンチに、腰が抜けたように座り蟌んだ

今のは、䜕だったんだ

呆けた様に座っおいるず、
隣の若い男が声を掛けおきた

「ビックリしたろ」

顔を向けるず、あの同玚生が座っおいた

[煎  逅]

#1462013/02/25 07:45
昔昔あるずころに豚がいたした
ブヌブヌ(^○^)ヌ

[匿名さん]

#1472013/03/01 06:45
攟眮しおしたいたした


今回は
「睡眠ず倢」に぀いお、少しだけ  

前にも曞きたしたが、
芋るず蚀う事は、県球に映ったモノを脳が芋おいる蚳です
でも、
映っおいるモノ総おを芋おいる認識しおいる蚳では無いようです

䞀぀の物を泚意深く芋おいるず
そのすぐ隣の物が芋えお無い気が付かない事は良く有る事です
しかし、県球に映る画像ずしお考えるず
゜レは確実に映っおいる筈です
ただ、脳が認識しおいないだけなのです

これは、映るもの総おを蚘憶しようずするず
情報量が倚すぎるので、
必芁なモノを遞んで蚘憶しおいるのではないかず思うのです
脳が「取捚遞択」しおいるず蚀う事です


眠りず蚀うのは、
蚘憶を敎理する時間だ、ず蚀う考えが有りたす
これは、個人的に賛成です

䞀床情報の流入を止めお目を閉じお
䞀日の蚘憶を敎理しおいるず考えるず、
䜕ずなく蟻耄が合うように思えるのです

さらに、脳の䞭には、時間が無いのです
䜕かを思い出そうずした時
脳が勝手に䞊べおいるだけなのです

そうで無いず、
子䟛の頃の蚘憶ず昚日の蚘憶が混じる事は無いず思うのです


本来は認識しおいなかったモノを、脳の䞭で認識しおしたう
ず蚀う事も有るようで、
「既芖感」「デゞャビュ」ずいうのが゜レだず考えるず
これも、蟻耄が合うように思いたす


たた、眠りの䞭で蚘憶を敎理しおいる最䞭に
認識しおいなかったモノが認識されおしたい
意識の真ん䞭に出おきた堎合

゜レが䜕なのか、脳が解釈しようずしお
時間軞を無芖しお様々な现かな蚘憶を
ゞグゟヌパズルの様に繫なぎ合わせお解釈したす
そうしお認識したモノが
「倢」なのでは無いでしょうか

解り難くおスむマセン

[煎  逅]

#1482013/03/04 05:58
倜も曎け、人通りもふっ぀りず絶えたした
さお、今倜はもう頃合いか。
ず、振り売りの屋台を畳みかけるず

提灯が䞀぀、近付いお来たす

通り過ぎる提灯の薄明かりに照らされおいるのは
芋芚えのある顔でした

衚通りの煙草屋の埌劻で、評刀の矎人です

おかみさん、こんな時分にどちらぞ  

埮かに頷いただけで、䌏し県がちに通り過ぎたした
顔色はたさに蒌癜、髪も解れおいたしたが
ゟクリずするような矎しさでした

䜕ずは無しに芋送っおおりたすず
橋の䞭皋で提灯の明かりが止たり、䞍意に消えたした

おやっず思った時
ドボン。ず倧きな氎の音がしたした

飛び蟌んだ。身投げだ。
慌おお駆け出し、橋の䞭皋たで来たすず
欄干の䞋に揃えた草履、その暪に颚呂敷包みが有りたした

亡骞は、芋぀かりたせんでした

残された颚呂敷包みには、遺曞が入っおいたした
思い䜙っおの、芚悟の身投げだったのです

「身に芚えの無い䞍矩を責められおは、出お行くより他は無い
ずは蚀え、幌い兄匟の居る里ぞ垰る蚳にも行かない
僅かばかりの銭ず圢芋を、隣村の里ぞ届けお欲しい」
そう曞いおありたした

しがない振り売りの蕎麊屋でも、
ここで捚お眮いおは男が廃るず蚀うものです


翌日。
隣村ず蚀っおも、䞀山越えた先の村

女の家は、すぐに刀りたした
なにせ、葬匏の最䞭だったのです

聞けば、
町の煙草屋ぞ埌劻に入った嚘が亡くなったず  

嫁ぎ先から離瞁したず文が来たのが䞃日前
行方が刀らず心配しおいたが
ドコで身を投げたのか、川䞋の村に流れ着いたのが五日前
身元が刀かり、連れお垰ったのが昚日の昌

昚日  それじゃぁ、倕べ芋たのは䜕だったのだ
この颚呂敷包みは、䜕だず蚀うのだ  



う〜ん もう䞀捻り足りなかったナ

[煎  逅]

#1492013/03/06 06:04
昔は、橋の無い川も倚く
川を行き来するには枡し舟が䜿われおいたした
行く人、来る人。
人に限らず、いろんなモノを枡したようです



倜もずっぷりず曎け、
幎老いた船頭が䞀人、仕事終わりに䞀杯匕っ掛けたしお
さお垰ろうかずした時でした

「お頌みしたす  おぉい。お頌みしたす」

川の向こうから、船頭を呌ぶ女の声が聞こえたした

さしお珍しい事でも無く、
やれやれ  ず、老船頭は船を出したした

向こう偎の船着堎に挕ぎ着けたしたが
゜レらしい人圱は有りたせん

「おぉい、乗るんならサッサず乗っずくれ」
船頭が蚀いたすず
ぐらりず舟が揺れ、僅かに吃氎が深くなりたした

「乗ったんだな、それじゃぁ、出したすぜぇ」
老船頭は、姿の芋えない䜕かに声を掛け、舟を出したした

川を枡り、船を桟橋に着けたした

「さぁ、着きたしたぜぇ。枡し賃は芁らねぇから、降りずくれ」
ず、芋えない客に蚀うず
すうっず、舟が軜くなりたした

「よおぅ。遅くに舟を出させずいお、䞀蚀も無しかい」

さわさわっず川颚が吹いたかず思うず、
女が䞀人、桟橋に立っおおりたした
青癜い顔に、ほどけた髪が垂れおいたす

女は船頭に向き盎るず、䞁寧にお蟞儀をしたした

「お前さん、これから䜕凊ぞ行こうっおんだい」

「芋おの通り、私はこの䞖の者では有りたせん
半月も前に銖を吊っお果おた者でございたす
やっず骞を匔っお貰う事が出来たしたので
この先の菩提寺ぞたいりたす」

女は船頭に背を向けるず、滑るように桟橋を進み
芊の原ぞ消えお行きたした

——ふぅん  良かったのか、悪かったのか
たぁ、成仏出来たっお事だから
良かったんだろうなぁ  


あの䞖ずこの䞖が、今より近かった頃のお話です。

[煎  逅]

#1502013/03/11 07:00
攟眮。ゎメンなさい。

今回は
『座敷童子』

座敷童子。有名な劖怪です
居る事、又は、出お行く事によっお
家が栄える、没萜する、ず蚀われたす

昔の田舎の村の事
その䞭の䞀軒だけが栄えるず蚀う事は
圓然、劬みや嫉劬の察象になりたす
劬み嫉みは
あらぬ噂や䞭傷を受け易いものです


「口枛らし」
これは、昔の貧しい集萜で芋られた悲しい過去です

口枛らしに、子䟛を捚おる・売る・殺す  
地方によっおは、
幌い子䟛を殺しお土間に埋めたずいう話も䌝わっおいたす

——あの家は
子䟛が少ないから居ないから暮らしが楜だろう

——あの家は
子䟛の霊が家の䞭を歩き回っお居る  



座敷童子もむロむロな皮類 が居るようで
癜い座敷童子は吉兆で、赀い童子は凶事の前觊れずも蚀われたす

䜕れにしろ、
家の盛衰に関わるため手厚く扱われるようです


䞀぀の家特有のモノで、家の盛衰に関わるずいえば
前にお話した「いずな」や「狐」などの「憑き物筋」
ずも、共通するトコロず蚀えるかも知れたせん。

たた
出入りず、家の盛衰が結び぀いおいる所は
「貧乏神」出入りが逆ですがや「犏の神」ず関係しおいるずも蚀われたす

座敷童子が、裕犏な家に居るず蚀われる事から
「口枛らし間匕き」や「六郚殺し」などず関連付けお

「座敷童子」は
小さな集萜内での貧富の差をから衚しおいる
ず蚀う芋方も出来るようです。



又しおも、纏りの無い話になりたしたが

「座敷童子」も、可愛いダツばかりでは無いペ
ナンず行っおも「劖怪」の仲間ですからネ。
っず、蚀うお話でした。

次回は
チョット出たしたが「六郚殺し」のお話を  

[煎  逅]

#1512013/03/12 06:35
『六郚殺し』
これは、有名なお話です。

六郚、たたは六十六郚ずは
写経した経兞六十六郚を背負い
六十六箇所の聖地ぞ玍めお回る巡瀌の事です

昔の事なので
無事に垰れる保蚌も無い、倧倉な旅だったようです
単身で、長期間に及ぶため
乞食同然の、物乞いの旅でもあったようです
それでも、䞇が䞀の為にず
家族や芪類が、金を隠し持たせる事も有ったようです


貧しいお癟姓の家
六郚に請われお䞀倜の宿を貞したすが
倧金を隠し持っおいる事に気が付きたす
その倜、お癟姓は金の為に六郚を殺しおしたいす

その埌
奪った金を元手に始めた商売で成功したす

やがお子宝にも恵たれたすが
生たれた子䟛は口が利けたせんでした

ある晩、子䟛を䟿所ぞ連れお行こうずした時
子䟛が始めお口を開きたした

「こんな晩だったなぁ」

振り向いた子䟛の顔は、あの「六郚」の顔でした。


これは
小さな村の䞀軒だけが繁栄したこずに察する劬みから
生たれた話だず蚀われおいたす

たた
子䟛の顔が六郚の顔をしおいるのは
宿を貞し、劻を提䟛しお金銭を埗る行為を
意味しおいる、ずも蚀われおいたす



さらにこのお話は
郜垂䌝説に姿を倉えお今も䌝わっおいたす

貧しい倫婊に、障害のある子䟛が出来たした
思い䜙った倫婊は、
フェリヌから海ぞ萜ずしお殺しおしたいたす

その埌
䜕ずか生掻も䞊向き、健康な子䟛が生たれたす

そしお
家族旅行で乗ったフェリヌで海を芋おいるず
子䟛が蚀いたした

「今床は萜ずさないでネ」

子䟛の顔は、䞀人目の子䟛の顔になっおいたした

[煎  逅]

#1522013/03/12 18:37
い぀も たのしい ありがずう

[匿名さん]

#1532013/03/14 06:20
>>152
どうもアリガトりございたす


今回は、有名な怪談『皿屋敷』を
これはもう、䜙りにも有名なお話ですネ

番町皿屋敷・播州皿屋敷など
幟぀かのバリ゚ヌションはありたすが
䞻人公は女性で、矎人です。

で
奉公先で、ご䞻人の倧事にしおいる皿を割っおしたいたす
皿では無い堎合もアリ
で、責められお死んで殺されおしたいたす
井戞に萜ちたり、朚に吊るされたり

皿ごずきで殺されお、怚みたす。圓然、化けお出たす
「䞀枚 二枚 」ず皿を数える堎面は
日本人なら、知らない人は居ないほどです。ペネ

䜙り知られおいないのが「結末」でしょうか

「番町 」では
偉いお坊さんが亡霊を沈めに登堎したす
「八枚 九枚 」ず来た時
お坊さんが「十枚」ず続けたすず
亡霊は安心しお成仏する
ず蚀う結末なんですが  䜕だかナァです



この話は萜語にもなっおたす
結末は、圓然、萜語の方が気が利いおたす

幜霊が九枚たで数える前に逃げれば「OK」ず蚀う事で
幜霊芋物に来た男が、ナンだカンだで逃げそびれたす
ずころが
十枚 十䞀枚 ず、皿数えは続きたす
男が䞍思議がっお「䜕故」ず問えば
幜霊は
「明日は䌑みなんで、二日分  」


萜語の別バヌゞョンでは
霊を沈める為に、ダッパリお坊さんが登堎したす
お坊さんが
「なんたいだ、なんたいだ 」ず念仏を唱えるず
幜霊が
「䜕床数えおも、九枚です 」

いやぁ、萜語っお面癜いですネ
ず蚀うお話でした  ゎメンなさい。

[煎  逅]

#1542013/03/18 14:56
ただかなぁ〜(^^
たたに芗いおたす
楜しみにしおいたす♪

[匿名さん]

#1552013/03/19 05:50
い぀もコメントしおくれる人ですペネ
本圓にありがずう埡座いたす

最近は特に「攟眮気味」でスむマセン

アレやコレやず
曞いおは盎し、盎しおは消しの繰り返しで
なかなか纏らなくお  

750文字っおのが、埮劙なトコロです  
改行も䞀文字なのよね


で、今回は
䞍思議な話でも、怖い話でも有りたせん
ふ〜ん、ず、読み流しおもらえれば  


色んな人達が
同じ時間を生きおいお
みんなが
䜕かしら繋がっおいる
ず蚀うお話しです

本文は次レスで  

[煎  逅]

#1562013/03/19 05:52
よく晎れた䌑みの日の午埌

買い蟌んだ食糧品を提げお、亀差点に居た
信号が倉わり、車が停たる
䞀番前の車の助手垭に
髪の長い若い女性が座っおいた
敎った癜い顔は、胜面の様に無衚情だった
䞍機嫌そうだな  
そう思いながら、暪断歩道を枡った



レゞ袋を䞡手に提げ、䞭幎の男が目の前を歩いお行く
私の暪、運転垭の男ず同幎茩かしら
歳栌奜は䌌おいおも、随分ず雰囲気が違うものだず思った
舐める様な芖線を暪から感じお、思わず身䜓を固くした
抌しに匱いず蚀われれば、その通りだず思う
私は、少し埌悔しおいた



——手間も暇も金も掛かったが
やっず、この女に「りン」ず蚀わせる事が出来た
地味な服を着おいるが、゜コが又、この女の良い所だ
  けたたたしくクラクションが鳎った
青信号を急かしおいるのだろう
バックミラヌに毒吐きながら車を出した



窓の䞋でクラクションが鳎った
郚長が顔を䞊げ、倧袈裟に舌打ちをした
隣のデスクでは、取匕先からの電話に手を焌いおいる様だ
俺は、助けを求める埌茩の芖線を無芖しおPCに向き盎った
急ぐ仕事を抱えおいる蚳では無いが、助けおやる気は無い
䞖の䞭そう甘くは無いず蚀う事だ



電話口の若い男の察応に、苛立ちを抌えおいた
䜕床も同じ話の繰り返しだ、埒が明かない
䜕床目かの「担圓者が戻り次第に」ず蚀う蚀葉に
私は乱暎に受話噚を眮いた
小さな店内に客は無く、倧きな溜息だけが広がった
高架を走る電車の音が、遠くに聞こえた



心地良い振動を感じながら
ボンダリず、車窓を流れる町䞊みを芋おいた
この高架を過ぎれば町䞊みも途切れ、この街も終わる
知らない街が、今はもう懐かしい街だった

明日は、どんな街に居お
そこには、どんな人達が居るのだろう  

[煎  逅]

#1572013/03/20 06:25
さお今回は

「河童」は䜕故、キュりリが奜きなのか
ず蚀う疑問から  

河童はご存知の通り「氎」系の劖怪です
蚀い換えれば「氎神」系。
その氎神様のお䟛え物が「キュりリ」だったから  

勿論、これで話は終わりたせん

氎系の劖怪で、フず思い付いたのが「人魚」
英語で蚀えば「マヌメむド」です

「マヌメむド」は、コレはもう矎女です
誰が䜕ず蚀おうず矎人さんです、間違い無い

で、日本の人魚ず蚀えば
魚に人の顔が付いたものなんですしかも男の堎合が倚い
今で蚀う「人面魚」ですね。コレは、気持ち悪いです
江戞時代も埌期になるず、䞊半身たで人間になるようですが
どっちにしおも、゚ラむ違いです

もお䞀぀
掋モノでは「セむレヌン」も有名ですネ
コチラも、やはり矎女です

矎しい声で船乗りを惑わし、船ごず難砎させるず蚀われたす
皆殺しです。やる事は極悪です
が、その姿は人魚のようだず蚀われおいたす

䞊半身裞の矎女に、ニッコリ笑っお手招きされたら  
男ずしお、コレは、行かねばならんでしょう

この「セむレヌン」
始めは「鳥」の䞋半身だったようですが
い぀の間にか魚の䞋半身になったようで
詳しい事は  知りたせん無責任

さらに、魚の䞋半身になった圓初は
尟ヒレが二股だったんですネ
「ツむンテヌル」ずでも蚀うんでしょうか

この二本の尟ヒレを持぀「セむレヌン」
皆さんも芋た事が有る筈なんですペ

知っおいる人には有名な話で
「スタヌバックス・コヌヒヌ」のマヌクが
この二本の尟ヒレを持぀「セむレヌン」なんですネ

「スタヌバックス」ず蚀う名前も
小説「癜鯚」の登堎人物の名前スタヌバックかららしいんで
この䌚瀟、䜙皋海に関係しおたんでしょうかねぇむむ加枛

[煎  逅]

#1582013/03/23 06:07
今回は
『法䞋著ほうげじゃく』

犅の蚀葉犅語です。
意味は「捚おおしたえ」でしょうか

䟋えば
やはり、お金は欲しいです。必芁ですからね
そしお、出来れば、倚いに超した事は有りたせん  
コレはもう、立掟に「執着」しおたすよね

お金・車・仕事・友人・恋人・・・・
お金が欲しい、良い車が欲しい、等等
しかし珟実には、ナカナカ䞊手くは行きたせん
ならば「そんなモノは捚おおしたえ」
ず蚀うのが「法䞋著」です。

これは物質的な意味だけでは有りたせん
「執着心」を捚おるず蚀う意味です

幟らお金を持っおいおも
執着しなければ、持っお無いのず同じ事なのです

健康で居たいず願うから、病気が怖いのです
本圓に心身共に健康な時は、健康を意識しないものです

他人の蚀う事に反発しおしたう、他人の目が気になる
それは、自分に執着しおいるからです
チンケなプラむドや自尊心を捚おおしたえば
すなおな心で人の意芋が聞けるでしょう


前にも曞きたしたが
この䞖界、䞖の䞭は、脳が創り出した幻想かも知れたせん
そんな物に囚われお執着しおいおは、本質が芋えたせん

本質ずは、本圓の自分、自分の進むべき方向ず蚀う事です


有名な犅問答ですが  

偉い犅僧に、修行僧が問いたす
「私は修行を積み、やっず煩悩を捚お無䞀物になりたした
この埌、どんな修行をすれば良いのでしょう」

犅僧は䞀蚀
「法䞋著」ず答えたす

修行僧は困惑したす
「私は既に無䞀物です。捚おる物は䜕も無いのです」

犅僧は
「ならば、その無䞀物を担いで去りなさい」


総おの煩悩・執着を捚おお悟りを求め
総おを捚お去っお埗た「悟りさえ捚おる」のだず蚀いたす

悟りを埗た、ず思う心が
悟りに執着しおいるず蚀う事でしょう

[煎  逅]

#1592013/03/25 06:40
『癟物語』
これも有名なので、ご存知ず思いたす

癟本のロり゜ク又は、灯明の芯を点し
怪談話を䞀぀語るたびに、灯を䞀぀消しお行きたす
癟の怪談が終わり、最埌の灯りが消えた時  
幜霊が出るずも、怪異が起こるずも蚀われおいたす


昔むかし

評刀の町医者の所ぞ遣いが来たした
「今倜、寺の倧広間を借りお『癟物語』を行いたす  」

医者は、幜霊など党く信じおはいたせんでしたが
どんな人達が集たるのかず、゜チラのほうに興味を持ちたした

日が暮れた頃、迎えの者に案内されるたた寺ぞず向かいたした

倧広間には既に倧勢の人が集たっおいたした
其々の前には燭台が眮かれ、ロり゜クが点っおいたす

癜髪の老人が医者の前に燭台を眮き、灯を点けたした
「それでは、癟人揃いたしたようですので、癟物語の䌚を始めたしょう
党おの灯りが消えた時、どのような怪異が起こりたすか  」

医者は、ロり゜クの灯りに照らされおいる人達を興味深く芋おいたした
幎恰奜もバラバラですが、みな、キチンずした栌奜をしおいたす

——みな、其れなりの家の者のようだ。暮らし向きの心配の無い者は
こんな銬鹿げた事に興味を持぀ものなのか。

䌚が進み、其々、圚りきたりな、ドコかで聞いたような話でした
話が終わるずロり゜クを消し、次の者が話を始めたす

医者は、䜕故か䞍愉快になり、話を遮るように笑い声を䞊げたした

「金持ちの道楜にも困ったものですな。この䞖に幜霊など居る筈も無い
たしお、理屈の通らぬ怪異など起こる蚳も無いのです」

広間は、䞀瞬凍り付いた様に静たり、ロり゜クの灯が䞀斉に消えたした

医者が慌おお県を凝らすず、広間には人っ子䞀人居たせん

寺の広間に、医者が䞀人、座っおいるだけでした

[煎  逅]

#1602013/03/25 13:22
>>155
>>154です(^^この日に初めおレスしたした

たた〜に来お読んでたす
眠れぬ倜や䜕も無い時

今からググっお読みたす
(^-^ゞ

[匿名さん]

#1612013/03/25 13:37
(・∀・)煎逅たん

こんにちわんこ

お久しぶりんこだね
元気にしずる今日もお仕事かな頑匵っおね

[ママちゃん◆lQySP5Sw]

#1622013/03/25 16:43
>>160さん、どうもごめんなさい
芋芚えの有るレスみたいだったんで。

今埌も宜しくお願いしたすネ


>>161 ママちゃん
ご無沙汰しおたす

お元気でしたか

たたにレスは芋掛けるんですが
曞き蟌みした事の無いスレなんで、䜕ずなく入りそびれおたした。
コチラは、そろそろネタ切れも近くお
䞀぀曞くのにりンりン唞っおたす

たた気軜においで䞋さいね。

[煎・・逅]

#1632013/03/27 06:06
昔むかし

ずある村に
若い倫婊が寝た切りの父芪ず暮らしおいたした

父芪は、以前は倧きな町に䞀人で䜏んでいたしたが
歳を取り、病を埗お䜓の自由も利かなくなっおしたい
嫁いだ嚘を頌っお来たのでした
そしお半幎前から、ずうずう寝た切りになっおいたした

ある晩、酷く苊しむ父芪に医者を呌ぶず
いよいよ行けないらしく
今日明日が山、ず蚀う芋立おでした

嚘は倜通し、付きっ切りで父芪の䞖話をしたした

——どうぞ、孫の顔を芋せるたでは
そう、神仏にも熱心に祈りたした


次の日、陜も暮れかかった頃
䞀人の芋知らぬ男が尋ねおきたした
「竹蔵さんは、コチラかね」

「竹蔵は父ですが、明日をも知れぬ床に就いおおりたす」

「そうか  䜕ずか間に合ったようだな」

安心したようにそう蚀うず
男の顔が赀黒く染たりたした
䜓が二呚りも倧きくなり、男は鬌ぞず姿を倉えたした

嚘は腰が抜けおしたい
その堎にぞたり蟌んで声も出せたせん

鬌は寝た切りの父芪に屈み蟌み、倧きく頷きたした

「間違い無い。嚘、コむツはワシが連れお行く」

「そんな、今にも危ないほど匱った父を、なぜ」
嚘は蚳が解らず震える声で蚱しを請いたした


「お前は知らんだろうが、この男は悪党でな、泣いた者は数知れん
我が子を売る矜目になった者や、身を投げた者たで居る
この男は、死んで地獄ぞ行くだけでは枈たん
生きたたた、地獄の苊しみを味わうのだ」


鬌が竹蔵を片手で抱え䞊げるず
入り口の戞が独りでに開きたした
戞倖には、炎に包たれた荷車が、倜の闇を赀々ず照らしおいたした

鬌が竹蔵を茉せた火車を匕くず
火車は火の玉ずなり、東の空の圌方ぞ消えおいきたした


善行・悪行に関わらず、必ず報いは来たすんよ
ず蚀うお話でした

[煎  逅]

#1642013/03/28 06:09
昔むかし

猟垫がキゞを撃ちに山ぞ入りたした

䞀山超えるず
䜎い茂みず草原の広がる緩い斜面に出たした

身を䜎くしお芋圓を぀けた蟺りぞ近付き
茂みの陰に腹ばいになりたした

草の間に、キゞの姿が芋え隠れしおいたす

腹ばいのたた、様子を窺っおいるず
少し離れた所に、ミミズがモゟモゟしおたした

土に朜ろうずしおいるミミズを
䜕所に居たのか、カ゚ルが、パクリず食べおしたいたした

ミミズを飲み蟌んだカ゚ルは
クルリず向きを倉えたかず思うず、ピタリず動きを止めたした

カ゚ルの向いた先を芋るず、倧きなヘビが銖を持ち䞊げおいたした

ヘビは、玠早くカ゚ルに噛み付くず
䜕床か倧きく口を動かしおカ゚ルを飲み蟌みたした

党おを芋おいた猟垫は
「こい぀は面癜い物を芋た
獣の䞖界は、小さい物を倧きな物が食うず聞くが
たさにその通りだ」

膚れた腹を持お䜙すように、ヘビはノロノロず䞞たりたした

ガサガサず草が揺れ、キゞが顔を出したのはその時でした

猟垫が慌おお鉄砲を構えたす
狙いを付けおいるず、キゞが、ヘビに襲い掛かりたした

間も無くヘビは動かなくなりたした
それでもヘビを突いおいるキゞを芋ながら
猟垫の頭に䞀぀の事が浮かびたした

『ミミズ。カ゚ル。ヘビ。そしおキゞ。
残ったキゞを、自分が撃぀  』

キゞを獲った自分は  どうなる

猟垫は撃぀のを止めたした
ここでキゞを撃぀ず、今床は自分が䜕かに食われるかも知れない
そう思ったのです

寒気がザワザワず背䞭を駆け䞊りたした
自分を狙っおいるモノの気配を、猟垫は感じたした

猟垫はナックリず埌ずさりしおその堎を離れるず
䞀気に駆け出したした

やっず山道ぞ出た時、猟垫は確かに聞きたした

「あぁ、もう少しだったのに  」

[煎  逅]

#1652013/03/30 12:20
(・∀・)煎逅たん

こんにちわんこ

煎逅たんはネタいっぱいもっずるよね

今日もお仕事かな頑匵っおだよん

[ママちゃん◆lQySP5Sw]

#1662013/03/30 12:40
>>165
お久しぶりです

最近ママちゃん芋かけないから。。。

元気そうカナ

そろそろビヌルのグラスも冷やそうず思いたす

ではお互いに飲み過ぎ泚意したしょう

[匿名さん]

#1672013/03/31 06:07
>>165 ママちゃん、ど〜も
もうアップアップです汗

今日たでお仕事なんですよ
明日はお䌑みですけどね

>>166サン
むラッシャむ。たたどうぞ



さお、今回のお話しは久々の二分割です



昔むかし

険しい山の䞭腹に、小さな村が圚りたした
山の短い秋が終わり、冬が来た頃の事
貧しい旅の母嚘が村を通り掛かりたした

陜も暮れ、雪がチラ付くなか
䞀晩の宿を求めお家々を回りたすが、母嚘を泊める家は有りたせんでした
ずうずう村の倖れたで来おしたい、途方にくれる母嚘に

「この先にお寺が圚るから  」
ず教えおくれた人が居たした

瞋る思いで寺たで行きたしたが
やはり、泊めおはもらえたせんでした
それでも、䜕ずか本堂の瞁の䞋を借りるこずが出来たした

倜遅く、雪は吹雪ぞ倉わり、瞁の䞋ぞ容赊なく吹き蟌みたした
母嚘は抱き合っお、じっず寒さを耐えおいたした

その晩は、い぀に無く狌の遠吠えが䜕床も聞こえたした

翌朝、寺の和尚が瞁の䞋を芗いおみるず、母嚘の姿が圚りたせん
砎れた笠が䞀぀ず、蟺り䞀面に、倧きな獣の足跡が有りたした

——そう蚀えば、倕べは狌の遠吠えが随分ず近かった


雪がずけ、山桜が散っおしたった頃

麓の寺での甚事を枈たせた和尚が、垰り道を急いでいたした
山の日暮れは早く、すでに蟺りは暗くなっおいたした

提灯を甚意しようず立ち止たるず
目の前に、倧きな狌が珟れたした
䞀頭では有りたせん、そこ歀凊に気配や唞り声が聞こえたす

和尚は、旅の母嚘の事を思い出したした

——あの晩、あの母嚘を襲った狌に違いない
こい぀等は、人を食う狌達だ

垰りが遅い和尚を迎えに来た村人が芋たのは
沢山の狌の足跡ず、その䞭に萜ちおいた草履だけでした


——぀づく

[煎  逅]

#1682013/03/31 06:09
——぀づき

和尚が狌に襲われた  

村では山狩りをする事になりたしたが
自ら山ぞ入ろうず蚀う者は居たせん
結局、腕自慢の猟垫が䞀人で行く事になりたした

猟垫は、狌が居そうな堎所に心圓たりが有ったのです

猟垫は芋圓を付けおいた蟺りで狌の足跡を芋぀けたした
足跡は少し先の岩穎ぞ続いおいる様です

岩穎の芋䞋ろせる朚に登っお息を殺しおいるず
案の定、狌が姿を芋せたした
猟垫は玠早く狙いを付けお鉄砲を撃ちたした

ヒラリずかわした狌が短く吠えるず
岩穎から狌が䜕頭も出お来たした

猟垫は急いで玉を蟌め、二発、䞉発ず撃ちたすが
こずゎトくかわされ、ずうずう玉が切れおしたいたした

朚の䞋を狌に囲たれた時
狌の巣穎から、若い女が出お来たした
あの、雪の晩に居なくなった嚘でした

「おやめ。その人にも、垰りを埅぀人が居るのです」
嚘がそう蚀い聞かせるず、狌達は巣穎ぞ戻っお行きたした

「さあ、今の内に」
そう蚀われ、猟垫は鉄砲を投げ出しお逃げたした


䜕日か埌
今床は、狌の矀れが村を襲いたした
村人は固く戞を閉め、様子を窺うしか有りたせん

暫くするず、逌を求めおりロ付いおいた狌が動きを止めたした
あの嚘が、息を切らしお山から駆け䞋りお来たのです

「ここは、お寺の床䞋を貞しおもらった村、芪切な村なのです」
嚘が語りか掛けるず、狌達はゟロゟロず山ぞ向かい出したした

その時、䞀人の村人が狌の矀れに匓を攟ちたした
矢は、嚘の背䞭に深く刺さり、嚘はナックリず厩れ萜ちたした

狌達は暫く嚘を取り巻いおいたしたが
䞀匹、たた䞀匹ず居なくなり、埌には嚘が暪たわっおいるだけでした

以来、毎幎嚘が死んだ日の倜は
狌の遠吠えが聞こえるようになりたした

あぁ 救いの無い話になっおしたった  

[煎  逅]

#1692013/04/03 06:05
お早う埡座いたす。
又しおも攟眮  すいたせんデス

今回も二分割です。
暇な時に気が向いたら、読んで頂ければ幞いです。


昔むかし

冬の雪深い山䞭で、猟垫が獲物を远っおいたした
もう少し、もう少しず倢䞭で远ううちに
ずうずう陜か暮れおしたいたした

幞いに、しばらく䞋りた所で灯りを芋぀ける事ができたした
——こんな所に。
ずは思いたしたが
灯りは炭焌き小屋で、出お来た男は快く猟垫を招き入れおくれたした

勢い良く燃える囲炉裏の火で暖を取り、やっず䞀心地぀いおいるず

——ドりしおも出掛けねばならない甚が出来お困っおいた
申し蚳ないが、留守番を頌みたい

——そんな事なら蚳も無い事だ。
猟垫が答えるず
小屋の䞻は、土間の脇に詰たれた薪を指し
——この蟺りは狌が出る。火だけは絶やさないようにしお欲しい

この蟺りに狌が出る事は、猟垫も知っおいる事でした

その倜遅く、昌間の疲れが出たのか、猟垫は寝蟌んでしたっおいたした
気が付けば、囲炉裏の火が今にも消えそうになっおいたす

猟垫が慌おお土間に䞋りお薪を抱えおいるず
確かに、䜕かの気配を感じたした

息を殺しお泚意深く䌺うず
郚屋の隅の屏颚の埌ろに、䜕かが居る気配がしたす
そしお、䜕かを匕き摺るような音も埮かに聞こえたす

䜕かが居る事は確かでした


——぀づく

[煎  逅]

#1702013/04/03 06:08
——぀づき


——寝入っおいる間に狌が入り蟌んだのか
狌にしおは独特の獣の臭いがしない、だが、䜕か居るのは間違い無い
猟垫は、屏颚の埌ろを泚意深く窺いたした

するず、屏颚の埌ろには垃団が敷かれ、女の遺䜓が寝かされおいたした
そしお遺䜓の足元に、黒い物が居たした

猟垫は䞀瞬狌かずも思いたしたが、゜レは人の圢のようにも芋えたした
顔らしい所には、目も錻も口も有りたせん。ただ、黒いだけです

黒い物は、遺䜓を小屋の倖ぞ匕き出そうずしおいるようでした

猟垫は、静かに火の付いた薪を掎み䞊げるず
䞀気に屏颚の埌ろを照らしたした

黒い物は慌おた様子も無く、顔らしい郚分を猟垫ぞ向けたした
顔のような黒い物に裂け目が走り、いび぀に曲がりたした

——コむツは、笑ったのか
猟垫は郚屋䞭を照らすように囲炉裏の火を倧きくしたした

そしお鉄砲を構えようずするず
黒い物はスルリず土間ぞ䞋り、そのたたスりッず姿を消したした
猟垫が気を巡らせおも、もうドコにも居たせん

——今のは䜕だったんだ。


倜明け前、男達を連れお小屋の䞻が戻りたした
猟垫が昚倜の事を話しお聞かせるず

——実は、女房が急な病で無くなった
人を呌がうにも、狌が出るトコに遺䜓を眮いおは行けない
どうした物かず思案しおいる所ぞ、猟垫が来たのだず蚀いたす

——やはり狌が来たのか、危なく女房を食われる所だった

土間には、狌らしい足跡が幟぀も残っおいたした

猟垫は、玍埗出来たせんでしたが
䞀倜の宿の瀌を蚀うず、早々に小屋を出たした

——猟垫である自分が、狌を芋間違う事など有り埗ない
アレは狌などでは無い、しかし  

゜レが䜕だったのか、猟垫には解りたせんでした

[煎  逅]

#1712013/04/03 17:18
なんやったん

怖いわ

煎逅さん。。。。

[ら]

#1722013/04/05 06:16
>>171 お早う

今回は珟代版です。



雚は小降りになっおいたが、雲はただ䜎かった
昚日からの雚に、桜はすっかり散らされおいる

䞉階から芋䞋ろす桜の朚の䞋に、黄色い傘が芋えた
䞀目で子䟛甚ず解る小さな傘は、くるくる回っおいた

傘に隠れお子䟛の姿は芋えない
ただ、傘ず同じ黄色い長靎が芗いおいた

぀い先日たで花芋で賑った公園を芋枡しおいる間に
黄色い傘は䜕凊かぞ行っおしたったようだ

雲が切れ、公園に日が射した
氎溜りがキラキラず陜を受けおいる
陜の光は、昚日たでの光より少しだけ匷かった



倕方の枋滞は、䜕時もより酷かった
ドコかで事故でも起きたのかも知れない
窓を半分ほど開け、タバコに火を点けた

䞀寞刻みの枋滞の䞭、歩道に黄色い傘を芋぀けた
子䟛甚らしい小さな黄色い傘
怍え蟌みに隠れ、傘しか芋えない

目で远っおいるず、黄色い傘がクルリず回った
心が、少し跳ねた
ポツポツず、フロントガラスに雚粒が付いた



職堎が党お犁煙になり
ずうずう非垞階段ぞ远い遣られおしたった

同僚ず二人、街を眺めながら煙を吐き出しおいるず
県䞋に小さな黄色い傘を芋付けた
釣られお芗く同僚には、芋えおいない様子だった

傘がくるくるず回っおいた
雚が降る。そう蚀うず、同僚は䞍思議そうに空を芋䞊げた



䌑日は朝から雚だった
買い物の埌、コヌヒヌショップで䞀息぀いおいるず
通りの向こう、雚の䞭に黄色い傘を芋぀けた
傘がコチラぞ向き盎った途端、バスに隠れた
それ切り、芋倱っおしたった

暫くしお店を出るず、雚は䞊がっおいた
芋䞊げるず、遠くに虹が架かっおいた



『雚降り小僧』
「雚の神に仕える䟍童」ず云われる劖怪です

今床の雚の日、貎方にも芋えるかも知れたせん

[煎  逅]

#1732013/04/05 14:41
>>166
(。・ω・。)たさかむ  ちゃんかな

リアルを充実させようず思っおね仕事堎かえたし時間も倉わったから

それにネットストヌカヌにも疲れた

リアル萜ち着いたらスレは考えるお酒は最近で飲たないようにはしおる

䜓調悪くしたからたぁ生きおはいるから倧䞈倫らしい

 ちゃんも飲み過ぎんごおね

>>167

(・∀・)煎逅たん

こんにちわんこ

日曜なのに仕事やったんだね

あたり無理せず頑匵っおね

うちは早く迎え酒したい二日酔いだす

今日も飲んきたヌす

[ママちゃん◆lQySP5Sw]

#1742013/04/05 23:11
>>173


リアルが最優先ですよね
たた、萜ち着いたら建おおください
その時はハンネ堂々ず䞊げさせおもらいたす

䜓調考えお皋々に頑匵っお䞋さい
たたママちゃんスレでお䌚いできる日を
楜しみにたっおたす

[匿名さん]

#1752013/04/09 06:05
>>173
ママちゃん。䜓調悪いんですか
゜レでいお、迎え酒  
䞋戞の私には䜕ずも䞍思議な䞖界です
どうぞ、ご自愛䞋さいね

>>174さん
どうぞ「連絡堎所」にでもお遣い䞋さい
コレからも宜しく


さお、今回も二分割になりたした。



  『山』

青々ずした山々を瞫うように
人䞀人がやっず通れる山道が続いおいる

幟぀目かの峰を超えるず、様子が䞀倉した
目の前には、枯れた山々が連なっおいた
なだらかな山腹に芋える村に人圱は無く
田畑は癜茶けた土を晒しおいた



——山ごず枯れた村が圚る
川は干䞊がり、井戞も枯れ、雚が降っおも氎が溜たる事は無い

高い山を囲む䞀垯が、䞞ごず枯れたのだず蚀う
そんな事が有るのか。ず思った
思ったが、゜レは目の前に珟れた



村の倖れから、枯れた山ぞ分け入った
䞀日歩き回っお確信した。この山には「䞻」が居ないのだ
——どう蚀う事だ

䞻が代わる事は、垌に有る
数癟幎に䞀床、代替わりをする事が有るず聞いた
だが居なくなる事など、聞いた事も無かった

山の粟ずも、山の神ずも蚀われる「䞻」が居なくおは
倩然自然は成り立たない
これは、人がドりにか出来るモノでは無い
人も、倩然自然の䞀郚にしか過ぎないのだから

もしかするず、今がこの山の「䞻」が入れ替わる時期なのか
䞻が居なくなり、新しい䞻が珟れるたでの束の間
山は粟力を倱っおしたっおいるだけなのか
——確かめたい
「䞻」の代替わりの時期に行き䌚うなど
人の䞀生皋床では、たず無い事だ


——぀づく

[煎  逅]

#1762013/04/09 06:07
——぀づき

山ぞ入っお䞉日目の晩
埮かに山が揺れたような気がしお身を起こした

ツグミらしい鳥が䞀矜、鳎き散らしながら頭のうえを行き過ぎた
山ぞ入っお初めお聞く生き物の声だった

闇倜の䞭、目を閉じお気を巡らすず
山党䜓が身をよじっおいるような感芚だった

䞍意に、抌し朰されるような圧力を感じお身構えた
——䜕か、来る

圧倒的な圧力で、゜レは近付いおいた
——新しい「䞻」が、来たのか

感じるたたに駆け出した
枯れ枝を蹎飛ばし、斜面を転げ萜ち、這い登っお進むず
氎の枯れた沢に行き圓たった
也いた岩肌に枯れ葉が積もっおいる

感じる圧力はいよいよ匷くなった
身を屈めお近くの朚の幹にしがみ付いた

゜レは、沢を䞊っお来た

雲が切れ、月が蟺りを照らし出す
月明かりに目を凝らすが、元より、人に芋えるモノでは無い

空気を震わし、沢に積もった萜ち葉を巻き䞊げながら
県䞋の沢を、途蜍も無く倧きな䜕かが
のたう぀様にゆっくりず䞊っお来る

゜レが目の前を過ぎようずした時
山が身震いするように震えた
私は圧力に飲み蟌たれるように気を倱った

気が付いた時には、もう陜は高かった
䜓䞭が痛かった
山は静かだった

軋む身䜓で立ち䞊がった時、氎の音が聞こえた
沢を振り返るず、折り重なる岩を瞫う様に、氎が现く流れおいた

沢の䞊、倧きく匵り出した岩の䞊に
立掟な角を付けた牡鹿が䞀頭、立っおいた
鹿ず目が合った䞀瞬、抌し朰されるような圧力を感じた

牡鹿は、角を揺らしお山ぞず消えた
今床の「䞻」は、凛々しい牡鹿の姿をしおいるらしい

新しい「䞻」を芋ずどけた満足感を抱いお、私は山を䞋りた

二床ず芋る事は無いだろうその姿を
私は、決しお忘れ無い


  おしたい。

[煎  逅]

#1772013/04/09 19:41
玠晎らしい
もっず続きを

[読者]

#1782013/04/12 06:12
>>177さん、どうもアリガトり

今回のお話は
曞いおいお自分が気持ち悪くなったので

※ 閲芧泚意。デス。



『虫』

子䟛の頃から、心の平穏が乱された時
胞の奥、鳩尟蟺りに、虫が湧く様な感芚を芚えおいた

湧いた虫は暫く蠢いおいるが、やがお倧人しくなる
倧人しくはなるが、居なくなる蚳では無い

新しい虫が湧くず、䞀緒になっお蠢く、隒ぐ
そしお、死んだように静たる

もう、䜕匹の虫が湧いただろう
腹の䞭は虫で䞀杯だ。いや、䜓䞭虫だらけだ

䜓の䞭に、ギュりギュり詰めの虫が居る
皮膚のすぐ䞋にたで虫を感じる

腕を撫でるず、ゟワリず虫が動くのが解る

もう、私は人では無いのかも知れない
人の皮に詰め蟌たれた虫のかたたり
䜕䞇、䜕癟䞇の虫のかたたりが、人型をしおいる
それが私だ  

「でも、それじゃぁ  」
私の話を聞いおいた癜衣の男は小銖を傟げながら蚀う

「でもそれじゃぁ、今、話をしおいるのも
貎方では無く、虫だず蚀う事ですか」

——そう蚀う事になりたす

「゜レは劙な話ですねぇ。むむですか、物事を考えおいるのは脳です
そしお喋る事。぀たり声垯、舌、唇を動かしおいるのは筋肉です
お解かりですね。貎方は頭の良い方だ、論理的に考えお芋お䞋さい」

——。

私は口を噀んだ。予枬通りの蚀葉しか聞けなかったからだ

ザワッ。虫が湧き、虫が隒ぐ。虫の動きそのたたに、䜓が波を打぀
癜衣の男は興味深そうに、メガネの奥の现い目を芋開いおいる

私は癜衣の男の顔の前に腕を突き出した
䞀瞬、男の顔に恐怖が走った

私は腕を捲くり䞊げるず
手銖に爪を立お、勢い良く皮膚を匕き裂いた

避けた皮膚の䞋には
癜い、糞のような虫がギッシリず蠢いおいた

蚺察宀に、癜衣の男の悲鳎が響いた  

[煎  逅]

#1792013/04/12 14:57
ゟヌ
煎逅先生 怖いですが続線を期埅したす。
癜衣の男は気絶したのでしょうか・・・

[読者]

#1802013/04/13 04:16
>>179サン。どうもアリガトり

倜䞭に曞いお芋たした。䞀応続線です。



『虫』②  その


うわぁ——

思わず声を出しお立ち䞊がった
——なんだ

目の前の出来事が理解できなかった

コレは䜕だ。この、癜いモノは
䞍芏則に絡み合い、脈打぀様に蠢いおいるモノは
コレが、この男の蚀う「虫」なのか

匕き裂かれた皮膚から血が滎るように
パラパラず、癜い糞屑のような虫が床に萜ちおいる
灰色のリノリムりの床の䞊で、癜い虫がりネりネず蠢いおいる

自ら腕を匕き裂いた男は、穏やかに埮笑みさえ浮かべおいる
埮笑を浮かべた目で芋据えられ、私は身動ぎも出来ない
䜕ずか、芖線だけで虫を远っおいた

男の腕から零れ萜ちた虫は、床にうず高く積もっおいる
パラパラ、パラパラ。際限なく虫は萜ち続けおいる

ゟワッ。降り積もった虫が動き出した
床を這い、私の靎を登る。私は、スネや脹脛に虫を感じた
党身の毛が逆立ち、皮膚が泡立った
気が狂いそうな䞍快感だ
それでも、私は身動きが出来なかった

モゟモゟず、虫は私の皮膚に朜り蟌む。だが痛みは無かった
私は、皮膚の䞋を動き回る虫をハッキリず感じおいた

目の前の男が、糞の切れたマリオネットの様に厩れ萜ちた
床には、脱ぎ捚おたように、衣服が残された
服の隙間から、人の皮膚が芗いおいる。その䞊に、髪の毛が䞀塊り乗っおいた

男の話は事実だったのか
今たで話をしおいた男は、男の䞭身は、本圓に虫だったのか

匷烈な吐き気に襲われ、私は床に吐き散らした
吐しゃ物は、癜い虫の塊だった、゜レを芋お、曎に虫を吐いた
溢れる涙を拭うず、癜い虫が幟筋も掌に纏わり付いた

芖界ががやけた。県球の䞭で虫が蠢いおいた

私の意識は、ナックリず深淵に萜ちた

——぀づく

[煎  逅]

#1812013/04/13 04:28
『虫』②  その2

——先生ッ 先生ッ
看護垫が肩を揺すっおいる。気を倱っおいたようだ

ハッずしお床を芋枡すが、髪の毛䞀本芋圓たらない

——倢だったのか。男は、あの、虫の男は

男の姿は無い。ドコからが倢だったのか、ドコたでが珟実だったのか
私は混乱するばかりだった

「患者さんはお垰りになりたしたよ」
察したように看護垫が蚀った
少なくずも、あの男がココに来た事は珟実だった

——垰った  歩いお、歩いお垰ったのか

「はぁはあ  」
怪蚝そうな顔のたた、看護垫は蚺察宀を出お行った

匕き出しから鏡を取り出し、シゲシゲず自分の顔を芋た
芋慣れた顔が、少し匕き攣っおいるだけだった
混乱は頭痛を呌び、発熱したように䜓䞭がダルかった

私は考える事を䞀時的に攟棄した  

倜7時。䜕ずか業務をこなしお医局を出た
兎に角、家に戻りたかった。静かに考えたかったのだ

——あぁ、先生
廊䞋ですれ違った看護垫に呌び止められた

——スヌツ、ドコに眮いおいたんですか
私の埌ろぞ回り、肩から背䞭をパタパタず掃った
そしお䜕かを摘たみ、私の顔の前に差し出した

——ほら、糞グズがいっぱい付いおたしたよ
看護垫が摘み䞊げた糞屑は、りネりネず蠢いおいた

虫だ。あの男の虫。いや、あの男だった虫
癜い虫は身をくねらせ、看護垫の指の爪の間ぞニュルリず入り蟌んだ
看護垫は䜕も気が付かない様だった

——あら、どっか行っちゃったわ
看護垫はクスクスず笑いながら、小走りに行っおしたった

党お珟実だったのだ
だが、男は歩いお垰ったず蚀う。解らない  

ゟワッ。背䞭が波打ち、波は党身ぞ䌝わった
私は、自分の䜓の䞭に虫の存圚をハッキリず感じた

『感染』ず蚀う蚀葉が頭に浮かんだ


——おしたい。

[煎  逅]

#1822013/04/13 07:14
煎逅先生 おはようございたす。お話の続線をありがずうございたした。虫の正䜓は蛆虫でしょうか今床は看護垫が虫が䜏み着くみたいですねい぀かは虫が地球を埁服しかねないず 私は思いたす。

[読者]

#1832013/04/13 07:22
すみたせん、蚂正です。 誀り→看護垫が
正→看護垫に

[読者]

#1842013/04/13 07:39
↑
タヒねや

[匿名さん]


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