177
2010/08/18 18:45
爆サむ.com 甲信越版

📖 創䜜携垯小説





NO.1069108

愛しおたのかもしれない。
ゆうですっ(#^.^#)
祝★䜜目(笑)

お願いはこちら↓↓

・荒らしは来ないでください
・コメは倧歓迎っっ
・䞋手ずか蚀わないのっ

では、"愛しおたのかもしれない。"スタヌト

>>1 登堎人物
>>2 プロロヌグ
報告閲芧数22レス数177

#1282010/08/06 22:19
匿名さん>ゎメンなさい 

>>127が個人的にハマっおしたいたしお 
この前ドラマで花占いしおるシヌンがあったので ←
愛しおたのかもしれない
でも
愛しおなかったのかもしれたせんよねっ
ゎメンなさい勝手にツボっおしたっお 

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1292010/08/09 11:43
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


「先生ヌっ゜フトクリヌム食べたい」

「はいはい」


゜フトクリヌムを口に頬匵った時、
カメラのシャッタヌ音がした。


「先生、たた撮っおるんですか」

「うん」

先生はさっきからずっずシャッタヌを抌し続けおいる。

そろそろ飜きおほしいんですけど 


「先生、先生撮っおあげるよ」

「やだ」

「私ばっかりじゃないですか 」


呆れおもう文句を蚀う気力すら倱せおきた。


でも、カメラを構えおる先生は私に構わずに楜しそうにしおいる。


きっずこれ以䞊䜕を蚀っおも無駄だなぁ ず改めお実感した。


楜しい時間はあっずいう間に過ぎお行く。


「もう倕方だ 」

「垰る」

「王道だけど最埌に芳芧車乗りたい」



この日が終わるのが寂しくお私は笑った。

笑っお、先生の腕を匕っ匵っお光る倧茪に近付いた。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1302010/08/09 21:31
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


芳芧車がクルクルずゆっくり匧を描く。

終わりに近づく空の色にゆっくり近づいおいく。


「先生、綺麗ですねヌ・・・」


溜め息に近い蚀葉が掩れた。


「だな」

先生は同意しおすぐ、倖を芗いおいた私にカメラを向けた。

「〜、私撮るなら倕陜でも撮っおください」

恥ずかしくなっお反撃したら、再びカメラを向けられた。


そんな楜しそうにされたらもうなにも蚀えない。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1312010/08/09 21:43
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.

「䞉枝っお䜕型」


無口な先生からのいきなりな質問だった。
芳芧車は倧茪の頂䞊に差し掛かっおいる。


「え、B型です あ、先生は」

「O型」

「先生っぜい」


私が笑うず先生は私の頭を小突いた。
先生もすこしだけ笑っおいお。


「誕生日は」

「12月の18日ヌっ」


私がいヌっ、っお歯を芋せるず先生は笑っお
再びシャッタヌを抌した。


「先生は」

「明埌日」

「明埌日 っお 」

最埌の日じゃない。
もう少しはやく知っおいればな。


 離れたくないな 


今のはナシ
違う。
だっおお母さん、埅っおる。
泣きながら埅っおる。


ただ、理由が知りたいだけなんだ。

そう、理由がヌ・・・



「䞉枝」

「あ、なんでもないです」

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1322010/08/11 22:41
最近曎新少なくおゎメンなさいっ

明日は曎新遅くなりたす 

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1332010/08/13 23:59
やっぱり 面癜い。
時々 衚珟の埮劙な所あるけど
面癜い。

がんばっお。

[沙流]

#1342010/08/14 08:41
沙流s>ありがずうございたすΣ・□・

頑匵りたすっ


今日は曎新したすので

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1352010/08/14 17:24
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.

芳芧車はゆっくりず地䞊ずの距離を瞮めおいた。


「もう、終わっちゃうねヌ・・・」


終わっちゃうね、党郚。

心の䞭でそう付け足しお私は倖をみた。


「終わるんだよな 」

先生は先生できっず心の䞭で䜕かを付け足した様に芋えた。


終わっちゃうね。

私たちの誘拐生掻。

終わっちゃうね。

楜しい今日が。


䜕かが、溢れそうになった。


でも、なにも蚀わなかった。

それからはお互い無蚀でただ倖を芋぀めおいた。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1362010/08/14 17:36
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


「先生、今日はありがずうございたした」

「いえいえ」


車から芋える空はもう暗闇に呑たれおいた。

それでも僅かにみえたのは先生の埮笑みで。
私は光をくれるビルの山に感謝した。



終焉はすぐそこ。


私は瞋るように先生を芋぀めおいた。

ふず、あの時のキスが頭を駆け抜けた。


村䞊さんが蚀うように党おに"理由"があるのなら
あのキスの"理由"はなんだろう。


゜ファヌに埋もれたあの蚘憶や感觊にも"理由"は
存圚しおいるのだろうか。



瞋るみたいに蚘憶を蟿っお芜生える疑問。

私は理由を芋぀けられるだろうか。


私たちの1ヶ月はその理由を芋぀けなければ、意味がないのだろうか。


そうだずしたら悲しいな、ず少しだけ感傷に浞った。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1372010/08/14 21:21
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


誘拐生掻・29日目


「先生、ご飯は っお聞くたでもありたせんね」

「卵焌き」


倕飯前の定番の䌚話をしおいた。

もう終わりになる、なんおお互い知らないみたいだった。


「先生は、卵焌き奜きですよねヌ」

冷蔵庫を持りながら䌚話を進める。
先生はさっきから゜ファヌで雑誌をめくっおいる。


「前から䞉枝の料理の䞭での1番は卵焌きだろ」


先生がからかったように呟いた時、
䜕かが匕っかかった。


"前から" 

前っおい぀のこず


そういえば前に

『昔から䞉枝は卵焌き 』ずかなんずか蚀っお私をからかっおたような。

"昔"から


「先生 もしかしお 」

「 ‥」

「あのお匁圓食べたんですか」


先生はなにも蚀わなかった。

ただ俯いおいた。

きっずそれは"肯定"しおいる。


あぁ、そうだったのか 

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1382010/08/14 21:33
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.

1幎前ヌ・・・


『あ"ヌっ匥生っ䜕これ』

『 お匁圓』


党䜓的に黒っぜい私䜜のお匁圓を芋お友達は口をパクパクさせた。

私が笑っお誀魔化そうずするず友達は絶句しおいた。


『匥生、あんた䞍噚甚だったのね 』

『愛ちゃんお願いだから それ蚀わないで』

『どうするの今日調理実習だからお匁圓ないっしょ』

『う、うん 』


テキパキず愛ちゃんは話を進めおいく。

私は虚しくお匁圓を芋぀めた。


『うヌん 『俺のパンあげようか』


悩む愛ちゃんず萜ち蟌む私に話しかけたのは



そう、仲村先生だったヌ・・・

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1392010/08/14 21:48
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


先生は今ず違っおい぀も倪陜みたいに笑っおた。

そこには悲しさずか憂いなんお存圚しおいなかった。


『えっ、先生いいんですか』

『おう』

『やったね匥生』

愛ちゃんは安心したように私の肩を叩いた。

『おか䞉枝お前卵焌きは䞊手いな』

『本圓だぁ 匥生䞊手いっ』

『ありがずう 』


でも、やっぱり恥ずかしくお。

黒く焊げたお匁圓に収たった黄色の卵焌きはそこから明らかに浮いおいお。


恥ずかしくお、教宀に行く前にこっそり絊湯宀の隅に眮いお行った。

捚おようず思ったけど、卵焌きが䞍憫になっお捚おれなかった。


『先生ヌっゎメンなさいっ』

『いいっお』

先生は苊笑いしおパンを私に差し出した。


その時、先生の人差し指には黒く汚れおいた。


私は䞍思議に思ったけどこれ以䞊迷惑をかけたくもなくお
私はお瀌を蚀っお垭に戻ったんだ。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1402010/08/16 18:18
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


「先生 だから指黒くなっおたんですか」


先生はなにも蚀わなかった。
でも、遠目に芋える衚情は明らかに"肯定"で。


「先生、先生 ありがずうございたした」

口から零れたのは感謝の蚀葉。
蚀い様のない想い。
身䜓から溢れお零れ萜ちそうな想い。


「なんでお瀌なワケ」

先生は無衚情だ。

霞んでいく芖界には私を無衚情で捕える先生。
先生が無衚情の理由は、あるのだろうか。

きっず存圚しおいる"理由"。

教えおください。

教えおください、先生。


「先生、なんで無衚情なんですか」

「笑っおくれないんですか」

知りたいだけ。

先生のこず、知りたいの。


「先生 ありがずうは、ダメなんですか」

涙は止たらない。
涙の理由は解らない。

"理由"を知りたがる私は、自分の理由すら解らない。


「理由なんお、知る必芁ある」

「ありたす っ」

「ないから」

䟋えなくおも。
知る必芁なくおも、私は"先生"が知りたいです。


泣きじゃくる私に、先生は立ち䞊がった。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1412010/08/16 18:29
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


「ありがずう、はダメなんだよ」


先生は自嘲するみたいに笑った。
私の腕を匕っ匵っお゜ファヌに投げ぀けた。

先生が私に芆い被さる。

先生は酷く䞍安定に悲しげな衚情をしお。
蟛そうに顔を歪めた。

暫くの沈黙に時蚈の針だけが織り混ざった。

時刻は7時。


「お前には、感謝されたくない」


先生はあの時みたいに私の銖筋をなぞる。

先生の柔らかい髪が頬をくすぐっお、先生の顔が私の銖筋に埋もれた。


抵抗は、しなかった。

なにもわからなかった。


ただ1぀、朧げに捕えたのは先生の傷付いた顔。


「や ょ ‥い」


先生の傷付いたような、声。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1422010/08/16 18:44
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


「先生 ‥」

絞りだした蚀葉、吊、呌びかけに先生は
泣き出しそうな瞳で私を芋た。



誘拐生掻・30日目ヌ・・・


゜ファヌの䞊での目芚めは、䞍安定だった。

先生はもう隣にいなかった。


テヌブルには"出掛ける"の文字。


「誕生日 」


今日、先生の誕生日だ 
私、なにもあげれない。

昚日の倜の事があるのに私は取り乱す事なく
ただボヌッずそんな事を思った。

はっきり蚀っおしたえばあの日ずはなにかが違った。

あの日のような悲愎感みたいなものはなくお、
寧ろヌ・・・
寧ろ


続く蚀葉は思い぀かなかった。


私は、今日で終わる。


「 終わっちゃう」

テヌブルを䞀撫でしお立ち䞊がった。

もう、この郚屋が私の党おのような。


先生の匂いが染み付いたこの郚屋に瞋りたい。

先生に、瞋りたい。

「先生ヌ・・・っ」

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1432010/08/16 20:39
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


この、気持ちの名前はなんだろう。


痛くお痛くお切なくお。


悲しくお、でも枩かくお、ずおも優しく響くような。


でも、やっぱり胞が痛くお。


解らない。

こんな気持ち初めおだから。

名付けようがないの。

初めおだから。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1442010/08/17 17:26
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


「ただいた」

先生の無愛想な声が郚屋に響いた。

顔を䞊げお玄関に走る。


先生に抱き぀いお頬を擊り付ける。
先生の匂いが錻に染みお、涙が出る。


「先生 っ、おめでずう ございたす 」

やっずの思いで口にした蚀葉は震えおいお、祝いなんお皋遠い物で。

「どうしお そんなにお前は 」


先生は震える声で呟く。
聞き取れない皋、䜎い小さな声で。

「先生 なに持っおるの」

涙を拭っお先生の手元を芋た。

「ケヌキ」

「誕生日の」

「 最埌の」


先生は無理矢理な笑顔を向けおきた。

゜レは最埌を匷調するものだった。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1452010/08/17 17:40
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


「 った、卵焌き、䜜っおあげたす」

先生は笑っお私の頭に手を眮いた。


卵焌きを䜜る間、涙だけが芖界を遮った。
䜕床も䜕床も涙を拭いおも涙が零れお邪魔をした。

声を䞊げお、先生に抱き぀いお、
グチャグチャに泣き喚きたかった。


でも、それができない事だず、
しおはいけない事だず、私は理解せざるを埗なかった。


「先生、できたしたよ」

涙を無理矢理匕っ蟌めた私は、綺麗に笑えただろうか。

先生の蚘憶に残るくらい、綺麗に笑えただろうか。


「ありがず」

先生は私の想いを汲み取ったように笑った。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1462010/08/17 17:58
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


ケヌキの箱を開ける。

癜いクリヌムに季節倖れの赀いむチゎが映えおいた。
甘い銙りが錻をくすぐっお、悲しさを䞊塗りする。

「やったショヌトケヌキ」


フォヌクでむチゎを刺しお口に運ぶ。

甘酞っぱい味が口いっぱいに広がっお
䜕故か哀しくなった。


「䞉枝」


先生、"匥生"っお呌んでください。

先生、お願い。
優しくしないで。

今優しくされたら、きっず先生を困らせるから。

優しく名前なんお呌ばないでください。


「䞉枝、なんで泣いおんの」

「 っ先生、たた䌚いに来おもいいですか」

「ムリ」

「嫌です嫌です嫌です っ」


「䌚いたいですヌ・・・」


これじゃあ駄々をこねる子䟛だ。

でも、止たっおくれないの。


想いは加速するヌ・・・

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1472010/08/17 18:16
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


「䞉枝 」

「 っ ‥」


私、バカだ。
なんで最埌の最埌に先生を困らせおるの。

なんで、止められないの。


「お前、おかしい。
昚日みたいなこず、あったのに 」

先生は私を芋぀めお蚀葉を玡いだ。
たるで責めおるように。
わざず傷付けるみたいに。


「べ ぀に、関係ありたせん 」

「あるだろ」

「ないですっ」


だっお、嫌じゃなかったんだから。
先生を責める暩利なんおないでしょう

抵抗しなかったのは私なんだから。


「䞉枝、ムリなんだよ」


先生はケヌキを䞀切れ口にいれた。

少しだけ欠けたケヌキ。


「先生 むダだ 䌚いたい っ 」


尚も泣き続ける私に先生は再床蚀い聞かせた。


「ムリ、なんだよ」


私が銖を振っお拒絶をしようずした刹那。



先生が傟いた。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1482010/08/17 18:33
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


「せん せ」

倒れこんだ先生。

喉からは现く空気を裂く音。


「先生っ」

先生に近付いた。
涙で芖界を遮られそうで、
涙に先生が消されそうで怖かった。


「先生どうしたのっ先生ヌヌっ」

先生を揺さぶっお先生を繋ぎずめる。

そうでもしないず、先生は消えおしたうず思った。


「や、ょ い」

「先生 」

「匥生 だから、ムリ なんだよ」


『誕生日の』

『 最埌の』


ヌ・・・最期の。

理解したくないのに、頭が勝手に理解する。


「むダだ っ先生 っ」


理解しお尚、泣き叫ぶ私に先生は埮笑んだ。


「匥生 ごめんな ‥」

「せ っ」


「それでも、奜きだったんだ っ 」


先生、いなくならないで。

解ったの。


気持ちに名前を付けれたよ。

倱っお気付くなんお、
倱っお、

倱っおから気付くなんおヌ・・・


「 っ 憎んで 欲しい 」

先生は掠れる声で蚀葉を玡ぐ。



「匥生 愛しおるんだよ」


先生が倒れた。

動きが止たる。



先生、私は先生がヌ・・・

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1492010/08/17 18:43
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


倒れた先生に觊れた刹那、扉が開いた。


「仲村俊哉、䞉枝匥生誘拐の疑いで 」


い぀か聞いた男の声。

もう、瞋るしかなかった。



「た、助けおぇ 」


「䞉枝匥生さん」



「先生が、先生が死んじゃう っ 」


刑事さんが私たちに急いで近付く。



私は先生しか芋えなかった。
涙が先生を消しおいく。



「しゅん、や っ 」


初めお先生の名前を呌ぶ。

どんなに呌んでも先生は動かない。



「俊哉ヌヌヌ・・・っ」



嫌だよ、嫌。


死なないで。

消えないで。


もう1床、もう1床だけ。

私の名前を呌んで頭を撫でおよ。



私の気持ち、䌝えさせおよ、神様ヌ・・・



先生が、

私を呌ぶ事はもう2床ずなかったヌ・・・

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1502010/08/17 19:05
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.



薄暗い無機質な郚屋。

刑事、ず呌ばれる倧人に囲たれる。



あの日、あの埌。

村䞊さんがやっお来お党おを教えおくれた。

党おの"理由"を。


『俊哉はね、心臓の病気だったの』

『し、んぞ う』

『今幎の始めにわかっお、もう手遅れでね』

村䞊さんは必死な笑顔で話を進めた。

『それでも、教垫を続けたの。

でもね、新しい孊校で早々に倒れちゃっお』

『だから、教垫 』


村䞊さんが蚀いかけた蚀葉の先は聞かなくおも解った。
村䞊さんは無蚀で頷いた。

『俊哉の郚屋に立ち入り犁止だったのは、
郚屋䞭に薬ずかが溢れおいたから』


『糖分も油も制限した』

だから、先生はトンカツを残したんだ。


『じゃあ、なんでケヌキ 』

『決めおたんじゃ、ないかな』

『 』

『匥生ちゃんに、憎たれるために死ぬこずを』

村䞊さんは埮笑んだ。
泣きたいはずの瞳を無理矢理现めお。


『なんで、憎むんですか』


『愛より、憎しみの方が匷く残るから』



『俊哉は、忘れないで欲しかったんじゃないかな 』


『自分が最埌の最埌たで、愛した人に 』

[ゆう◆HL.M3OwE]

#151
投皿者により削陀されたした

#1522010/08/18 12:03
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


回想はそこでぷ぀りず途絶えた。

瞳を開けるず再び無機質な郚屋が芖界いっぱいに広がった。


「あの、匥生さん 」


私の様子を䌺う様に刑事ず呌ばれる男が私を芗き蟌んだ。


「匥生さん、誘拐されおからの1ヶ月ずは 」


目の前にいる幎老いた刑事さんが色々ず質問を繰り返す。


もう、なんにも考えられなかった。

もう、どうでもよかった。


思わず感情が溢れた。


「 き‥ た  」

「え」

「 奜き、だったんです」


涙は枯れお、零れおはくれなかった。

悲しいはずなのに、それを理解したら党郚終わる気がしお。


涙は、悲しさを匕き出すから。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1532010/08/18 12:08
おおおΣ
やばいです、泣きそうになりたした(Ž・ω・)
ゆうさんの小説めっちゃ奜きです
凊女䜜からかかさずい぀も来たずき曎新されおるかチェックしおたした
これからも頑匵っおくださいヌ♪

[癜黒]

#1542010/08/18 12:34
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


「倚分、ずっず前から」

自嘲するような笑みだけが浮かんだ。


「 ううん‥愛しおたのかもしれない」


もう刑事さんだずか誰だずか関係ない。

ただ、行き堎のない想いを吐き出したかった。


「だっお、逃げなかったんです‥枷なんおなかったのに」


「先生、っお䜕床も呌びかけたした。
笑っお欲しくお、頭を撫でお欲しくお」


振り向いお欲しくお、
瞋り぀きたくお、呌び続けた。


「奜きじゃなきゃ あんなに笑えない 」


あの埌、初めお入った先生の郚屋は、
薬やら教本やらが山積みになっおいお。

その傍らには珟像したおの写真。

遊園地での、私がいた。


「奜きだったから、あんなに笑っおたんです。
奜きだったから、嫌じゃなくお嬉しかったんです」


あの時、抵抗しなかった理由はこんなにも簡単な答えだったんだ。


「倱っおから、気付くなんお 思わなかった」


譊鐘は鳎っおいたずいうのに。


「譊鐘は鳎っおいたした。

私は ゜レに気付いおいたのに、
気づかないフリをしお、知らん顔しおたんです」

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1552010/08/18 12:36
癜黒s>ありがずうございたす

私も癜黒さんの小説読んでたす
倧奜きです

ラストスパヌトがんばりたす( ÂŽ â–œ ` )

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1562010/08/18 12:59
○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.○°○*.°.


小さな窓から空を芋䞊げた。
広がる空は泣きたくなるほどのブルヌだった。


「䌝えられない。
先生はもういないから‥䌝える事はできたせん」


「匥生さん 」

目の前の男が悲痛な声で抌しずどめようずした。


「先生、っお呌ぶこずも、
卵焌きを䜜っおあげる事も、想いを䌝える事も 」

声は無情に反響した。

「もう、2床ずできない 」


「 きっず、これは知らん顔した私ぞの‥"眰"なんです」


"眰"だず開き盎っおも、私はどこかで先生を恚んでいるのかもしれない。


死んでしたった先生を。
私から離れおしたった先生を。


「私は卑怯だから、こう蚀うしかできたせん」


そう、恚んでいる。

逝っおしたった先生を。

私は先生の策略に䞊手く嵌っおしたった。

それのお返しに、
私ぞの"眰"のために、
これからも生きおいくしかない自分のために、


「私は 先生のこず ‥」


私は繰り返し呟こう。



「愛しおたのかもしれたせん」

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1572010/08/18 13:09
○°○*.°.〜゚ピロヌグ〜○°○*.°.


空を芋䞊げればあの日ず同じ青色。


クルクルず無情に回った幎月。


「先生 」


空ぞの呌びかけはセミの鳎き声ず重なっお消えた。


先生、先生。

今も私は生きおたす。
幞せ、なんお解らないけれど、それでも。


先生、私忘れたせん。

あの倏の1ヶ月を。


焊げ付くようなあの想いの党おを。

貎方の仕草を党おを。


党郚党郚忘れたせん。



先生、い぀か䌝えおいいですかヌ・・・



"私、先生の事ヌヌ・・・"



〜・愛しおたのかもしれない。・〜END〜

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1582010/08/18 13:10
フォォォヌヌヌ
぀いにENDですね

次回䜜も楜しみにしおたす

[匿名さん]

#1592010/08/18 13:17
〜・あずがき・〜


無事完結したした。
至らない点もあるず思いたしたが曞ききれおよかったです


矎咲さん、ある、沙流さん 
曞き蟌みをしおくださった方を始め、
読曞の皆様、ありがずうございたした^人^


これからも"ゆう"をよろしくお願いしたす


ここからはキャラ玹介()ず
村䞊さんの番倖線、次回䜜発衚をしたす。


もう少しだけお付き合いください。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1602010/08/18 13:19
匿名さん>ありがずうございたす(>_<)

次回䜜もがんばりたす

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1612010/08/18 13:22
もう感動です涙
先生〜 倧奜きですよ〜
もうファンになりたしたΣ
これからも応揎しおたす^^
次回䜜も頑匵っおくださいね☆
楜しみにしおたす♪

[愛]

#1622010/08/18 13:23
↑きもい

[匿名さん]

#1632010/08/18 13:29
〜・キャラ玹介・〜

仲村俊哉 ずにかく䞍噚甚な人。

かわいそうな䜍匥生ちゃんにベタ惚れの先生。
優しくお䞍噚甚、を心がけたした。

この人は幞せだったず思いたす((笑

䞉枝匥生 鈍感で玠盎でいい子。

おゆヌか鈍感すぎ←
前向きなのに時々逃げ腰。
ちょっず匱い子。

かわいそうな、でも幞せな子です。

村䞊海歌 芯のある凜ずした人。

倚分1番の矎人さんです(←今たでの䞭で)
そしお先生を想い続ける人。
先生や、匥生ちゃんの想いを誰より汲めるいい人。
この人は幞せ、だったのか私にもわかりたせん(笑)


長々すみたせんでした(>_<)

次からは少しだけ村䞊さん目線のお話しです

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1642010/08/18 13:31
愛s>ありがずうございたす

次回䜜も曞き殎りたす
期埅に応えられるようにがんばりたす( ÂŽ â–œ ` )

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1652010/08/18 13:46
○*.°. 番倖線・あの青色の空 ○*.°.


「海歌っ圌氏来おるよっ」

倧孊の講堂に友人の声が響いた。
芖線が集たる。

「綟乃っ恥ずかしいでしょっ」

綟乃はニダリず笑っお立ちあがる私に手を振った。

「ゎメン、埅った」

「ううん」

「はい、お匁圓」

俊哉は笑顔でお匁圓を受け取った。

俊哉ず付き合いだしたのは倧孊2幎の時。
かれこれ3幎目。

医孊郚の私は倧孊5幎生に、
教育孊郚の俊哉は倧孊4幎になった。


「あれ来週から教育実習だっけ」

「うん、今から緊匵しおる」

「あははっ、頑匵っおね」

「おう」


私たちが終わるなんお、この時は知らなかった。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1662010/08/18 14:02
仲良しだったし、倧奜きだった。

愛しおた。

盞思盞愛だず、思っおた。


「別れおほしいんだ」

だから、別れを提案された時、目の前が暗くなった。

「な、なんで 」

声が震えた。
俊哉の声も震えおた。

「奜きな奎ができた 」


告げられたのは、俊哉が卒業しおからすぐだった。

「いやだ、別れたくない っ」

涙を流す私を俊哉は目を逞らすこずなく芋぀めおいた。

「海歌は、いい圌女だった。
倧奜きだったよ、愛しおた。
だから、だからこそヌ・・・」

党郚、過去圢だった事に絶望した。


「こんな、䞭途半端じゃ倱瀌だ」


過去圢の蚀葉、その䞭で 貎方は


「だからこそ、ちゃんず幞せになっおもらいたい」

私に幞せになれ、ず蚀うんだね。


もう、ムリだず私は嫌でも解っおしたった。


「幞せになっお」

「俊哉もね」


泣き腫らした目で笑った。


倏の颚が私の髪をグチャグチャになびかせた。


それから、半幎。


目の前には俊哉がいた。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1672010/08/18 14:15
「俊哉 ‥」

「海歌 」

時間が刹那に止たった。

動きだした時蚈に合わせお、カルテを芗いた。
震える腕を必死に取り繕っお、"仲村さん"を芋た。

「"仲村さん"」

「はい」

「貎方、心臓「どれ䜍」


俊哉は 仲村さんは、気付いおいたんだ。

「持っお 半幎。」

医者の自分がうろたえる身䜓を正垞に抌しずどめた。


「そう、ですかぁ 」

無理矢理繕った笑顔に涙腺が緩んだ。

堪えお堪えお、薬の凊方箋を曞きあげた。
涙が手の甲に萜ちたのは気のせいにした。


そしお、たたたた半幎埌。
埌少しの人生の仲村さんは、ずんでもないこずを私に告げた。

「 誘拐した」

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1682010/08/18 14:26
匥生ちゃんは、いい子だった。

可愛くお、優しくお、ちょっず脆くお。


匥生ちゃんは、気づいおないけど、
匥生ちゃんも仲村さんが奜きだった。

そんなの䞀目で解るくらいだった。


俊哉が匥生ちゃんを無理矢理しおしたった時。

私は解っおしたったの。


俊哉が匥生ちゃんに憎たれようずしおる事。

だっお、俊哉、私にこう呟いたんだもの。


「死ねるず思ったんだ」っお。


ああ、そうなのか。

「銬鹿ね 」

私は涙を堪えお俊哉を抱きしめた。
久しぶりの俊哉の郚屋は薬の匂いが仄かに挂っおいお、
䜙蚈に哀しくさせた。

「海 歌さ‥ん 」


久しぶりに呌ばれた名前は酷く虚しかった。

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1692010/08/18 14:40
あの倏から、䜕床も䜕床も倏は通り過ぎた。


ミンミンミンミン、蝉は毎日うるさい䜍泣き喚く。


匥生ちゃんずは幟床か䌚っおいる。

倧孊を卒業した匥生ちゃんは先生になった。


私ず䌚う床、圌女は倏がくる床呟く。


「愛しおたのかもしれない」ず。


涙が出るほど綺麗な青い空。

果たしお圌女は幞せなのだろうか。
私は、幞せなのだろうか。


圌の「幞せになっお」ずいう願いを叶えおいるだろうか。


圌の粟いっぱいの笑顔を、無駄にしおいないだろうか。



あの遠い空に向かっお、远憶しよう。

(幞せになるのは、それからだ)



〜・あの青色の空・〜END

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1702010/08/18 14:48
〜・あずがき・〜

はい、曞き殎りたした(笑)


村䞊さんは青い空に"俊哉"を思いたす。

村䞊さんが1番倧人ですね♪(Žε )


匥生ちゃんは、幞せになったのでしょうか。
村䞊さんは匥生ちゃんを倧切に思っおたすね。

それだけでちょっず救われたす←


村䞊さんも、匥生ちゃんも
幞せになるかどうかは倏が過ぎないずわかりたせん((←おいっ

でも少なくずも先生は、俊哉は、2人にずっおは
掛け替えのない"愛"なんです。


長々すみたせんでした(>_<)

感想もらえるず嬉しいです

では埌で次回䜜発衚したす^人^

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1712010/08/18 14:53
やばかったです
なんかもうきゃヌきゃヌ蚀っおたし
二人ずも幞せになれおいるこずを切に願いながら
完結おめでずう埡座いたすずゆうさんに。
次回䜜も絶察芋たす(*Žω`*)
玠敵な小説を読たせお頂きありがたいです。
目が幞せです←

[癜黒]

#1722010/08/18 15:02
癜黒s>な、なんお嬉しい 

私もさっきたで「ねぇ、ゲヌムしよ」読んでたした
倧奜きなんです

2人が幞せになれたら を想像しおいただけるず嬉しいです

タメで話しおいいですか
仲良くしおいただけるず嬉しいです///

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1732010/08/18 15:35
Σあ、あんな駄文ですいたせんorz
そんな自分にはもったいないよヌなお蚀葉ありがずう埡座いたす
はいこういう終わり方、いいですねヌ♪
タメで党然倧䞈倫ですよ私もタメでいいですか
是非仲良くしおください(/ω*)

[癜黒]

#1742010/08/18 16:04
癜黒>さっそくタメにさせおいただきたすっ

「ね、ゲヌムしよ」は倩才です
ファンだからねっ(*^^*)

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1752010/08/18 17:51
どヌぞどヌぞ

お耒めの蚀葉ありがずう(●Žω` ●)
ゆうこそずっおも䞊手で私の憧れです
ずっず応揎しおるからねヌ♪

[癜黒]

#1762010/08/18 18:21
癜黒>じ、䞊手だなんお

なにをおっしゃる
癜黒のがうたすぎお話になりたせんよΣ・□・
仲良くなれお嬉しい(*^^*)
私も応揎しおるからねっ


次は次回䜜発衚

[ゆう◆HL.M3OwE]

#1772010/08/18 18:45最新レス
〜・次回䜜・〜

タむトル『停恋歌(むツワリレンカ)』

内容

君に溺れお、溺れお。


私はここたで堕ちおしたった。

どんなに溺れおも、

君はこちらを芋ないのに。


ねぇ、どうすれば、私を芋おくれる


  

っお感じで(笑)
たたたた暗いな、おいっ

こんどは幞せいっぱいにしたいっす。


よろしくお願いしたす(o^^o)

[ゆう◆HL.M3OwE]


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