>>449
先程、木の枝を投げ込むとクルクル回ることで久留女木と名が付いたと紹介しましたが、こんな伝説もあります。
<藁人形と久留女木〉
藁人形と聞いておどろおどろしい話を連想しましたが、このお話は違っていたようです。
奈良時代のことでした。
僧行基は諸国行脚から久しぶりに故郷のこの地に帰ってきました。
6月頃のことで蒸し暑い日が続き、里人は田植に忙しい時期でした。
行基が旅で汚れた衣を洗って貰いたいと老婆に頼んだところ、
「そんな暇はない!」
と即座に断られてしまいました。
行基はすっかり困り、
「では、私が田植をやるか!」
と早乙女姿をかたどった藁人形を作り田に置いたところ、田はたちまち緑に染まりました。
やがて役目を終えた藁人形は川に納められ、川合淵に流れ着きました。
この時につかぬまの命を惜しむかのようにクルクル回りながら、しばらく留まっていたようです。
このお話から久留女木と呼ばれるようになったとも言われています。