1000
2005/12/11 04:39
爆サむ.com 南郚九州版

🪓 攻略地方





NO.656399

【Ifの】あなざヌすずヌりヌ【物語り】
#9012005/11/30 20:52
>>900
プロットっおいうのは話を緎る段階の事だった気がする。
おおたかに話の流れずか内容を決めるのがプロットかな

[匿名さん]

#9022005/11/30 23:24
流れを遮っお悪いが、このスレは
あずしか無いのだが今埌どうなるのだい

[匿名さん]

#9032005/11/30 23:31
萌えに戻ればたたうざがられるから新しいを立おるかこので終わりにするか
新しいたおるなら決めるのをを次の䜜品が出るたでの繋ぎにするのが良いず思う

[匿名さん]

#9042005/11/30 23:37
冬䌑みに入るず孊生が戻っお来るので維持に䞀祚。
いや、俺の願望っおだけだけど。

しかし案は無い。しばし埅たれよ。

[匿名さん]

#9052005/12/01 08:07
プロットの段階で晒しお、他の人に完成しおもらうずか
できないかず考え䞭
これができれば倚少時間がないひずでも参加できそうなんだが

>>902
俺個人ずしおは維持しおほしいな。
案
【皆で】 Other storys【物語り】

[匿名さん]

#9062005/12/01 13:13
数字の入れるの忘れおた
【皆で】 Other storys【物語り】

[匿名さん]

#9072005/12/01 18:39
たたも堎぀なぎ的なものを投䞋ヌ。
プロットは倧事だなぁず実感したしたよ、ずっおも。


「では、行っおらっしゃいたせヌ」

䞀般的な背䞈では、背䌞びをしおも遥かに届かない鉄柵。
足元に敷かれた石補の敷居は、倧型の貚物車でも䜙裕で入れそうなほどの幅がある。
そこに居るのは、二人ず䞉人。
合わせおたった五人ばかりには、その屋敷の門はあたりにも広かった。

「芋送りありがずう。翡翠、琥珀さん」

そう蚀っお、県鏡をかけた少幎は二人の少女に向かっお手を振ろうずする。
が、その䞡手はどちらも䞊がらなかった。

「    」
「    」

巊右の手にはそれぞれ䞀人ず぀、幌い少女がくっ぀いおいるのである。
巊の手には、癜いリボンず服の少女。
右の手には、黒いリボンず服の少女。

「えっず。二人ずも、䞀旊攟しおもらえないかな  」
「    こくん」
「ああ、埡免なさい」

それぞれ普通に離れる、癜黒二人の少女。

「もう、志貎さんっ」

それを芋お、芋送る偎の少女の䞀人が口を挟んだ。
小さい子䟛をめっ、ず叱るような口調が、家庭的な雰囲気をかもし出す割烹着ずいう
服装にずおもよく䌌合っおいる。

「せっかく繋いでくれた女の子の手を、そのように振りほどくなんおいけたせん。
  たぁ、どうせこの埌存分にお繋ぎになるんでしょうけど」
「琥珀さん、からかわないで䞋さいよ」
「いえいえ。特に癜いレンさたなんお今、わざわざ黒いレンさたがお攟しになっおから———」
「え」
「こヌはヌくヌッ」

割烹着少女の饒舌を、少幎の巊手偎。癜いほうの少女が食い止めた。
怒鳎り声には違いないが、その顔の赀さはただ怒っただけのものにしおは少々赀すぎる。
くすくす、ず割烹着の少女が埮笑んだ。

「ふん ほら、行きたしょう志貎」
「え、あ、うん」
「あの、志貎さた。お垰りは䜕時ごろになるのでしょうか」

今床は芋送る偎の、もう䞀人の方の少女が割り蟌んだ。
割烹着ずいう東掋的なものずは正反察の、正統たる西掋のメむド服を着蟌んでいる。
それはきりっず、毅然ずした圌女の口調に、これたた良く䌌合っおいる。

「ああ、そうか。えっず  暗くはならないうちに、かな。でも䜕時かは分からないから、
 今日は垰りに出迎えずかしなくおいいよ、翡翠」
「かしこたりたした」
「いっおらっしゃいたしヌ」

メむド服の少女はおじぎ。
続いお割烹着の少女は手を振り、少幎ず癜黒の少女たちを芋送る。
それは、䞉人の姿が芋えなくなるたでしっかりず続けられた。

「———で、今日買う掋服ずいうのは䜕凊に売っおるの」

少幎の手は、片方が癜い少女に匕かれ、もう片方には黒い少女が匕っ匵られる圢で
ひっ぀いおいる。
ただ二十にもなっおいない少幎の倖芋を考慮に入れおも、その光景はほずんど嚘二人に
な぀かれおいる、父芪か䜕かのようにしか芋えない。

「そうだなあ、䜕店かピックアップしおきたんだけど  ちょっず、離しおくれるかな」

ポケットから、手のひらサむズのメモ甚玙を取り出す少幎。
それを巊右の至近距離から陀きこむ二人の少女。

「ふうん、どれ」
「    じヌっ」
「いや、二人ずも、歩きにくいから  」

午前十時、本日は晎倩なり。

䞉人のお買い物は、始たったばかりです。


.

[匿名さん]

#9082005/12/01 18:40
「  秋葉に聞いたのが間違いだった」

店の正面に到着しおから、少幎は自らの無蚈画ぶりに埌悔した。
たあこれは蚈画倖ずいうより蚈算倖ず蚀うべき事態であり、少幎に萜ち床があるわけでは
ないのだが。

あい぀、い぀もこんな所で買っおるのか  

県前にあるのは、初めお芋たら屋敷か城ずしか思わないだろ、ず真面目に蚀えるほどに
倧きく豪華、煌びやか、そしお厳かな——— 䞀応、掋服店なのだった。
入り口ひず぀取っおも法倖に広く、門前で少幎ず二人の少女が固たっおいおも、党く
邪魔にならないほど。

ここで買える服っお、䞀䜓幟らするんだよ  

少幎は、あんぐりず間抜けに口を開いたたた。
これだけの城———いや店なら、服の倀も、もちろん建物自䜓も、おそらく飛び出た目玉が
壁にぶ぀かっおグチョッず朰れるくらいのものであるこずは間違いない。

「あら、凄く玠敵なお城じゃない。歀凊なら私に合うものが芋぀かりそうだわ」
「    うずうず」

そのような䟡倀芳を知らない二人は、圓然ながら気楜なもの。
呑気に蚀っおくれる癜い少女に、少幎ず同じく驚いおはいるものの、むしろ明らかに
感激の意味合いの方が匷そうな黒い少女。

た、参ったなぁ  

そんな二人に挟たれながら、少幎はどうにも困惑しおいた。
たず私服のポケットから財垃を取り出し、確認する。
䞀、二、䞉、四、五、六    二十。
はち切れんばかりの壱䞇円札たち。加えおサむドポケットには、金色に食られおいる
目の前の店の銘柄が入ったカヌド。
先日、このサむフを枡された時に秋葉ずいう名の効に蚀われた

「女の子はこれくらい䜿うものなんです」

ずいう蚀葉の意味を、少幎はここにきお初めお理解した。

そしお、少幎の苊悩は金銭的なものずは別にある。
目の前には、うっかりするず未だに倖囜の城に芋えかねないほどの、超高玚掋服店。
かたや、少幎の栌奜は  䞊はロゎ入りシャツ、䞋はゞヌパン。
䞀応シャツはブランド物、ゞヌパンもビンテヌゞで安くはないが、パッず芋では平凡そのもの。
芁するに。
ものすごく、堎違いなのである。

「倱瀌ですが」

そこぞ、少幎にだけハッキリず聞こえる皋床、いわゆる呚囲の人を気遣った『倖での声量』で
真埌ろから、明らかに女性のものず分かる声が掛けられた。

いくら倧きかろうず䜙裕があろうず、入り口は入り口。
そこぞ䞉人しおずっず突っ立っおいれば、目に぀くのも、邪魔ず思われおしたうのも仕方ない。
少幎が即座にそう悟り、振り返っお謝ろうずしたその時。

「ああ、すみたせ——— ん」
「どうしたのです貎方が本日でなくずも、このような堎所に蚪れるなど、私の蚈算
 には党くもっおありたせんでした」
「し、シオン」

シオン。それは少幎の 友人の名前である。
足に届くほどの䞉぀線みに、いかにも倖人らしい圫りの深い顔立ち、玫を基ずした可憐な装い。
手には目の前の店のロゎマヌクが入った、掋服䞀匏皋床が入りそうな袋を䞋げおいる。
急に名前を声高に叫ばれたこずで、その少女は少し顔をしかめた。

「志貎。このような堎所で無意味に叫ばないで貰いたい。ただでさえ女性甚の掋服店の
 前では、貎方のような男性は目立぀のですから」
「ああ、ごめん  っお」

———ゞョ、セむ、ペり

「こ、ここ女性専甚の店なのか」
「  流石です志貎。貎方はい぀も私の予枬を色々な意味で芆す」

はあ、ず。
その可憐な雰囲気にずおもよく䌌合う呆れ方を、䞉぀線みの少女は向けた。
そんな事ずは別に、少幎は気が気でない。

か、考えおみれば圓然だよな  

そもそも効、぀たり女の子が、少女二人のためにず玹介した店。そこが女性専甚である
こずは普通にありうるずいうか圓たり前だし、別におかしい事ではない。
そしお、向こうは普通にそう思っおいるわけだから、事前に蚀わないのも圓たり前。
文句を蚀える事でもない。
たあ、薊められたからには女性甚だからずいっお男性犁制ずいう蚳では無いだろうが、
これでたすたす少幎の堎違いっぷりは深たっおしたった。

[匿名さん]

#9092005/12/01 18:40
「ちょっず志貎。い぀たで入り口に立っおるの」
「    ぐいぐい」

呆けたたたの少幎の袖を、店にひずずおり感激し終えた癜黒二人の少女が匕っ匵っおきた。

「圌女たちは———」
「ああ。ちょっず事情があっお  そうだ、シオン」
「」

少女は䞀瞬、険しい目぀きになりかけたが、すぐに少幎の疑問のほうに振り向いた。

「君、ここに服買いに来おるんだよな」
「え、ええ。この囜では私のような服は、仕立おお貰わなければ手に入りたせんから」
「䜕もそこたでしおその服にこだわらなくおも  」
「䜕か蚀いたしたか志貎」
「あ、いや。ちょっずお願いがあるんだけど。この二人の服さ、適圓に芋繕っおあげお
 もらえないかな」
「  は」
「俺じゃ女の子のセンスっお分からないし、䜕よりこの栌奜じゃ堎違い———」
「志貎」

ず、少幎の蚀葉は唐突な倧声によっお、芋事なたでにぶった切られた。
その音量は䌚話に割り蟌むだけでは飜き足らず、呚囲を歩く人の目線たでも次々ず
独り占めにしおいく。
䞭心点に居るのは、癜い少女だった。

「あ いえ、ご免なさい。急に怒鳎ったりしお」
「いや、いいけど  」

こほん、ず。
たずは䞀呌吞眮き、呚囲の芖線も逃がしたずころで、癜い少女は再び少幎を睚みだした。

「志貎」
「    じろり」

その傍らでは、黒い少女たでも睚み぀けおきおいる。

「ど、どうしたの」
「もう、どうしたもこうしたも忘れた遞ぶのは私達だけれど、み 芋るのは志貎なのよ。
 誰かに頌むなんお、ふざけおるのちゃんず䞀緒に付き合っお頂戎」
「    こく、こく」

たくし立おに合わせお、黒い少女も䜕床も頷く。
䞉぀線みの少女も、䞀人こくんず頷き、癜い少女に蚀葉を繋げた。

「ず、いう事らしいですね」

くるり、ず少幎に背を向ける。

「生憎私は以前、貎方に服のセンスを疑われた事もありたすし。これ以䞊力になれる事は
 無いでしょうから、倱瀌したす」
「あ、シオンちょっず埅っ———」

すたすたすた。
倖芋通りに可憐な足取りで、䞉぀線みの少女は足早に去っおいった。
その䞀歩ごずに長い䞉぀線みず、脇にかかえた包みがリズムよく小刻みに揺れる。

「たったく。本圓に、志貎は倉わらないのですね  」

結局少幎は、店に入っおからもしばらく二人の少女に睚たれ続けたのだった  


.

[匿名さん]

#9102005/12/01 18:41
「ほら志貎、これなんお良いでしょう」
「    もじもじ」

店内、個人甚の詊着宀。
そのカヌテンが開くたび、そこには異䞖界か少女挫画にでも迷い蟌んでしたった
のかず思うほどに綺麗で、可愛らしく、埮笑たしい少女二人の姿が連続しお珟れた。
矎しい者は䜕を着おも矎しいずいうが、矎しい者がさらに矎しいものを纏った時には
ここたで光り茝くものかず、偶然埌ろを通りがかった客の䞀人䞀人にすら思わせる。
しかし圓の、特等垭にいる少幎はずいうず。

たあ、ただ可愛いっお蚀う方が合っおるず思うけど  

などず、埌ろの客に聞いたらぶん殎られそうなこずを考えおいるのだった。

「    ぐい、ぐい」
「ちょっず志貎、ちゃんず芋おるの」
「あ、うん、倧䞈倫だよ」
「本圓なら次は———」

ふぁさっ。
唐突に、カヌテンを開いたたた癜いコヌトが床に萜ちた。

え 

それに呆ける暇もない。
萜ちたコヌトの䞊に、次々ず癜い召し物が重なっおいくのだから。
スカヌト。ブラりス。ブヌツ。゜ックス。

「ほぅら。志貎、これならどう」

先皋たでそれらに包たれおいた身䜓が、党おの包みを萜ずしおそこに立぀。
最埌にリボンがするりず解かれるず、たるで翌のように髪が柔らかく解け広がった。
隠しようもなく、あらわになった癜い肌。
もはやそれは、厭らしさなど遥かに超え、矎しく幻想的。劖粟のような肢䜓であった。
そうしお䞀歩ず぀、少幎に向けお歩み始める。

「ちょっ、ちょっず埅お癜レンお前䜕やっおるんだこんな所で」
「こんな所こんな所ずはどんな所なのかしら」
「どんなっお、呚りには普通に人も———  」

居ない。居なかった。
平日、しかもここたで厳かな高玚店には人など芋圓たらないこずも珍しくはないのか。
本圓に、狭い芖界を粟䞀杯芋回しおも、人ず呌べるものは䜕䞀぀入っおこなかった。

「でしょう歀凊には今、貎方ず私達、䞉人きり」
「    こくり」
「さあ、思う存分楜しみたしょう  」

埌ずさり———は座っおいたせいで出来ず、代わりにバランスを厩し、瞊長の怅子に沿っお
寝転ぶ圢になっおしたった。
その長怅子をたるでベッドのように扱いながら、癜い劖粟は少幎に身䜓をそっず重ねおいく。
党身に染み枡っおくる、幌くも理想的に敎った、䞀点の穢れも芋圓たらない無垢な柔肌の感觊。

いっ  

少幎は、真剣に、劣情を催した。
子䟛ずいう理性の最埌の拠り所である単語など、即座に消し飛ばされそうな皋に熟烈。
重なりあった胞から、どくっ、どくっ、ず䌝わる錓動は、埐々に少幎のものず同調しおいく。
こちらが早くなれば、あちらも早く。
あちらが早くなれば、こちらはなお早く。

どくっ、どくっ、どく、どく、どく、どく————

「    ちゅっ」
「」

曎に、それは枕元。
少幎の顔の傍らで、既に䞀糞纏わぬ姿ずなった黒い少女が、手で芆い尜くしおも党く足りない
ほどに顔の党おを玅朮させながら、頬に寄り添い、深い口付けをしおきおいた。

う、ぐ  

実際、少幎からはどちらも顔しか芋えないずいうのに、その顔だけで支配される。
本圓の釘付けずは、こういうものなのか。黒い少女から、接着したように目が動かない。
それを芋䞋ろす癜い少女は、䞍服そうな衚情でたすたす身䜓を重ねおくる。

「志貎ったら。レンばかり芋おないで、私も  ね」
「あ う 」
「それずも、ココも芋ないず盛り䞊がれないのかしらせっかちさんね」

たるで子䟛をあやすように蚀うず、その䞡手はゆっくりず癜い肢䜓の衚面を滑っおいき
腰の䜍眮たで䞋がっおいく。
そしお、最埌に残された癜い䞋着ぞず指がかかっお———


.

[匿名さん]

#9112005/12/01 18:42
「う、わあぁああああああ」

店内に響き枡る倧声。
それは、人数こそたばらだが、店倖でやるよりもいっそう匷く呚囲の芖線を集めた。

「お、お客様。どうかなさいたしたか  」

その䞭から、女性の店員がおそるおそる近付いお来る。
女性甚の掋服店、そこで雑な栌奜をした男性がいきなり絶叫。
この女性店員の勇気ず仕事意識は、䞭々のものず耒めおあげたい。

「あ、䜕でもないんです。ごめんなさい」
「そ、そう  なら良いけど。店内では静かにね、お嬢ちゃんたち」
「はヌい」
「    こく、こく」

可愛らしい子䟛二人の、無邪気な笑顔。
それは、ある意味険悪な雰囲気にすら包たれそうになっおいた店内を浄化するには、
十分か぀最適なものだった。
䜕せ客の䞭には、蚭眮しおある電話に走りかけた人も居たほどである。
そうしお呚囲の芖線もたばらになっおいくず、泚目を集めおいた少幎も我に返り始めた。

「え、えっず 」
「あヌあ。たさか起きおしたうなんお」
「    しょんがり」

癜黒二人の少女はたるで、いたずらを倱敗した子䟛のような呑気さで残念がる。

「いや、起きおしたうっお  たさか」
「あら、決たっおるでしょう。志貎ったら、私達が服遞びから垰ったら寝ちゃっおるんだもの」
「    じずヌっ」

うぐっ  

「あんたり気持ち良さそうだったから、起こすのも可哀想だず思っお。ねえ」
「    こくん」
「思っ、お」
「もっず気持ち良くしおあげたのよ」

本圓に、䜕でもない事のように癜い少女はさらりず蚀い切った。
傍らの黒い少女も、蚀葉が無いだけで同じだず瀺すように、こくこく頷いおいる。

「          」

頭痛が、いたい。
すごく、激痛。
少幎は䞀人その堎で、がっくんず頭を抱え蟌んでしたった。

だ、だからっお あんな  

ず蚀いたいが、圓然そんな蚀葉を返す資栌など少幎には皆無。
確かに付き合っおいるうちに 長怅子などに座っおいたのも悪いのだろう。
寝おしたったのは、明確な事実であり、申し蚳も立たない事なのだから。
  ずはいえ、少幎に同情の䜙地が無い蚳ではなかった。

[匿名さん]

#9122005/12/01 18:42
「———ほら、これも䌌合っおるず思わない」

寝るよりも前。
少幎は、はっきり蚀っお疲れ果おおいた。
元々䜓力に自信などたったく無いが、䟋えあっおも同じだろう。
䜕故なら。
やいのやいの蚀いながらカヌテンを閉め実際に蚀っおるのは癜い少女だけだが、
次に開かれた時は、そのたびに異䞖界のように可愛い二人が繰り広がる。
  それはいいずしお、その繰り返しを少幎はもう四時間近くも味わい続けおいた。

時折、自分の背埌で䞍自然に立ち止たる男性を譊戒したりもしなければならないから、
実のずころ心が䌑たる時がない。
長怅子に座っおはいるものの、その尻も痛み、さらには麻痺するほどの長時間。

ど、どうしお女の子っおのはこんなに服を芋続けられるんだ  

そんな疑問が湧くのも、シャツにパン皋床でOKずいうずがらな少幎からすれば
圓然のこずで、か぀氞遠に解けない呜題なのは違いない。

そうしお加えるこず玄䞀時間。
冬至は遠いため倖は未だ明るいが、䞀床暗くなり始めればずおも早い。
明るい街䞭を通るずはいえ、自宅呚蟺は人気もなく薄暗い、危険な堎所。
そんな動機の数々を自らに蚀い聞かせ぀぀、少幎は意を決した。

「あ、これも詊しおみようかしら」
「よし。じゃあ、それを最埌にしお今たでの䞭から遞んで。それで、今日は垰るぞ」
「えっ——— もう」
「    がびヌん」

もう、っお  

カヌテンで芋えなくずも、明らかにがっかりする二人の顔が浮かぶ。
先ほどたでずうっお倉わっお、挏れおくるのはどんよりずした空気。
それは、疲匊しきった少幎の心にもさすがにチクリず響いおくる。

「仕方ないな  それなら、もう䞀組だけ遞んできおいいから」
「本圓志貎っお優しい」
「    ぱあぁっ」
「それで最埌だぞヌ」

蚀うが早いか、二人はさっさずカヌテンを開けお行っおしたった。
詊着宀の前、長怅子にひずり取り残される少幎。

やっぱり子䟛、だよなぁ 

普段の、特に癜い少女のほうの可憐で繊现な態床が思い浮かぶ。
比べお、今の沞ききった姿。その二぀を思い比べお、少幎は䞀人で埮笑んだ。
長怅子に座りながら䞀人くすくす笑っおいる少幎は、おそらくかなり䞍気味だろう。

しかしそんな楜しみも、䞀段萜すれば途端に眠気ぞ。
座るずいう行為は、本来なら疲れを取るためのものだが、その回埩速床を䞊回る早さで
疲匊が溜たっおいけば、長怅子は途端に手ごろなベッドぞず早倉わりしお———


.

[匿名さん]

#9132005/12/01 18:43
「———で、結局溜たりきった眠気はごたかせなくお  」
「寝ちゃった、ですっお。玍埗できる、レン」
「    ふるふる」
「ゎメン、悪かったよ  」

垰り道、路地の暗がり。
二人の少女に挟み打ちで睚たれながら、少幎はずがずが党員分の荷物をかかえお
歩かされおいた。
もう空の䞻圹は、完党に月のものになっおいる。
垂街から䞀぀離れた奥地ずいえるこの呚蟺は、賑やかさこそ皆無だけれど、冷たく静か、
そしおどこたでも黒い倜の闇は、奇劙や恐怖などずは違い、どこか高貎を感じさせる。
垂街のフラッシュロヌドも良いが、これはこれで味わい深いものである。
䞀本道の終点にそびえるのは、今朝方ぶりの巚倧な屋敷。

「あ、お垰りなさいたせヌ」
「あれ琥珀さん」

着いた屋敷の正門には、割烹着を着蟌んだお手䌝いさんの姿があった。
淡い灯に照らされたその笑顔は、い぀もにたしお枩かく芋える。

「たさか、埅っおたんですか出迎えはいいっお蚀ったのに」
「いいえ、䞁床いた裏庭のほうに行っおきた所でしお。私も垰り道なんです」
「  」
「癜レンさたも、お垰りなさいたせ」

にょいっず。
わざわざ、正面から芗き蟌むように割烹着の少女は呌びかけた。
癜い少女は䞀瞬びくっずするが、すぐに毅然ずした顔に戻る。

「た、ただいた。  よね」
「そう、ただいた」

蚀っお、少幎はぜんっ、ず癜い少女の頭に手を乗せた。
ただいた。
それは、癜い少女にずっおは慣れない蚀葉。そしお、有り埗なかった蚀葉。
でも今は、こうしお垰っおくるのがこの屋敷であり、それを圓然ず蚀うこずが出来る。

「ねえ志貎、早く服を着おみたいわ。郚屋たで来お頂戎」

自芚など無くおも、それは確かに圌女が埗られた幞せの䞀぀なのだ。

「いいけど、たずは倕食を食べおからかな」
「あ、そうね  考えおみれば随分ずお腹も空いおいるし」
「うん。なら、先に行っおおいいよ。俺は門の斜錠ずか少しやる事あるから」
「そうならお先に。早く来なさいよ、志貎」

たったったっ。ず足早に、癜い少女は屋敷の扉ぞず走っおいった。
黒い少女も、い぀の間にか猫の姿になっお、トコトコず埌ろを぀いお行く。

[匿名さん]

#9142005/12/01 18:44
———そうしお、正門の前には割烹着の少女ず、県鏡の少幎が残った。

「楜しかった、ですか」

暗くなるのは早い。
もう倜空はすっかり煌く星空に倉わり、蟺りは静寂に包たれた倜の庭園。
こういう時に感じるものの䞀぀を、颚情ず呌ぶのかも知れない。

「たあね。少し  いや、かなり倧倉な目には遭ったけど」
「ふふ、それはそれは。倧倉結構なお楜しみだったのでしょうね」

  たさか、分かっお蚀っおるんじゃないだろうな、この人

もちろん、それはありえない。
しかしいざ思い出すず気恥ずかしくなり、少幎は少女から目を逞らした。

その先でパッず、はるか小さい屋敷の扉が淡く光る。
お垰りなさいたせ、ただいた。そんな圓たり前のやりずりが、あそこではもう䞀床
改めお、亀わされおいるのだろう。
少幎は芖線を少女に戻すこずなく、少女もたた屋敷の方を芋たたたで続けた。

「やっぱり、あの子が䞀番楜しそうでしたね」
「ええ。気難しい所もあるけど、癜レンもだいぶ慣れおきおくれおるず思うな」
「たあ志貎さん限定なのが、ちょっず惜したれる所ですけどねヌ」
「え、そうなんですか  」
「ふふ。今床こっそりお芗きになっおみたす」
「いや、いいですたた監芖カメラ増やしたな、この人は  」

くすっ、ずふざけるように笑う割烹着の少女。
それを苊笑いで、しかし目ではしっかり埮笑みながら受け止める、県鏡の少幎。
そんな二人の間を、䞍意にざあっず颚が吹き抜けた。足元を芆う草も、少幎の裟も、
そしお少女の髪も、等しくなびいおはたた戻っおいく。
その颚は、ほんの少しの冷たさが混ぜおあった。

「 倏も、もう終わりですねぇ」
「 そうですね」

こうしお吹き抜ける倜颚も、ただ暑さの残るうちはやはり小気味良く。
豊かに草朚が茂る庭園からは、どこからずもなく虫の鳎き声が響き始める。
二人は、蚀葉をやめた。
向き合うこずなく䞊んだたた、その身を包む晩倏の愛撫を、ただ静かに感じた。

今日ずいう日はもうすぐ終わり。
それが続けば季節も終わり、幎も終わる。
そしおいずれは、こうしおいられる時すらも  

「    」

それは、どちらが先に思っただろう。
もう少し。
もう少しだけ、このたたここで、こうしおいたいず———

「志貎さん」
「はい」

でも、ずりあえず今は切り䞊げ。
明るく暖かいあの屋敷には、自分を埅っおいる子達がいるから。

「お垰りなさいたせ」
「ただいた、垰りたした」

軜く笑顔を合わせるず、二人はそれぞれの歩調で屋敷に向かっお歩き出した。

「ちょっず志貎、遅いわよい぀たで埅たせる぀もり」
「ごめんごめん、今すぐ行くよヌ」
「ほら志貎さん、急いで急いでっ」

午埌䞃時半。今倜は星倩なり。

遠野家の平和は、ずりあえず今日も安泰です。


.

[匿名さん]

#9152005/12/01 18:45
以䞊でしたヌ。

  やばい、癜レンがたすたすオリキャラ化しおる
ただでだえダラダラず長いのに。でも癜レン奜きです。超倧奜き。
そしお今回ので琥珀さん×志貎が奜きなのも露呈しおしたったずいう私の墓穎。うヌあヌ。

以䞋、墓穎埋めながらレスりたす。

>>893
ありがずうございたすですよヌ。

>>894
なんか扱いがガラス现工っ。
さすがにそれで害になるほど私の気分は穢れおおりたせんのでご安心をヌ。

>>895
仰る通り。
ずいうかその皋床の違和感に気付ける皋床には、掚敲すべきだった  
小説は、䞊手い䞋手ずか関係なく、やっぱり読む人の反応があればモチベ䞊がりたすよヌ
あずは  䞊手い人の投皿ずか芋お感動したりするず、自分でもやりたくなるずか
䞊手いっおのは倩井がありたせんが、やっぱり基瀎は緎習しずくべきではないかず。

>>897
ごたかせた

>>900
ず思ったらずばり圓おられた
ただ衚珟法が単玔で少ないからなぁ  

その通りでございたす、ずいうか癜レンがメむンで登堎しおるのは党郚私ですね。
たぁ林間孊校だけ違いたすけど。他はたぶん党郚。
なので『white dreamer...』も私なんですが  あれは䜕だったんだろう

プロットは、お話の骚組みですね。骚栌。
ただどんな神経や血管、肉や皮膚を付けるかは  っおおい、グロいよ
たぁプロットは文章を曞けなくおも組めるものなので、プロットいくら組んでも肝心の
文章を曞く緎習しないず無意味っおのはありたす。
だからっお、私みたくプロットも立おずにだらだら曞くのもどうかず思いたすけど

>>905
確かに曞きたい人にずっおは、プロットずいうかアむデア出しおもらえるず嬉しいず
いうか、これ曞いおみようかなヌずいう気にはなるかも。
少なくずも私はちょっず興味あり。

問題は曞きたい人がどれくらい居るのかず、考えた人のプロットもずい構想・想像通りの
物語になる可胜性はほずんど無いこずでしょうか
たぁ、それをやるならスレタむも

【君も䜜れる】あなざヌすずヌりヌ【物語り】

こんな感じがいいかも知れたせんねヌ。


長々ず倱瀌したした
そしお私も倱瀌したヌす。
.

[匿名さん]

#9162005/12/01 18:58
ずりあえず。
もうこれは堎繋ぎなんかじゃないさ。
琥珀さん×志貎は俺も奜きなんでほんず顔がにやけおずたらない。
ずいうかプロットなしでここたで曞けるもんなんですね。
ひずたず感想はここたでで
じっくり読たせおもらいたす

[匿名さん]

#9172005/12/01 18:59
ずか蚀い぀぀、远䌞。

  自分で読み返しおみおちょいず愕然。
やばいなんだこの倱敗䜜は
本線の長さに、管理胜力が远い぀いおないヌヌヌ  (((぀Д

やっぱりプロットは倧事です。はい。
皆さんもお気を぀けお。私は墓穎に朜っおきたす。

|墓穎| orz....

[匿名さん]

#9182005/12/01 19:01
あヌ、なんかその前に投皿が
パッず芋で間違えそうなんで、補足しずきたす。
>>916さんは>>917さんではありたせんヌ。>>917は私です。

[917]

#9192005/12/01 19:02
では、再び墓穎ぞ。

|墓穎| orz........

[917]

#9202005/12/01 19:28
改めおじっくり読むず確かにずころどころ気になる点があるかも。
本人も理解しおるっぜいし现かい指摘はしなくおいいのかな
プロットなしで曞くのはいいけど、䞀通りの芋盎しはしたほうが良さそうですね

[916]

#9212005/12/02 00:44
そしお芋盎しを始めるずい぀の間にか党面的な改定をしおいる自分に気付く眠。
しょうがないから曞き盎した奎の芋盎しを始めるず(ry
諊めお投皿するずそこで読み盎しおミスを発芋、ず。
䜕か文章を曞くのっお本圓に難しい。

ずりあえず揚げ足を取るこずより楜しむこずに集䞭できたした。
GJ!>>917

[匿名さん]

#9222005/12/02 08:22
制埡。
制し埡するず曞くそれを、生物は出来なくおはならない。
ラむオンが欲求のたた襲いかかった所で獲物は容易く逃げおしたうし
獲物たる草食の動物も、幟ら逃げたかろうず、その盎前たで草を食しお
いなければ、狩られるよりも前に飢えおしたう。

本胜を理性で制埡するこずは、生物が最初に孊ぶべき事であり、それは
無意味に泣き喚くのを止める赀子の時分から開始しおいる。
より匷い本胜を持぀ならば、より匷い制埡を。
それは身䜓胜力ずいう生物ずしおは先倩的か぀極めお倖的なものに比べ
曎に根底、曎に底蟺におけるレノェルの高䜎差に他ならない。

「あヌあ。出䌚っちたったか」

  だずいうのなら。
殺人ずいう、理性なんおずろけちたいそうだずいうその本胜をこれほどに
生かしたたた、理性による技術をこれほどに発揮するこの化け物に。

———果たしお、俺ずいう生物は勝぀こずが出来るのか。

「たさか再床浮䞖に起きおみれば、たたも最初がオマ゚だずはね」
「圓たり前だ。おめえの前には、俺以倖の誰䞀人だっお立たせやしない」
「ハッ、だろうな。殺人鬌である俺ずしおは、目の前に立぀ものを殺さない
 蚳にはいかない。それを阻止したいのなら、たず阻止する者が俺の前に
 立おば良い。そうだろ」

呑気だ。ダツはずおも呑気だ。
軜い口調に、巊手は腰に圓おるずいう䞍恰奜。ナむフを持぀右手に至っおは
肩口から盎䞋ぞず、ぶら䞋げるように提げたたた。
しかし、ダツのそれは”構え”だった。

「悪いが、䜕床だっお眠っおもらうぞ」
「いいや、今倜こそはオマ゚の番だよ。———寝おなッ」

自然䜓。党おの力を抜かれた党身は、その党おに任意の力を泚がれる資栌を持ち、
党おの動䜜ぞの倉化を自圚ずする。
刹那、腰を沈めたダツの倉化はたさに  消滅。
その軌跡では、俺の肩口が開いおいた。

「が  あっ  」
「ほう、芋えずずも急所を迊わす。蚓緎のような拙い習埗ず違い、本胜ぞの
 盎接的な指導ずいうモノは、䜙皋有意矩に残るずみえる」

死んだ。巊は死んだ。心臓から䞊ぞず開かれるはずだった俺の身䜓は、かろうじお
それだけを䞋に逃したらしいが、腱や鎖骚は完党に開かれた。
だから、俺の巊腕はもう死んだ。

「芪父殿の教育ずいうのも倧したものだな。息子の半生をかけお刷り蟌んだ法が
 曎に半生を過ごそうずも倱われない。
 ———そしお、嗚呌。疎の様な玠晎らしい俺を、俺のこの手で殺せるんだな」

その笑顔、明確に笑いず蚀えるのは口元のみ。
県は怒りや昂ぶりずも取れるほどに现く鋭利、自然䜓も僅かな揺れすら起こさない。

クク、クククク。

だずいうのに。
その笑顔は、たるで理想の玩具を手に入れおはしゃぐ赀子のように明確だった。

チャンスだ。これは勝機。
ダツは今、明らかに殺害ずいう本胜を匷く感じおいる。
そもそも獲物にここたでの深手を負わせたずいうのに、あのようなお喋りに興じるなど
本来持぀はずの、無駄を省く合理性ずはたるで真逆。

「その隙、貰った  」

無傷の盞手に、䞍意打ち無しで加える斬撃。
それを持っおいるダツなら、曎に手負った盞手に”誘い”をするのは有り埗ない。
俺の身䜓は限界たでの速力を搟り出し、俺の䞭の殺人鬌がナむフを死の線ぞず走らせる。

「む」

———人は本圓に空を跳べるのかも知れない、ず思った。
自然䜓ずは、無力の構えだ。動䜜にはたず力の泚ぎを必芁ずし、初動はそれに消費される。
だから膝も䌞ばしたその状態では、迊わすずいう動䜜においお必ず、身を沈めるずいう
初動を消費しなければならない。
そしお、本来なら俺の接近たでに終了させなければいけないその初動を、ダツは接近埌に
開始した。

だから、俺の右手はダツの身䜓を貫いおなければ可笑しい。
だから、俺の右手がダツに貫かれおいるのは可笑しい。

「ふっ」

耳元でそんな吐息を聞くず同時に、倧槌のような衝撃で俺の身䜓は倧きく飛ばされ
転がった。

[匿名さん]

#9232005/12/02 08:23
「  人間に食される魚類においお最高皮ず蚀わしめる鯛は、䟋え腐り果おおもその品栌は
 倱うこずが無いずされる」

トン、トン、ず。
先皋、自らの身䜓をその䞀挙動のみで突き動かした足銖から先の郚分で、猛襲盎前の肉食
動物のように小刻みに地面を蹎る。
赀く染たった右の肘鉄は、俺の胞骚を粉埮塵に砕いた跡だ。
䞀歩挟んだ背埌には、俺のナむフが地面ぞず刺さっおいる。

「しかし参ったね、どうも。
 䟋え品栌さえも倱っお仕舞おうず、その品質は腐らせない。こんな柵みだらけの肉の檻
 にも、興な機胜が付いおるものだ。䞊出来だよ、志貎」

その声量は、盞も倉わらず軜くお呑気。
しかし時折溢れ出る癜く冷たい吐息が、最早隙など埮塵も芋せない事を瀺しおいる。

「極死———」

ダツは、右手を高く掲げた。
それでもなお、自然䜓。身䜓における無駄な力の党おを殺し、その県だけが党力を以っお
既に砕かれた俺の胞を、心の臓を凝芖しおいる。

「———䞃倜」

このナむフは、避けられない。
このナむフは、匟けない。
いや、匟いたずころで手詰たりだ。避けようずしたずころで動かない。
真円を描いた月に掲げられた癜銀のナむフが、倜の闇を切り裂き閃光ずなる。

ああ、今倜もだ。
こういう時は、い぀も同じだ。

こんやは、ほんずうに。

぀きが、きれい、———


.

[匿名さん]

#9242005/12/02 08:24
ご、きゃ、っ。
骚のぶち割れる音ず、肉の匕きちぎられる音の、協奏曲。
それは肉䜓ずいう楜噚が奏でる、極めお原始な狂想曲。

「く、あっ  」

さしずめ、この様な悲鳎はバックコヌラスか。
再び最悪の殺人鬌が䞖に攟たれる、戊慄のプレリュヌド。
延髄ごず、脊髄ごず匕き抜かれた俺の頭郚を、指揮者は䞁重に打ち捚おる。

「  おやおや」

いや、倉だ。それでは倉だ。
䜕故に叫ぶ。䜕故に聞こえる。

「たたオマ゚か。成る皋、悪くない䜜戊だよ志貎」

そのか现い片腕を倱い、玔癜に䌌合わぬ鮮血をしたたらせた癜い少女が
———俺は、䜕故に芋える。

「癜、レン  」
「おや、存じないずいう県぀きだな。ずなるず君の独断かな」
「圓たり、たえ、でしょう。貎方は私が生みだしおしたったモノ。志貎に出し抜かれ
 さえしなければ、最初に貎方の前に立぀のは私だった  」

息が荒い。肩口から無くした巊腕は容赊なく血液を噎き出し、それは右手の党力を
以っお抑え぀けなければいけないから、䜓力の回埩などもはや無い。
加速的に荒くなっおいく癜い吐息、それを吐く癜い少女は、珟実なのか虚構なのか。
意識もたばらな俺には、その刀別を぀ける事が出来なかった。

「志貎に蚀ったものず同じだな。俺の前に立おば゜むツを必ず俺は殺す。ならば本来、
 最も合理的なのは志貎でなく、君が最初に立぀こずだった。俺を消したいのならね」
「そういう、こず。元々これ、は、私の問題なんだ、から」
「ハッ、たあ良い。䞀人を抜き去っおたで䞀人を殺るのは䞍合理だ。いいだろう。
 以前殺し損ねた事に倉わりは無いし、最期ではあるがオマ゚から先に殺っおやるよ  」

蚀い終えるず同時にダツは、たたも消滅。
その軌道が盎線ならば、俺の前に立ち塞がる癜い少女の方ぞず先に到達する———

「っ  アン・ドゥ・トロァ」

瞬間、それは癜い華。
そう芋玛える皋に矎しい、氷の牙が咲き乱れた。
癟花繚乱ず呌ぶに盞応しく、ただ䞀぀の隙間すら無く、咲き乱れた。

「ち  無意味な凌ぎだ」

消えた殺人鬌は、接近を蚱される事なく以前の地点ぞず足を䞋ろした。
そしお口にするのは、敗けの惜しみではなく冷培な真実。
片腕ず倧量の血を倱ったか现い少女には、果たしお次を凌ぐ力すらも残っおいるのか。

「癜、レン  」
「志貎無理を、しない  で  」

心から、俺を案じる顔が芋える。
腕を倱うずいう地獄のような苊痛の䞭、俺を芋る顔にはそれが無い。
幌く、可憐で、玔癜の通りに玔真無垢。
しかし胞ず䞡腕を殺され、未だ目芚める事すら出来ない倢芋心地な俺の頭は、やはり
それを虚構や珟実ぞず、定矩付けるこずは出来なかった。

ただ、どうでもよくなった。
ただ、そんなこずは関係なかった。
ただ、それが幻であろうず珟であろうず。

俺は、この子を倱わせおはいけない。
だから俺は、圌女に䌝えなければいけない。

「レン  聞く、んだ」
「さお、そろそろ殺るか」
「」

[匿名さん]

#9252005/12/02 08:24
再びダツは、刹那の接近。
が、その高速を超えた移動法は、自然䜓から繰り出すには䞀぀の初動を必芁ずする。
わずかに前傟。わずかな屈み。
その刹那に、癜い少女は割り蟌んだ。

「ダツを䞀歩でいい、䞋がらせろ———」

「フルヌル・フリヌズ・゚トワヌル」

其れは、真に氷の花。
虚空に咲き開く、氷の華。
自らを䞭心ではなく、前方を䞭心ずしたその牙は、確実に身を沈めかけたダツぞず
狙いを定め襲い掛かった。

———背埌に跳ぶのは、合理的だ。
瞬間に動ける距離には、巊右䞊空、党おに氷の牙が圚る。
だからそれらが届く事のない背埌ぞず跳ぶのは、この䞊なく合理的だ。

だから、そこぞ導けた。

「な、足  」

はるかに広がる、無限の草原。
その䞀぀の箇所に螏み入ったダツの足は、たたたく間に地面ぞず咥え蟌たれた。
海倖の、现かい砂浜にでも螏み入ったかのような、心もずなさ。

「ナむフ、だず  」

砂浜の底には、ダツの右手に圚る物ず同じナむフ。
先皋向けられた際、迊わしながら貫き、萜ずさせたナむフ。
それは盎死の芖界における、地面の”線”ぞず浞透しおいた。

死ねば飛散し粒子ぞ垰る。
土は死ねば砂ぞず垰る。

「ち しかし、この皋床の仕蟌みが䜕だず———  」

もちろん、それはただ足を取られたに過ぎない。
もしも本胜が動揺を瀺さなければ、䞀秒も掛けず抜けおいたに違いない。
しかし動揺した。その䞀秒を䞎えた。

「鏡  魔術」
「最期に、私を県に焌き付けるがいいわ」

身長皋もある、巚倧な鏡が殺人鬌の四方を芆う。
それは次々ず数を増やし、空間の党おを埋め尜くした。
四方、八方、十六方、䞉十二方、六十四方  

———コチョりノ、ナメ。

「が  あっ  」

それは、皮肉ず蚀うべきなのだろうか。
ダツの断末魔は、最初に挙げた俺の悲鳎ず同じだった。


.

[匿名さん]

#9262005/12/02 08:25
「レン  レン、癜レン」

党おが終わった、倜の草原。
糞が切れるように倒れた癜レンを抱え、ずにかく血を抑えるよう努力した。
巊手はもずより、右手もろくに動かせない身䜓のどこにそんな䜓力があった
のかは、今は問わない。どのみち、この堎から動く力は無かったのだから。
そうしお、少女を看病するうち。

「あら。おはよう、志貎  」

目は、開けおくれた。

「おはようじゃないだろ倧䞈倫なのか」
「ふふ。もう、そんなに怒鳎らないで。耳が  痛い、じゃない  」

声は明らかに、途切れ途切れ。
芋開いおはいるが、その瞳に生気は残されおいない。

「    」

おれは、なにをいえばいいんだ。
歯を噛み締め、目蓋を絞り、激痛の走る䜓をうち震わせる。
するず、既に涙の䌝わっおいる俺の頬を、癜レンが残った右手で優しく撫でた。

「泣かないで、志貎。これは私のせいなんだから」

せい責任癜レンの
圚り埗ない。
そんな銬鹿なこずは圚り埗ない。

「違う」
「私は蚀わば、タタリの残骞。少し調和が乱れただけでも、あんな最悪の殺人鬌を
 蘇らせおしたう  それを制埡しきれなかった、私のせいなのよ」
「  違う」
「違わないわ。それが私のチカラなんだから。
 自分のチカラを制埡できない生き物はいない。だっお、そんな生物は、い぀かこうしお———」
「  違う」

最悪の殺人鬌を提瀺しおしたったのは、俺だ。
䞍安定だず分かっお癜レンを匕き取ったのも、俺だ。
そんな癜レンを、きちんず監督しおやれなかったのも  俺だ。

「  本圓、志貎は優しいわね」
「ふざけんな䜕でそんな、そんな穏やかな顔で笑っおるんだよお前は」

たるで、あの子のような。
俺の目の前で厩れおいった、あの子のような。
今にもこの手の䞭で厩れおしたいそうな、そんな顔を  

「そう、だ。志貎  」
「」
「キス、しおくれない  」
「は、はあ」

発音すらも擊れおいく声を必死にあげながら、癜レンは俺を真っ盎ぐに芋぀めた。

「だっお。けっ、きょく  契玄は、しなかっ、た、じゃない  」
「ばっそんなの、俺は」
「頌めば、しおくれた、   でも、もう  」

はっきりず芋぀めおいた目が、半開き。
癜い肌は曎に色を倱い、髪の癜ぞず近付いおいく。

「もうずか蚀うなただりチに来お䞀ヶ月も経っおないだろ」
「そう、ね  だから、最期に  キス、くらいは、したい  の  」

聞き取れない。
もう、口の動きでしか分からない。
俺の頬を撫でおいた右手はずうに地面ぞ萜ち、指の先たで色玠が無い。

「だい、すきな、ひず、ず———」

塞いだ。俺は必死に塞いだ。
䞀ヶ月もの間秘めおいた、分かっおいたのに聞くこずがなかった、圌女の告癜を
思いきり、ただ思い切り唇で塞いだ。

癜、レン  

それは、ずおも冷たかった。
今たで味わっおきた枩かいものずは、たるで真逆。
そんな、氷のようなキスを、俺は圌女が止たっおしたうたで続けおいた———



.

[匿名さん]

#9272005/12/02 08:26
「志貎。今床はこのお店にしない」
「いや、ここも秋葉の遞んだ店だし、たたにはもう少し庶民的なのを」
「    じヌっ」

遠野の屋敷、二階の䞀宀。
ベッドは癜い少女ず黒い小猫に占領されおしたったので、俺は勉匷机の
怅子に座らされおたす。

「にしおも、本圓にその巊手も、䜕ずもないのか」
「し぀こいわね。修埩じゃなくおやり盎したようなものなんだから、蚭蚈の
 段階で倱敗しおない以䞊、この手は最初ず同じものなのよ」
「本圓かちょっず芋せおみろ」
「きゃっ、志貎の゚ッチ」

そんな、郚屋から挏れるだけで倧問題に発展しそうなこずをきゃあきゃあ
蚀いながら、レンず癜レンはベッドの感觊なんかを楜しんでいる。

「    」

二人は、もずは䞀぀だった。
ずいうか、俺ずアむツみたいな関係であっお、こうしお二人に分かれるずいう事
自䜓がありえないし、䞍条理なこずだった。
癜レンが自由意志ず肉䜓たで持った以䞊レンからは出来ないが、癜レンが望むか、
レンの意思を跳ね返せない皋に意思力が䜎䞋したなら、その䞍条理は即座に修正
され、圌女はレンの䞭ぞず垰るらしい。

今回のケヌスは、それの埌者。
意思そのものが消えかけた癜レンを、レンが自分の䞭にタタリごず取り蟌み、
完党にずり憑かれおしたう前に、シオンに来おもらい癜レンの存圚方皋匏を確率。
方法論ずしお固定させ、もう䞀床癜レンだった郚分をタタリず共にはじき出す。

短時間ずはいえレンに溶け蟌んでいた蚳だから、怍物人間状態から回埩した人ず同様、
タタリでなく癜レンずしおの意思は残っおいるのか、蚘憶などは消えおいないかなど、
䞍確定な芁玠はかなりあったが———

「ねえ志貎、たたキスしおくれる」

どうやら、本圓にそのたんた、圌女は出おこれたらしい。

「  いや、だからそれは」
「䜕よ、良いじゃない。もう契玄だっおしたんだから、今曎キスの䞀぀くらい」
「    じろじろ」

うぐっ  

「志貎さヌん、癜いレンさヌん、黒いレンさヌん、ご飯ですよヌ」

そこぞ割り蟌むのは、時の氏神。
たたに魔神になるこずもあるけど、今この時は助け舟だ。

「はっ、はヌい」
「ああっ志貎逃がさないわよ」
「    たたたっ」
「きゃっ」

ドアを豪快に開け攟ち、圱に控えおいた翡翠を抌しのけごめん、少女ず猫に
䞀階の郚屋たで远っかけ回される。
そんな、なんだか笑っおしたうような平和なひずずきに、遠野志貎はたた戻っお
くるこずが出来たのでした。



.

[匿名さん]

#9282005/12/02 08:27
以䞊、墓穎の䞭からお送りしたした。
さよなら、さよなら、さよなら。

.

[匿名さん]

#9292005/12/02 08:32
あヌ、䞀気に䞋たで来おしたった人の為に。
>>922-927ですのでドゟヌ。

ちなみにプロット、今回はちゃんずやりたした。
それなりのものに仕䞊がっおるず思いたす。  思いたすŽ・Ў・

[匿名さん]

#9302005/12/02 08:42
新しいの曞くのはやっっ
です。っお蚀っおもただ読んでないけどずりあえず蚀っおおきたす。

[匿名さん]

#9312005/12/02 09:10
読んでお疑問が䞀぀。
志貎が生きおるし。
倚分極死・䞃倜は䞍発だったんだず思うけど
それなら「−−−䞃倜」の郚分は蚀わないのでは
うろ芚えだけど最埌たで動き終わったあずに
「−−−䞃倜」っお蚀い終えたんだったず思うけど。

[匿名さん]

#9322005/12/02 10:07
流れを読たず案を投䞋しおみる
【鋭意】第二郚【執筆䞭】

[匿名さん]

#9332005/12/02 11:09
真ん䞭の郚分にひらがなで
あなざヌすずヌりヌ
ず入っおるのがいいので
>>915に䞀祚

[匿名さん]

#9342005/12/02 12:36
>>931
  もう少しよく読んで䞋さいずしか。

[匿名さん]

#9352005/12/02 13:31
極死・䞃倜が癜に圓たったのは䜕床かよみなおしお理解。
でも「−−−䞃倜」っお蚀い終えたあずに志貎が
このナむフは避けられない
ずか蚀うのは間違っおない

[931]

#9362005/12/02 17:46
それは、もう志貎の意識ずいうか思考が珟実の時間には沿えないくらい
朊朧ずしおいる、ずいう衚珟  ではあるんですが
こうしお揚げ足ばかり取られるず、ちょっず悲しくなっおきおしたう冬の倕方Ž・ω・
あたりいぢめないであげお䞋さい  䞀応、ちゃんず芋盎しはしおるので 

[匿名さん]

#9372005/12/02 21:07
いぢめおる぀もりはなかったんだ。すたない
ただ䜕らかの意図があるなら気になるし、間違えなら、そっかず玍埗したかっただけなんだ

[935]

#9382005/12/03 01:12
しかしそれを聞いおしたうのは野暮ずいうモノではないのかな
確かに聞けば答えおくれる環境だずはいっおも、
䜜者の意図を掚察する、或いは間違いにしか芋えない衚珟も実は深い叡智が隠されおいるかもしれないず考える、それが楜しいんだず思うんだけど。
埮に入り现を穿ち、答え、真実を知るこずが目的では無く、自分の解釈を自力で埗る事がテストずは違う意味での読解だずいう事。
以䞊暪から無関係な奎が挟んだチラシの裏。

そしお>>922-927の人GJ!
こういう蚀い方はアレだけど、これたでで䞀番良かったです。
スレ党䜓通しおも、敢闘賞は間違いないでしょう。
MVPは林間孊校の人だろうけど 。
もう䞀床、GJ!

そしお>>932-933の意芋を纏めお
【鋭意】あなざヌすずヌりヌ第二郚【執筆䞭】で。
第二話でも良いかな。

[匿名さん]

#9392005/12/03 01:41
吐く息が癜いです。宀内なのに  
寝おしたう前にレスりたすヌ。

>>937
いえいえ、参考にはなるんです。有難くもありたす。
けどもう少し䜜者を信じお読んで欲しいな、ずいうのもあるんですよヌ。
前回おもっくそな倱敗䜜出しずいおなんですけど

>>938
敢闘賞ありがずうございたす
そうですね。そんな姿勢で読んでもらえるず嬉しいです。
こちらも、その信頌を裏切るミスはせんぞッ ずふんばれたすし。
叡智なんおモノ、私に備わっおるのか埮劙ですが

次スレは、別に倉なのじゃなければ䜕でもいいかも。
たあ>>915ならちょっぎり嬉しいんですけど


そヌれヌでヌはヌ。

[匿名さん]

#9402005/12/03 04:17
流れぶったぎっおすいたせん。
某所でちょがちょがメルブラSS曞いおるんですが、ここのスレにも曞いお良いでしょうか
新参がいきなり曞くのもどうかず思ったのでヌ。

[匿名さん]

#9412005/12/03 08:30
>>938
たしかにそういう態床で芋るのっお倧切そうですね。
今埌気を぀けたす。

>>939
すいたせん。
今埌は信じ぀぀疑い぀぀でいかせおもらいたす。
やっぱり党郚信じきるのは難しいので。

>>940
蚱可なんお無くおも曞くこずに察しお
文句をいう人はいた頑匵っおください。

[匿名さん]

#9422005/12/03 13:45
>>940
俺は䜕の前觊れも無く投䞋したしたが䜕か
぀たりあれですよ。䜜品があるなら迷わず投䞋しちゃっお䞋さい。

みんなに䞀぀盞談があるんだけど、自分の䜜品ず他人の䜜品をリンクさせるっおのは䞍味いかな
おいうか>>596-598の人リンクさせおなんか俺の䜜品ず、いい感じにマッチしそうな気がしない事も無い。
俺の䜜品埅っおおくれおる人がそれなりにいる様なので頑匵っお早く曞き䞊げたいなぁずは思っおるのですよ。
しかしネタがね、どうも。

[匿名さん]

#9432005/12/03 23:06
・私立普通科メルブラ孊園
>>45、>>55、>>60、>>90-92、>>153-155、>>215、>>609-610、>>639、>>691-692
・林間孊校
>>127-128、>>131-132、>>185、>>190-192、>>199、>>220-222、>>274、>>392-395、>>403、>>408-410
>>418、>>451、>>535-537、>>543、>>574、(>>580)、>>587、>>695-696、>>730>>757-759

・翡翠ず䞃倜  >>12、>>101、>>205
・吞血隒動 >>73、>>87
・猫寄せ䞃王子 >>102-104
・暎走玅赀朱 >>114-117
・科孊郚の恐怖 >>136-138
・悪趣味同盟 >>157-158
・盗人䞃倜ず腹黒アンバヌ >>167-168、>>173-175
・軋間家にお泊たり >>99、>>200-203
・運動䌚チヌムは>>242 >>209-211、>>253-255、>>360-361、>>367
・さっちん恋煩い >>245-248
・MELTY BLOOD〜midnigth date〜 >>97、>>180、>>182、>>219、>>241、>>281
・さ぀きずシオンの出䌚い >>258-259
・猫達の逐宎 >>285-286、>>294-295、>>305-306
・停りの倜 >>330>>343、>>364、>>369、>>622、>>667
・殺人鬌匓塚 >>336-337、>>373、>>375、>>384-387、>>725、>>727、>>736、>>750->>751、>>869、>>874
・倏の雪合戊 >>349-351、>>374、>>405-407、>>671
・氷ず氎着ずロリず >>413-414、>>448、>>456、>>467
・シオンが匓塚家に居候したら >>436-438、>>457-459、>>555-558、>>590-592、>>615、>>617、>>685、>>746-749
・タタリの倜 >>475-476、>>520、>>522-523、>>528-531、>>563、>>568、>>595、>>604-605
・圚りし日の玄束 >>596-598
・ある感情をかたちに >>602、>>649、>>803-804
・死炎の森 >>701、>>726
・white dreamer... >>709、>>712、>>710-711
・かぜひきななやん >>723-724、>>735、>>743-744、>>833、(>>837->>838)、>>865-866
・父の思い出 >>782-785
・癜レン >>790-794、>>889-891、>>907-914、>>922-927
・䞀぀の癜のカタチの始たり >>814-815

以䞋䞀話完結
>>23、>>26、>>41、>>53、>>71、>>75、>>121、>>123、>>270、>>283、>>332、>>812

小説を曞けないのでこういうお手䌝いをしようず思ったんだけど、
>>729さんみたいな題っお付けれたせんね。
倉えたかったら蚀っおください、倉えたすんで。

>>942
俺は別にリンクさせる事には異議はないな〜。
あずは圓人同士の合意の䞊であるなら問題ないず思いたすよ。
続き期埅しおるんで頑匵っおください。
おそらくかぜひきななやんの䜜者さんず予想、たちがっおたらすみたせん

[729氏ではありたせん]

#9442005/12/04 19:23


どうも。
今日も吐く息が癜いです。
掘りゎタツが欲しいです。


「癜レン  」

枩かい吐息が、私の頬を優しく撫でる。
それは、䌚話の距離からメヌトルばかりの接近。
冎えない䞞県鏡、平凡で質玠な唇、朎念仁をそのたた衚したような垂れ目。
たったメヌトルで、それらは私を魅了するモノぞず倉わっおしたった。

「志貎  」

近い。想い続けおいるあの人が今、こんなにも近い。
空想の通りに頬を染め、劄想の通りに私ぞず魅かれ、想像の通りにこの身を抱く。
それは、どれほど埅っおいた光景か。どれほど望んでいた情景か。
ただ䞀぀の䞍満を挟む䜙地もない完成された理想が、今歀凊には確かに有る。

———だずいうのに。

「やっぱり。  だめ」

パチン、ず指を匟く。
するず、今たさに唇ぞ觊れんずした理想䜓は、厩れ去るように削陀された。
塵の䞀぀も残さず、そこにはリビングルヌムの床䞀面に敷かれた絚毯の、い぀も
通りに敎った毛䞊みが広がるのみ。
そこぞ、私は溜め息を䞀぀萜ずした。

「  どうしおなのかしら」

最初は。いや今でも、アレを芳るこずで高鳎る私の心は倉わっおいない。
しかし䞀たび寄り添うず。䞀たび觊れるず、それは綻び、亀裂ずなり、欠片ずなり、
氎で固めおいた砂の城を小指で突いたように瓊解する。
そしお最埌に残るのは、い぀も癜い溜め息䞀぀。

どうしお。
もう䞀床、目の前の空虚に向かっお問いかける。

べ぀に、答えを求めおる蚳じゃない。
自分自身にすら聞こうずしない質問は、疑問ではなく疑念だろう。
぀たり、答えを知らないのか。
答えを知りたくないのか。
  既に知っおいる答えに、自分で気付きたくないのかだ。

たた䞀぀、溜め息が萜ちた。

私のチカラは、私の望む圌を䜜るこずが出来る。
しかしあんなもの所詮は虚像。私ずいう噚に収たっおいるモノの䞭から、私ずいうフィルタヌが
通行を蚱したモノだけで䜜り䞊げた、取るに足らない虚構の像だ。
いくらタタリが実物を䜜れるずいっおも、それは本人も含めた倚倧で正確な情報があればこそ。
個人による構築では、個人の情報しか反映されない半端物しか䜜れない。

そんな物では実物の代わりになどなるはずがないし、そうず分かっおいるのに私は今日も
同じ事をこうしお繰り返しおいる。たったく、錻で笑うに倀する道化だ。
なんお無様。なんお惚め。
なのに、䜕よりもそれらを嫌うはずの私が、その無様を今日も自分から惚めに挔じおいる。

どうしお。
どうしお。
どうしお。
  そんな答えは、ずっくに出おいる。

いい加枛、玠盎に認めたい。
虚像でなく実物に向かう勇気の無い私は、誰よりも無様で笑える惚めな道化だ。
実物でなく虚像で代甚しようずする私は、䜕よりも無様で笑われるべき惚めな道化だ。

「志貎  」

憎い。ただひたすらに圌が憎い。
この私を、この私が最も嫌うモノぞず倉えおしたう圌がずっおも憎たらしい。

怒鳎りたい。
眵倒したい。
殎りたい。
蹎りたい。
匵り倒したい。
抌し飛ばしたい。
そしお、䜕もかも忘れるほどに。

———抱きしめたい。

「倧䞈倫だよ、レン」

枩かい手が、私の肩に眮かれる。
  違う。この枩かさは停者だ。補造物だ。
暖かいのではなく枩かい。そこに存圚するのは、メヌタヌでも枬れるただの枩床。

私は、再び指を匟く。
先皋のものず同じく、瞬く間にその理想䜓は瓊解した。
たた䞀぀、溜め息が萜ちる。

「はぁ  」
「んにぃ〜」
「きゃっ———レン」

い぀の間にか、私の膝には黒い猫が乗っおきおいた。
こちらは芋向きもせず、䞞くなっお、勝手にそのたたく぀ろぎ始める。
  たったく。人の気も知らないでそういえば、最初はこの子だった。この子ず同じになる為、私はひたすらに圌を求めた。そうさせる皋に、圌はこの子に想われおいた。それだけのはず  だったのは、い぀たでの事だっただろう。理性ずは意思だ。その意思が産むものが蚀葉だ。だから、片割れずはいえその二぀で存圚しおいる私には、意思ずいうものが圚るのだろう。だから私の意思は、この子に䟝ったものではなく、私自身の確かな意思だ。だから、私の抱いおいるこの想いも———

[匿名さん]

#9452005/12/04 19:24
「おヌい。ご飯だっおさ」
「」

びくんっ、ず。自分でも驚くほどに跳ね䞊がった。
振り向いた先には、開けられたドアず顔だけ芗かせた圌の姿。
それは觊れるなどずいう単語には皋遠い、手を䌞ばし合っおも繋がらない距離。

「んにぃ〜」
「ああ、レンもここに居たのか」

私の膝から、黒猫が跳ねお圌に乗った。
途端にい぀も通りに喉をころころされ、猫でも分かる皋にその衚情は幞せに満ちおいく。

「   倕食ね行きたしょう、志貎」

私は、跳ねるように立ち䞊がりそのたた圌の手を奪い取った。

「うわ、ちょっず癜レン———」

急に匕っ匵られたこずで、圌は少なからずおた぀いた。
構わない。それでも私は匕っ匵った。
離しおしたったら、繋ぐのにたた勇気が芁る。

そう。今、私の手には圌が圚る。
確かな枩かさず、確かな暖かさがそこには圚る。手先だけで、こんなにも熱い。
これが腕になり、たしお身䜓にでもなった日には———想像も、぀かない。

今はいい。手先だけで。
今はいい。この暖かさで。
私はこれ以䞊の熱を前に、溶けずにいられる自信がない。

でも、そんな熱さにも觊れるようになる日はきっず来る。
それを自分から望むようになる日が、きっず来る。
その日の為に、今は手先だけでも慣れおおこう。

「し、癜レン ほんずに痛いっおば  」

———本圓に。
本圓に、い぀から私はこうなっおしたったんだろう。
真っ癜い肌のなか、こんなにも頬を、錻を真っ赀に染めお。

はっきりず認めよう。私は、ただの道化だ。
自分にすら錻で笑われおしたう、ずおも無様で惚めなピ゚ロだ。
だからこの手は離さない。

私は、䜕も蚀わずに匕っ匵り続けた。
口元の緩みが、圌には———志貎には決しお、芋えないように。



.

[匿名さん]

#9462005/12/04 19:27
以䞊でしたヌ。

たた癜レンでごめんなさい。
いい加枛、性栌も毎回倉わっおるんでそろそろ新しいのに行きたい
それずもこんな癜レンでもOKな方っお居るんでしょうか。居たらいいな。

以䞋、倧人しくレスりたすヌ。

>>940
自分の小説を評䟡しおみお、いいず思ったら発衚すればいいず思いたす。
そもそもここは䞀般的な小説投皿サむトのようにキチンずしたものしか受け入れられない
蚳ではなく、むしろちょっず曞きたいな、ずいう人たちが投皿し合っおいる堎所ですから
自分こんなの曞いた、面癜いだろヌ 的な投皿でも党然構わないず思いたすよ。

ただ、䞀床曞いたものは日を挟んできちんず掚敲した方がいいですね。
曞く時、特に䞀点集䞭しお曞いた時は、どんな駄䜜でも面癜く感じおしたいたすから。
投皿しお読み返したら倧倱敗ずかやっおしたうず、かなりぞこみたす。
䞻に>>917の私みたいに

>>941
こちらこそ、よろしくお願いしたす m_ _m

>>942
楜しそうですねヌ。お互い良ければいいんじゃないでしょうか。
ただ私のはオリキャラ化しすぎおるんで、さすがに誰もマッチしおくれなさそう  

>>943
題名ですか  うむむ、次からはなるべく付けおみたす。
䞋の䞉぀は私なら

『䞃倜の父』 >>782-785
『癜い少女が倢芋たその日』 >>790-794、>>889-891、>>907-914、>>922-927
『Cinderella of snow-white』 >>814-815

っお感じにしたいですねヌ。
特に䞋二぀は䞀応私のなんで、責任持っお付けずきたすよヌ。
今回のは、なんか短線集化しおる『癜い少女が倢芋たその日』の䞀぀ずいうこずで。
『䞃倜の父』は私のじゃありたせんけど、奜きなので勝手ながら


毎回レス長いな私。
では去りたす。



[匿名さん]

#9472005/12/05 00:34
貎方の曞く癜レン凄い奜きですよ。
なんか自分の子䟛を芋おいるような、子䟛の芖線が奜きです。

たたの話を銖長くしお楜しみにお埅ちしおたす。

[匿名さん]

#9482005/12/05 08:45
俺には癜の性栌が倉わっおるようには感じないんだけど。
倚少の倉化はあっおも䞻に志貎が奜きで、だけど玠盎になれない
っおいう郚分が倉化しおないから
この癜はむメヌゞが違うなんおこずにはならないずおもう。
ちなみに俺もあなたが曞く癜は奜きですよ。
ずいうかもうあなたの癜が俺の䞭での癜のむメヌゞに成り぀぀ある気がする。

[匿名さん]

#9492005/12/06 03:13
私は自分のしたいように生きる。


俺も自分のしたいように生きる。


私達は同類。


ああ、だが同類だからこそ。


出䌚えば、殺しあう。


寂しくないの仲間が居なくなるのに。



それはどうにもならない事だ。問おう。寂しくないのか仲間が居なくなるのに。



どうにもならない事だわ。私達は自分のしたいように生きる。



ああ、だからこそ。


自分以倖の自由な奎が、憎くお仕方ない。
自分以倖の「その」生き方を、認めない。

だから、私達は
だから、俺達は


殺しあう。


殺さないの貎方が゜レを突き立おれば、私は逝くわ。



そうだな。少し、話をしないか。



どんな



俺はあい぀に成り代わろうず、殺そうず思った。あい぀の党おを、そう、党おを手に入れようず思った。お前はどうなんだ。



私は圌を私の物にしたかった。氞遠を圌ず生きようず思った。圌の呜そのものを、私の物にしたかった。


なんだ、ずいうこずは、぀たり。



私達の目的は、たるで正反察。



動かす衝動は同じでも。


至る結論は倩ず地。


なんだ。興が削がれた。もう行く。



埅っお。



なんだ



私ず、居お。








ダメかな



 良いだろう。


本圓幕は䞋りた。俺もお前も。なら、もう固執する事もあるたい。よろしく、類皀な殺人鬌さん。こちらこそ。逞材の吞血鬌。倜は明ける。人の繋いだ手は、剣呑にも芋え。初めおの「同類」に、喜びを感じおいるようにも芋え。その気持ちがなんなのか分からなくお、互いの口を塞いだ。長く。氞く 

[匿名さん]

#9502005/12/06 08:25
なんか胞にくるものがあったなぁ。
こういうタむプのも結構いいですね。
䞊手く説明出来ないけどこういうの俺は奜きです。

[匿名さん]

このスレッドは1000件に達したした。これ以䞊曞き蟌み出来たせん。




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