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練習試合 履正社9―6星稜 ( 2017年6月18日 星稜グラウンド )
今秋ドラフト上位候補の履正社・安田尚憲内野手(3年)が18日、星稜との練習試合で高校通算59号を放った。右翼場外へ消えた逆転の満塁弾は、星稜・山下智茂名誉監督の家を直撃。推定140メートルの“ゴジラ弾”で視察した9球団のスカウトを驚嘆させた。
白球はまるで運命に導かれるように憧れの人と同じ軌道を描いた。2点を追う3回無死満塁の好機。外角高め直球を仕留めた安田の打球は弾丸ライナーで右翼後方へ消えた。「ドスン」―。鈍い音を立てながら民家2階の壁を直撃した推定140メートルの特大弾。家の主は豪快に笑い飛ばしながら目を丸くした。
「(自分の)家を直撃するなんて松井以来じゃないかな。(家に居た)女房もビックリしてたよ。“ドーン”と音がしたってね」
松井秀喜氏を育てた星稜の山下智茂名誉監督も思わずうなった。松井ネットと呼ばれる高さ約20メートルの防球ネットを軽々と飛び越えた“ゴジラ弾”。松井氏の高校通算60本塁打に王手をかける会心の一発に、安田は「強い打球を打つことができた。自分の中でも一番のホームラン。飛距離も一番飛んだと思います」と胸を張った。
帽子のツバに『不動心』と記すほど幼少期から強い憧れを抱いてきたのが松井氏だった。その書籍は何度も読み返してきたバイブルだ。普段は自宅トイレにも置いており、常に読み返せるようにしている。「松井秀喜さんのようになりたいとずっと思ってきました。一度は来てみたいと思っていた場所でした」。憧れの人が高校時代に鍛錬を積んだ場所とあって、自然と気持ちは引き締まった。